ダイハツ「キャスト アクティバ」・スズキ「ハスラー」を比較してみた

「アクティバ」のベース車は「ムーヴ」「ハスラー」は「ワゴンR」

2014年1月に発売され、そのスタイルとカラーリングにより、軽の新しいジャンルを築いたとも言われ、人気を集めているスズキの「ハスラー」。

この「ハスラー」の人気を横目で見ながら開発されたのが、ダイハツの「キャストアクティバ」、同じジャンルに属すると思われるこの2車、どのような違いがあるのか比べて見ました。

まずは、車のサイズから

全長(mm)全幅(mm)全高(mm)室内寸法ホイールベース(mm)
長さ(mm)幅(mm)高さ(mm)
アクティバ3,3951,4751,6302,0051,3201,2452,455
1,640 *1
ハスラー3,3951,4751,6652,1601,2951,2502,425
2,035 *2

トレッド最低地上高(mm)車両重量(kg)
前(mm)後(mm)
アクティバ1,2952WD1,2952WD1802WD840
4WD1,2654WD1754WD890
ハスラー1,2901,2902WD1802WD750~820
4WD1754WD800~870

*1はシルバールーフレール装着車。*2はAタイプ。

2車とも、軽自動車規格をフルに使い近い数値になっています。

「アクティバ」は「ムーブ」、「ハスラー」は「ワゴンR」がベースとなり開発された車で、ともにシャーシは共用されています。

全長、全幅は同じですが、全高は「ハスラー」が上回っています。

室内寸法の幅は「アクティバ」が広く、長さ、高さに関しては「ハスラー」が上回っています。

ホールベースは「アクティバ」が長くなっています。

トレッド幅は、2WDでは前後とも「アクティバ」が広く、4WDでは後ろだけが「ハスラー」が広くなっています。

車両重量については、「ハスラー」はグレード別に重量を発表していますが、「アクティバ」は、ターボモデルでも同じ重量で発表されています。

本来なら「アクティバ」の車両重量は、モデルにより差があると思われますが、現在のカタログ値で比較すると、「ハスラー」が軽く作られています。

「アクティバ」のスタイリング

グレードはG-SAⅡのノンターボモデル(2WD)。ボディカラーはディープブルークリスタルマイカです。(オプション装着車)

こちらは、G-SAⅡターボモデル(2WD)。ボディカラーはトニコオレンジメタリック+デザインフィルムトップ(ホワイト)です。

「ハスラー」のスタイリング

「ハスラー」特別仕様車Jスタイル(2WD)。ボディカラーはブルーイシュブラックパール3 ホワイト2トーンルーフです。

ボディカラーはフェニックスレッドパール ホワイト2トーンルーフです。

「アクティバ」「ハスラー」のスタイリングを比較してみる

試乗したグレードは、「アクティバ」がノンターボのG-SAⅡと呼ばれるモデルです。ターボモデルは、残念ながら試乗していません。

一方「ハスラー」の方は、Jスタイルと呼ばれる特別仕様車になっています。Sエネチャージが搭載され、専用エンブレム、インテリアなど独自の物が用意される仕様です。

スタイルを比べた時に、「ハスラー」ほど「アクティバ」はRV感が強くないと感じます。「ハスラー」は、遊べる軽とスズキが謳うように、RV的雰囲気を全面に押し出しています。

「ハスラー」は、「どこかで見たことがある」RV車のイメージがありますが、軽自動車のサイズに、カラフルなカラーでボディや内装を仕上げたことにより、嫌味がなく愛されるスタイリングを実現させています。

「どこかで見たことがある」と思える、オフロード車に通じる各部のボディデザインも、この車に、SUVとしての信頼と安心感を与えることに成功しています。

「アクティバ」は、どちらからと言うと、今までの車の延長線上にあるスタイリングと言えます。ハードなRV的なイメージを押し出さず、ミニをイメージさせるようなスタイリングで、「ハスラー」とは違う層に、アピールしようとしていることが伺えます。

