トヨタ「ヴィッツ」「アクア」比較してみた

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コンパクトカーの先駆け「ヴィッツ」とニュージェネレーション「アクア」

トヨタのコンパクトカーとしては「アクア」より先に誕生し、世に送り出された「ヴィッツ」と、最も多く売れているコンパクトカー「アクア」を比較してみたいと思います。

「ヴィッツ」の登場は1999年で、それまでの価格が重視されて来たトヨタのベーシックカーに、品質と安全性能を持ち込んだ車です。当時のコンパクトカーブームの先駆けとなった「ヴィッツ」は、爆発的なセールを記録し人気を集めました。

そして3代目となる現行モデルでは、2017年に待望のハイブリッド車が追加され、シリーズの充実を図っています。

「アクア」はハイブリッド専用モデルとして、2011年に登場していますが、これまでになかったコンパクトボディに、ハイブリッドシステムを搭載したことで、コンパクトハイブリッド車としての地位を確立しました。

このコンセプトは、その後も多くの支持を集めることとなり、トヨタの最量販車として君臨し続けています。

今回の比較対象としたのは「ヴィッツ ハイブリッド F 」と「 アクア S 」です。

カタログスペックでは全長が長く室内も広い「アクア」

先ずはボディサイズを比較してみます。

ヴィッツアクア
全長(mm)3,9454,050
全幅(mm)1,6951,695
全高(mm)1,5001,455
ホイールベース(mm)2,5102,550
トレッドフロント(mm)1,4851,470
リア(mm)1,4701,460
タイヤ175/70R14185/60R15

全長とホイールベースは「アクア」が長く、全高は「ヴィッツ」が高くなっています。

タイヤのサイズが違うのですが、トレッドは前後とも「ヴィッツ」が広くなっています。

室内の広さを比べてみます。

ヴィッツアクア
室内長さ(mm)1,9202,015
幅(mm)1,3901,395
高さ(mm)1,2401,175

長さ、幅とも「アクア」が広く、「ヴィッツ」は高さで勝っています。

パワーも燃費も同じ「アクア」と「ヴィッツ」

動力性能、車両重量、燃費性能を比べてみます。

ヴィッツアクア
エンジン最高出力PS/r.p.m.74/4,80074/4,800
最大トルクkgf・m/r.p.m.11.3/3,600~4,40011.3/3,600~4,400
モーター最高出力PS6161
最大トルクkgf・m17.217.2
車両重量(kg)1,1001,090
燃料消費率(km/L)34.434.4

「ヴィッツ ハイブリッド」と「アクア」は、共通のパワーユニットとされていますので、同じ性能のスペックです。

車両重量は「ヴィッツ」が若干重くなっていますが、燃費性能は同等の数値を出しています。

背の高さが「ヴィッツ」と「アクア」の違いを物語る

サイドバンパーは「アクア」がより空力を意識したような形状にしています。

フロントは細かな凹凸で表情を作る「ヴィッツ」に対して、「アクア」はヌメッとしたスムーズな面構成で作られたデザインです。

「ヴィッツ」はフロントノーズが「アクア」より短く、ルーフラインも緩やかに下降させているので、実用的なコンパクトカーの形です。

「アクア」はフロントノーズも長めで、ルーフラインの下降具合も急な角度で下がり、カッコよさを重視したクーペのような仕上がりです。

テールゲートウィンドは「ヴィッツ」が広いグラスエリアを持っており、グラスエリアの狭い「アクア」より後方視界が良好です。

テールゲートスポイラーが装備されない「ヴィッツ」に対して、「アクア」は標準で装備されるところが、両車種の性格の違いを表しています。

「ヴィッツ」「アクア」が搭載する、1NZ-FXE型エンジンと1KM型モーターが組み合わされるハイブリッドシステムの配置は同じレイアウトです。

タイヤサイズは「ヴィッツ」は70扁平で14インチ、「アクア」は60扁平で15インチと違うのですが、タイヤは共にブリジストンエコピアを装着しています。

ベーシックなインテリアの「ヴィッツ」クラスを超える質感の「アクア」

「ヴィッツ」のインパネは時代を感じさせる作りで、「アクア」と比べると懐かしさを覚えるデザインです。

又、質感でも「ヴィッツ」はプラスチック感が強くなっていますが、「アクア」はピアノブラックを使い、それを上手く和らげています。

「アクア」はドアアームレストや、オートマチックトランスミッションシフトゲートの加飾を施し、「ヴィッツ」よりも凝ったインテリアに仕上げています。

「ヴィッツ」はアナログ表示を採用し、「アクア」はデジタル表示を採用しています。

メーターの視認性では表示部が大きい「ヴィッツ」が優れています。

「アクア」のセンタメーターは、視線移動の少なさでは有利ですが、表示部が小さいのが難点です。

「ヴィッツ」のシートは「アクア」と比べると、硬めの座り心地となっていて質感でもやや劣ります。

「ヴィッツ」のリアシートは、コンンパクトカーとして、標準的な広さを持ち不満はそれ程ありませんが、「アクア」は潜り込みような座り心地と足元の狭さで、長時間乗るには我慢を強いられる広さです。

ラゲッジフロアの広さは、「ヴィッツ」と「アクア」は同じような広さですが、「ヴィッツ」は「アクア」よりも全高が高いために、容量と使い勝手では優れています。

楽に乗れる「ヴィッツ」潜り込む「アクア」

「ヴィッツ」と「アクア」にそれぞれ乗り込んでみると、自然な体勢で乗り込める「ヴィッツ」に対して、全高が低い「アクア」は体を沈みこませるような乗り込み方になります。

