ホンダ「シビックハッチバック」スバル「インプレッサスポーツ」比較してみた

7年振りに国内へと回帰し注目を集めるホンダ「シビック」と、5代目となり新しいプラットフォームで、走行性能を高めたスバル「インプレッサ」を比較してみます。

「シビック」はホンダの看板車種と言える車でしたが、「フィット」の登場とともに近い性格の「シビック」は、次第に存在感が薄れ国内での販売が中止されていました。

時を経て再び国内へ登場した「シビック」は、ミドルクラスの堂々としたボディと、低いシャープなスタイリングが特徴で、低重心によるスポーティーな走りを実現させています。

発売前には大きくなった「シビック」は、国内には向かないとの批判的な意見が囁かれましたが、登場するとその声を覆すように、好意的に受け入れられ支持を集めています。

「インプレッサ」はスバルの看板車種である「レガシィ」が、大型化し上級な車種に移行したことに伴い、その下のクラスを埋める車種として登場しました。当初よりスポーツ指向のWRXモデルを用意し、スバルモータースポーツ活動の中心を担う車となっています。

今回対象としたのは「シビックハッチバック」と、「インプレッサスポーツ」です。共に5ドアハッチバクとなるボディは、アクティブなユーザーを意識したモデルです。

グレードは「シビックハッチバック」が単一グレードのみで、CVTかマニュアルミッションを選べる仕様で、試乗車はCVTが装備されています。「インプレッサスポーツ」は1.6i-L、2.0i-L、2.0i-Sの3グレードを揃えるラインナップですが、2.0i-Lを比較対象としてみます。

「インプレッサスポーツ」の画像は1.6i-Lも使用しています。

「シビックハッチバック」と「インプレッサスポーツ」のスペックを比較

シビックハッチバックインプレッサスポーツ2.0i-L
全長(mm)4,5204,460
全幅(mm)1,8001,775
全高(mm)1,4351,480
ホイールベース(mm)2,7002,670
トレッド(mm)1,5351,540
1,5551,545
サスペンション形式ストラットストラット
マルチリンクダブルウィッシュボーン
ブレーキベンチレーテッドディスクベンチレーテッドディスク
ソリッドディスクベンチレーテッドディスク
最低地上高(mm)135130
車両重量(kg)1,350(CVT)1,320(FF)
室内(mm)長さ1,9102,085
1,4651,520
高さ1,1601,200
エンジン排気量(L)1,496+ターボ1,995
最高出力(PS/rpm)182/5,500154/6,000
最大トルク(kgf・m)24.5/1,900-5,00020.0/4,000
燃料消費率(km/L)18.0(CVT)17.0(FF)
最小回転半径(mm)5.55.3
駆動方式FFFF/AWD

「シビックハッチバック」は「インプレッサスポーツ」より、長くワイドで背が低くホイールベースも長くなっています。

サスペンションはともに高い走行性と、乗り心地を両立させる4輪独立方式の足回りで、「インプレッサスポーツ」はリアブレーキにも、放熱性に優れるベンチレーテッドディスクを採用しています。

室内は長さ、幅、高さともに「インプレッサスポーツ」が、「シビックハッチバック」を上回る広さです。

エンジンの最高出力と最大トルクは、ターボチャージャーを搭載する「シビックハッチバック」が勝り、燃費性能でも上回っています。

空力を意識した「シビックハッチバック」基本を押さえた「インプレッサスポーツ」

「シビックハッチバック」はフロントグリルがブラックアウトされ、複雑に凹凸のあるデザインを採用しています。また、ボンネットフードのキャラクターラインも、膨らみが強くフェンダーも張り出しが強調されるデザインです。

「インプレッサスポーツ」のフロントグリルは、メッキガーニッシュを使い、華やかさを演出するデザインで、フロントグリルの開口部も大きくなっています。

「シビックハッチバック」はフロントバンパーの、大きなダミーインテークがアクセントになり、リップスポイラーが空力を意識したデザインです。

「インプレッサスポーツ」は大人しいスッキリとしたラインで構成し、キャラクターラインとボディ面の調和を図ったデザインです。

同じ5ドアハッチバックですが、「シビックハッチバック」はリアハッチの傾斜を緩やかにし、クーペ的なラインで仕上げています。「インプレッサスポーツ」はハッチバックらしいリアデザインで、オーソドックスなラインでまとめています。

また、「シビックハッチバック」のフロントは、バンパーがグリルより前に出ていますが、「インプレッサスポーツ」はグリルとバンパーが、面一で合わされています。

フロントと同様に複雑で凝った造りの「シビックハッチバック」は、力強さを感じさせ「インプレッサスポーツ」は、シンプルで大人しいデザインです。

この角度からみると両車のデザイン思想が違うのが良く分かります。

「シビックハッチバック」はリアフェンダーの、キャラクターラインからルーフに向けて、絞り込みを強くし、張り出しを強調しています。「インプレッサスポーツ」のキャラクターラインからの絞り込みは、緩やかなラインになっています。