フロントウィンドウの傾斜も、「ハスラー」よりキツくスポーティな雰囲気を出しています。

「アクティバ」のインテリア

「アクティバ」の内装は、標準仕様ではシルバー基調の内装になりますが、試乗車はレザー風プライムインテリアと言うオプションのブラックインテリア (ブラック)で、スポーティ&高級感漂う仕様になっています。

シートはベンチシートながら体のホールド性に優れています。

ボディカラー、トニコオレンジメタリックに組み合わされるインテリアアクセントカラー(オレンジ)仕様車です。

ボディカラーとインテリアカラーがコラボ出来るカラーは、ブルー(2015年10月予定)とオレンジの2色が用意されていています。

使用されているオレンジの色は、落ち着いた色合いになっています。

リアシートを倒した、ラゲッジスペースはクロス張りで、このまま汚れた荷物を積み込むには、向いていない仕様になっています。

メーターパネルは、アナログ式の2眼丸型スピード、タコメーターで、ホワイトの文字盤がその気を出させる、スポーティな雰囲気を演出しています。

座った感じは開放感よりも、どちらかと言うと包まれ感を優先していますが、シートに座って見ると、ダッシュボードの位置は低く設定されており、小柄な女性でも運転し易い設計になっています。

車内の雰囲気については、これまでの車の延長線上にある車だと言えます。「ムーブ」などから乗り換えても、違和感なくすぐに馴染める車に仕上がっています。

「ハスラー」のインテリア

「ハスラー」のインテリアは、明るく開放感に満ちた内装になっています。

シートに座った瞬間に、これまでの車と違う「ワクワク感」を感じ取ることが出来ます。

「ハスラー」のベンチシートは、ホールド性はそれほどなく、ゆたっり座ることを優先している設計です。

ダッシュボードのカラーパネルが、インテリアの大きな特徴となっていて、「ハスラー」に楽しい雰囲気を与えることに成功しています。それに加えて、シートのパイピングカラーやドアハンドルカラーが、さらに楽しさを加えている印象です。

メーターは、大型のスピードメーターが1眼タイプで、マルチインフォメーションと組み合わされます。メーターはあくまでも脇役で、カラーリングされたダシュパネルが、メインの主役を張るそんな感じのインパネです。

気になるのは、メーターフードの一番高い部分が、若干ですが視界を悪くしている点です。小柄な女性のユーザーは、見難いと思われることがあるかも知れません。

荷物を乗せるラゲッジフロアは、汚れをふき取り易い素材で出来ており、それがリアシートの背もたれ部分にも採用されていますので、リアシートを倒し多少汚れた荷物を積み込んでも、簡単に掃除が出来るようになっています。

助手席シート下は、取り外せるトレイになっています。海や山へ行き、汚れてしまった靴などの収納場所として活躍しそうです。

「アクティバ」「ハスラー」の乗り心地と操縦性

「アクティバ」のタイヤサイズは165/60R15。試乗車はブリジストンエコピアを装着していました。

「ハスラー」のタイヤサイズは165/60R15。試乗車はダンロップエナセーブを装着していました。

「アクティバ」は、他のダイハツの車から乗り換えても、違和感なくすぐに馴染めるような仕様になっています。

乗り心地、操縦性は、一連のダイハツ車の流れを汲むもので、走り出せば「ダイハツの車だな」と納得させられます。運転した感じはベース車両の「ムーブ」に近い印象を受けます。

エンジン特性はやや高回転型で、低中速域のトルク特性はやや弱めです。もう少し低い回転数からトルクを出せれば、さらに運転し易い車に仕上がると思います。

ステアリング上には、Dアシストパワースイッチが配置され、Dレンジ走行中に、坂道やフルで乗車した時など、力が必要と思われる場面でスイッチを入れると、エンジン回転数が上がり、走りをサポートしてくれます。

サスペンションのセッティングは、「ムーブ」よりソフトな方向で仕上げられており、少し高くなった車高と相まって、コーナーではロールを感じさせますが、通常の速度域では不快になる程ではありません。

段差の乗り越えでは、リアの突き上げ感がありますが許容範囲だと思われます。

「ハスラー」は、ベースの「ワゴンR」と比較して違う操縦性を示すように感じられます。

キビキビと車が反応する「ワゴンR」に対して、サスペンションセッティングが「ワゴンR」よりソフトに設定されているためか、反応がやや穏やかで、「ワゴンR」よりホイールベースの長い車に乗っているような感じを受けます。