シートに収まるドライビングポジションは、日常的な視線が得られる「ヴィッツ」と比べると、「アクア」は低いポジョションでスポーティな視線です。

「アクア」の低いポジションは、包まれ感はあるのですがその分インパネの高さも感じられ、前方への視界は「ヴィッツ」よりも悪く感じられます。

「ヴィッツ」のインパネデザインは古典的な印象で、質感も低くベーシックな作りとなっていますが、「アクア」はピアノブラックを効果的に配置し、「ヴィッツ」よりも一クラス上の質感を作り出しています。

運転席・助手席の広さは「ヴィッツ」と「アクア」では、差は感じられませんが、リアシートの広さでは大きな違いがあります。

カタログスペックでは、「アクア」が広い空間を確保しているのですが、その多くはフロントシートのために使われていて、リアシートには余裕がありません。

「アクア」はシートに窪みを付けるなどで、低いルーフに合わせてスペースを確保していますが、満足できるものでは無く、リアシートは「ヴィッツ」が実用的に使える空間を確保しています。

リアシートへの乗り込み易さでも、頭をルーフにぶつけそうになる「アクア」は、クーペスタイルと引き換えに乗降性が犠牲になっています。

「ヴィッツ」のハイブリッドシステムは「アクア」より反応が良い

「ヴィッツ」と「アクア」は、同じハイブリッドシステムを搭載しているのですが、実際にドライブしてみると、「ヴィッツ」の発進加速の良さが感じられます。

「アクア」が遅い訳では無いのですが、「ヴィッツ」はアクセルに素早く反する、立ち上がりの力強さが感じられるのです。

「ヴィッツ」のハイブリッドシステムは、「アクア」で使われているものを更に改良したタイプで、それがこの反応の力強さに繋がっているものと思えます。

走行性能でも、足回りにヨーロッパ仕様の部品を組み込んだ「ヴィッツ」は、メリハリの効いた走りをみせ、ドライブしても楽しめる仕上がりです。

カーブでの挙動も、不安にさせるようなことが少なく、リアタイヤとバランスがとれたコーナリングは、コンパクトカーらしい軽快さが伝わります。

「アクア」はポジションが低くて、スポーティな印象なのですが、ハンドリングやサスペンションに特徴が無く、面白さに欠けるドライブフィールです。

誰にでも扱い易い素直な車と言うことも出来るのですが、ドライブした印象が薄く「アクア」らしい味付けが欲しいところです。

室内の静粛性はエンジンが始動すると、「ヴィッツ」「アクア」も変わらない振動が伝わりますが、ロードノイズの遮断では「ヴィッツ」が良く出来ています。

タイヤの扁平率が違うので、その差もあると思われますが、「アクア」はスピードが上がるに連れ、「ゴー」と言うロードノイズが室内に侵入し煩かったのですが、「ヴィッツ」はそれ程騒音が高まらない印象です。

乗り心地も装着したタイヤの影響からか、「アクア」は「ヴィッツ」よりもコツコツとした振動が伝わり、粗く感じられる乗り心地となっていますが、スポーティーなテイストと捉えることも出来ます

最後に「ヴィッツ」と「アクア」の装備と価格を比べてみます。

2WDヴィッツ ハイブリッド Fアクア S
フロントガラスUVカットUVカット/高遮音
フロントドアガラススーパーUVカット/IRカットスーパーUVカット/撥水機能
リアルーフスポイラー無し標準装備
コンライト標準装備オプション
フロントワイパー間欠式時間調整式
スピーカー24
メーカー希望小売価格1,819,800円1,886,760円

「ヴィッツ」と「アクア」の装備の差は少なく、若干「ヴィッツ」の装備内容が簡素化されていると思える内容です。

メーカー希望小売価格は66,960円「ヴィッツ」が安い設定になっています。

実用的なコンパクトハイブリッドなら「ヴィッツ」カッコ良さと豪華さを求めるなら「アクア」

トヨタのコンパクトハイブリッドカー「ヴィッツ」と「アクア」は、コンセプトを明確に分けて造られています。

「ヴィッツ」は「アクア」と比べると背が高く、リアシートも使い易く作られていますので、実用的に使えるコンパクトハイブリッドです。

インテリアはやや質素で時代を感じるのですが、足回りはヨーロッパテイストの味付けが施されているので、実用車として使えるだけでなく走る楽しさも備えています。

「アクア」は「ヴィッツ」よりもパーソナルユース向きの車です。

高さを抑えた低いボディは、クーペのようなスタイリッシュなデザインを実現させていますが、その美しいスタイルを実現させるために、リアシートの快適性は諦めており、コンパクトカーにカッコ良さを持ち込むのが、「アクア」のテーマとなっています。

インテリアも、コンパクトカーの枠を超える質感を作り出しているので、かっこ良さや室内の豪華さを重視するなら「アクア」です。

「ヴィッツ」の試乗記事はこちらです。

トヨタ「ヴィッツ ハイブリッド」試乗してみた
マイナーチェンジされ待望のハイブリッドシステムを搭載した「ヴィッツ ハイブリッド」は、これまでより更に改良されたハイブリッドシステムとされ、足回りはヨーロッパで使用されているものを組み入れて、ボディの剛性確保では溶接個所を増やし走行性能を上げています。走りの資質を高めた「ヴィッツ ハイブリッド」試乗してみました

「アクア」の試乗記事はこちらです。

トヨタ「アクア」試乗してみた
トヨタ「アクア」2011年12月に発売され、自動車販売台数では、常に上位をキープする人気車種です。その人気を支える「アクア」の魅力は、どこにあるのか、試乗を通じて探ってみたいと思います。
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