ハイパワー高トルクの「シビックハッチバック」感性にも拘る「インプレッサスポーツ」

最高出力182PS/5,500rpm、最大トルク24.5kgf・m/1,.900-5,000rpmを発揮する「シビックハッチバック」のL15C型エンジンは、VTEC+ターボが燃費とパワーの両立を図り、2.4Lエンジン以上のスペックを実現しています。

最高出力154PS/6,000rpm、最大トルク20.0kgf・m/4,000rpmを発揮する「インプレッサスポーツ」のFB20型エンジンは、スバル伝統の水平対向エンジンで、ドライバーの感性に響くリニアで気持ちの良い加速と音の一体感が、大きな魅力となっています。

「シビックハッチバック」のタイヤサイズは235/40R18です。タイヤはグッドイヤーイーグルF1を履いています。

「インプレッサスポーツ」のタイヤサイズは205/50R17です。タイヤはブリヂストントランザが装着されています。

ベーシックでシンプルな「シビックハッチバック」近代の要素を取り入れた「インプレッサスポーツ」

「シビックハッチバック」はインパネの上部を、室内に向かってなだらかに下がるデザインにし、圧迫感をなくしています。「インプレッサスポーツ」はやや直立した形で、高さを感じるデザインです。

大型の1眼メーターを採用する「シビックハッチバック」は、タコメーターの中にデジタル表示のスピードメーターと、マルチインフォメーションディスプレイが表示されます。グラフィカルなタコメーターの視認性は今一つです。

オーソドックスな2眼メーターの「インプレッサスポーツ」は、左側にタコメーター計、右にスピードメターの組み合わせで、中央にはマルチインフォメーションディスプレイが配置されます。

また、インパネ上部にはマルチファンクションディスプレイが備わり、車の情報がグラフィカル表示されのは「インプレッサスポーツ」の優れた部分です。

「シビックハッチバック」はセオリーに沿ったオーソドックスな仕上げで、「インプレッサスポーツ」は現代的な煌びやかさを感じる作りです。

シビックハッチバック

インプレッサスポーツ

「シビックハッチバック」のシートはソフトウィーブにステッチが入り、「インプレッサスポーツ」はファブリック/トリコットに、シルバーステッチが入ります。

ラゲッジスペースは「シビックハッチバック」420L「インプレッサスポーツ」385Lで、「シビックハッチバック」が大きいのですが、ほぼ同程度の容量に感じられます。しかし、かさばる荷物はバックゲートの形状から、「インプレッサスポーツ」が積み易くなっています。

ボンネットの低さが際立つ「シビックハッチバック」

実際の両車に対面してみると、「シビックハッチバック」のボンネットの低さを改めて感じます。「インプレッサスポーツ」も、全高が低い水平対向エンジンのため、ボンネットは十分に低いのですが、「シビックハッチバック」はそれを上回る低さです。

フロントやリアのバンパーも、空力を意識し複雑な形状をした「シビックハッチバック」は、スポーツカーやGTカーをイメージさせるスタリリングです。また、近年の国産車がメッキガーニッシュを多用する中で、ブラックアウトされたフロントグリルは精悍な佇まいです。

「インプレッサスポーツ」は5ドアハッチバックの、基本を押さえたスタイリングで、真面目で堅実な造りはスバルらしさを感じさせます。キャラクターラインが適度に強調されるボディは、まとまりのあるスムーズな面構成です。

開放感と後方視界に優れる「インプレッサスポーツ」

車に乗り込むと車高の低い「シビックハッチバック」は、ドライビングポジションも低くスポーティですが、インパネ上部を室内に向け下げているので、圧迫感がなく前方への視界は良好です。

「インプレッサスポーツ」は「シビックハッチバック」ほど、低い車高でないので乗り込みも容易で、特にリアシートの乗降性はリアドアが大きいことも貢献し、「インプレッサスポーツ」は優れています。また、ヘッドスペースにも若干の余裕が感じられます。

「シビックハッチバック」のシートに収まりポジションをとると、足を投げ出し寝そべるような姿勢がシックリときます。室内は適度な包まれ感があり、高いセンターコンソールが雰囲気を盛り上げます。

低いポジションの前方視界には問題がないのですが、後方の視界はCピラーも厚く、リアゲートのパネルも大きいことから良くありません。

「インプレッサスポーツ」のドライビングポジションは、やや低めに感じますが常識的な範囲で極端なものではありません。「シビックハッチバック」と違うのが肩回りの広さで、サイドウィンドウが接近し包まれ感のある「シビックハッチバック」に対して、「インプレッサスポーツ」は広く開放感のある室内になっています。

後方の視界もリアゲートの角度が立っていること、リアクォーターウインドウがテールゲートに近いことで、リアバンパーのコーナー位置が掌握し易くなっています。

街乗りでは「インプレッサスポーツ」が気持ちいい

ドライブするとパワーとトルクで、「インプレッサスポーツ」に勝る「シビックハッチバック」ですが、発進加速時にターボラグが感じられ、アクセルを踏み込むと一瞬躊躇して加速が始まり、僅か1,900rpmで24.5kgf・mもの大トルクを発生させるエンジンですが、アイドリングからの加速ではモタつきがあります。