コーナーでは、サスセッティングと車高が高いため、「アクティバ」同様ロールが感じられますが、乗り心の面では、柔らかくなったサスペンションの恩恵で、良い乗り心地を提供しています。

「ハスラー」は、ボディスタイリングも内装も、どこか遊び心が感じられる車ですが、そのイメージ通りの、乗り心地や操縦性なのです。(悪く言えば安っぽいのですが)それが見事にハマっているのです。

「ハスラー」の軽快な乗り心地や、操縦性を提供しているのは、車両重量の軽さや、トランスミション(CVT)の出来の良さ、低回転でのトルクフルなエンジンが貢献して実現させています。

Sエネチャージになり、アイドリングストップからの静かな出足や、高い燃費性能など魅力を追加しています。

「アクティバ」ボンネットフード裏のフード・インシュレーター (遮音材)。

「ハスラー」のボンネットフード裏にはフード・インシュレーター (遮音材)がありません。

ただ、難点は軽量ボディのため、大きな段差を乗り越えると、リアがガタンと大きく揺れることです。エンジン音も、高回転になるとガサツな音になり、遮音材がないエンジンフードと相まってうるさく感じます。

両車の操縦性や乗り心地や比べた場合、軽快感の「ハスラー」しっとり感の「アクティバ」と表現することが出来ると思います。

「アクティバ」と「ハスラー」どう選ぶか

「ハスラー」の後から発売された、「アクティバ」は「ハスラー」と同じような思想で開発され、同じ購買層を狙った車と思われがちですが、実は狙った購買層は「ハスラー」とは違います。

「ハスラー」のラゲッジルームが、「車を使って山や海で遊ぶ」アウトドアの、ハードな使われ方にも対応できるような仕様に対して、「アクティバ」は、普通のクロス張りの仕様になっていますので、アウトドアでの使用より、都市部での使用を前提にしていることが伺えます。

内装にしても「アクティバ」は、スポーティ感漂う黒のレザー風インテリアをオプションとしたり、ホールド性の良いシートに加えて、メーターはスピードとタコの2眼メーターなど、走りをイメージさせる作りで、「ハスラー」のスピードメーターが1眼の作りとは、明らかに目指す方向が違うように作られています。

レジャーへ出かける場合に、目的地に着く迄の道のりを楽しむための「アクティバ」。目的地に着いて楽しむための「ハスラー」といえます。

「アクティバ」はなぜ都市型にシフトしたのか

「アクティバ」が「ハスラー」と同じ、アウトドア向きの車にしなかったのは、ダイハツには「ウェイク」がRVの車として、存在しているからではないかと推測されます。

売れている他社の車と、同じようなコンセプトで対抗車種を作るのは、自動車メーカーの常套手段であり、過去何度も繰り返されて来ました。

ホンダが「ストリーム」を発売しヒットさせると、それに対抗してトヨタが「ウィッシュ」を発売したり、トヨタの「アルファード」に対抗して、ホンダが「エリシオン」を送り出したりと数多くあります。

今回、ダイハツがそうしなかったのは、「アクティバ」と「ウェイク」で、同じ客層を奪い合うことを、恐れたのではないかと思われます。

「ウェイク」の販売は、ダイハツが想定した台数を下回る状況です。ここで、さらに同じようなコンセプトで「アクティバ」を投入すると、「ウェイク」の販売は益々落ち込んでしまいます。

このような状況になるのを避けたかった思いが、ダイハツにはあったと考えられます。

ダイハツ「キャスト アクティバ」スズキ「ハスラー」の装備と価格を比較したのはこちらです。

ダイハツ「キャストアクティバ」・スズキ「ハスラー」装備と価格を比較してみた
「キャストアクティバ」は「ハスラー」を、追いかける車種として投入されましたが、装備と価格のバランスは気になるところです。「キャストアクティバ」と「ハスラー」は、同じ軽自動車SUVですが目指したものが違うことが、装備の違いとなって表われています。「キャストアクティバ」と「ハスラー」装備と価格を比べてみました。
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