「インプレッサスポーツ」はトルクフルな水平対向エンジンの特性で、アクセルを踏み込むと力強い反応で加速が始まります。最大パワーとトルクで負けていますが、市街地の走行では「シビックハッチバック」よりもパワフルな印象を与えます。

ステアリングは「シビックハッチバック」が、マイルドで大陸的な反応をみせるのに対して、「インプレッサスポーツ」はクイックで、キビキビとした軽快なハンドリングです。長時間の高速走行では「シビックハッチバック」の、落ち着きのあるハンドリングが疲れないと思いますが、街中でも操作して楽しいのは「インプレッサスポーツ」です。

ドライブ中の室内は「インプレッサスポーツ」が、静かな空間を作り出し、静粛性に気を配っていることが分かります。「シビックハッチバック」はエンジン音や排気音を、意識的に室内に伝え、力強さを演出しスポーティテイストを高めています。

パーソナルユースなら「シビックハッチバック」ファミリーユースなら「インプレッサスポーツ」

「シビックハッチバック」は5ドアハッチバックを、スポーツカーのようなスポーティでスタイリッシュに造り上げ、スペシャリティーな車に仕上げています。目指すのは5ドアの利便性や使い勝手ではなく、長距離を移動するためのグランドツアラーです。

パワフルなターボエンジンで心地よいサウンドを聞きながら、高速走行を楽しむための車として仕上げられています。

「インプレッサスポーツ」は5ドアハッチバックの、機能性や使い勝手、快適性を追求することに大きな主眼が置かれています。ファミリーユースにも使えるミドルクラスハッチバックを真面目に考え、それにスポーツ性を追加しています。

パーソナルユースで使うならスタイルに特徴がある「シビックハッチバック」が面白く、スポーティなドライビング感覚は、移動する楽しみを与えてくれます。

「インプレッサスポーツ」はファミリーユースにも使える、万能ハッチバックです。室内は広く開放的で静粛性に優れ、力強い水平対向エンジンとクイックなハンドリングは、ドライバーの感性を刺激しドライブする楽しさがあります。

Honda SENSINGとアイサイトVer.3の性能比較

Honda SENSINGアイサイトVer.3
システムレーダー+単眼カメラステレオカメラ
衝突回避ブレーキ時速5km/h以上で100km/h以下 障害物との速度差5km/h以上時速10km/h以上で160km/h以下 前方車両との速度差が50km以下 歩行者35km/以下
車線逸脱抑制60km/h~100km/h60km/h以上
クルーズコントロール0km/h~0km/h~100km/h
車線維持支援65km/h以上60km/h以上
オートハイビーム30km/h以上オプション
標識認識60km/h以下
後退時自動ブレーキ標準
誤発進抑制(前進・後退)標準

ドライバー支援の予防安全システムは、「シビックハッチバック」のHonda SENSINGが、レーダー+単眼カメラの組み合わせで、「インプレッサスポーツ」のアイサイトVer.3はステレオカメラです。

システムの性能はほぼ互角と言える内容ですが、組み込まれる機能は、アイサイトVer.3の後退時自動ブレーキ、前後への誤発進抑制が、Honda SENSINGにはないので、実質的なドライバー支援としての貢献度は、アイサイトVer.3に軍配が上がります。

「シビックハッチバック」の予防安全性能評価試験の記事はこちらです。

ホンダ「シビック」の予防安全性能評価を考えてみる | tatumiの車探訪記
7年ぶりに国内販売が開始されたホンダ「シビック」の、2017年度予防安全性能評価が自動車事故対策機構より公表されました。2017年度の評価項目は車両に対しての被害軽減ブレーキ、歩行者に対しての被害軽減ブレーキ、車線逸脱抑制、後方視界情報の4つをポイント制の得点として評価しています。「シビック」に搭載される「Honda ...

「インップレッサスポーツ」の予防安全性能評価試験の記事はこちらです。

スバル「インップレッサ」の予防安全性能を考えてみる | tatumiの車探訪記
スバル「インップレッサ」の2016年度予防安全性能評価が、独立行政法人自動車事故対策機構より発表されています。「インップレッサ」のアイサイトはVer.3へと進化し、性能と機能を向上させていますが、性能評価試験ではどのような結果を残したのか興味が湧きます。ぶつからない車?はその真価を証明できたのでしょうか。

「シビックハッチバック」「インプレッサスポーツ」の装備と価格

FFシビックハッチバックインプレッサスポーツ2.0i-L
ヘッドライトLEDハロゲン
歩行者用エアバッグ標準
運転席ニーエアバッグ標準
フロントドアガラスIRカット/スーパーUVカットIRカット/UVカット
リアヒーターダクト標準
スピーカー86
タイヤ18インチ17インチ
メーカー希望小売価格2,800,440円2,181,600円

主な装備の違いは上記のようになっていますが、メーカー希望小売価格には60万円を超える大きな価格差があります。

価格だけを考えると「シビックハッチバック」の不利は否めません。

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