トヨタ「カローラスポーツ」試乗してみた

トヨタ「カローラ」に新しく「カローラスポーツ」が登場しました。

現在「カローラ」のラインナップは、セダンとステーションワゴンのフィールダーですが、これに「カローラスポーツ」が追加されシリーズが構成されます。

「カローラスポーツ」は5ナンバーサイズの、セダン、ステーションワゴンとは違い、「プリウス」「C-HR」が採用する、TNGA-Cのプラットフォームを使用し、3ナンバーサイズのワイドなボディを纏っています。

ボディタイプは5ドアハッチバックのスタイルで、実質的に「オーリス」のポジションを引き継ぎ、スポーティテイストの強い車として仕上られています。

今後「カローラ」はセダン、ステーションワゴンともに、「カローラスポーツ」と同じ3ナンバーサイズのボディに移行することが決まり、使い易い5ナンバーサイズの「カローラ」も、今後はグローバル基準の車として変わっていくことになります。

また、「カローラスポーツ」の新しい装備の一つとして、車載通信機DCMが全車に標準装備され、「クラウン」とともに初代のコネクティッドカーになっています。

このDCMは高速データ通信と音声通話の機能があり、トヨタT-Connecサービスと繋がることで、セキュリティ、ナビゲーション、オペレーターサービスなどを利用することが可能になります。

「カローラスポーツ」のグレードは、最上位のG“Z”、中間のG、ベーシックのG“X”の構成です。グレードの基本としてGがあり、それにスポーティテイストを加えたのがG“Z”、さらに装備を簡素化したのがG“X”と考えると、購入目的とするグレードが把握し易くなります。

パワーユニットは1.8Lハイブリッドシステムと、1.2Lガソリンターボエンジンが、全てのグレードで用意されます。また、ハイブリッドモデルは2WDの駆動方式のみですが、ターボモデルは2WD/4WDの選択が可能となっています。

今回試乗したのは最上位グレード G“Z”のハイブリッドモデル、HYBRID G“Z”で、ボディカラーはシアンメタリックに塗られています。

シャープなフロントと厚みのリアで前傾姿勢のスタイル

G“Z”はJ字型のBi-Beam LEDヘッドランプに、フロントロアグリルのフレームが、サテンクロムメッキで塗られるなど、専用の仕様で仕上げられています。

センターピラーガーニッシュが、ブラック艶有り塗装で仕上げられ、エクステリアの質感を高めています。

リアバンパーにはクロムメッキの加飾が加えられ、デュアルエキゾーストを連想させます。

リアからみるとフェンダーの張り出しの強いスタイルは、台形で踏ん張り感があるデザインです。

テールゲートは特徴のあるラインで凝った作りですが、このデザインは樹脂製の素材を採用することで実現させています。

リアバンパーのブラックパネルは、スタイルを引き締めるアクセントになっています。

1.8Lの2ZR-FXE型エンジンは最高出力98PS/5,200rpm、最大トルク14.5kgf・m/3,600rpmで、1NM型モーターは最高出力72PS、最大トルク16.6kgf・mのスペックです。

G“Z”の燃費はWLTCモード25.6km/L、JC08モード30.0km/Lです。

ボンネットフード裏にはエンジン音を遮音する、インシュレーターがありません。

切削光輝+ダークグレーメタリック塗装の、G“Z”専用ホイールに組み合わされるのは225/40R18サイズで、タイヤはダンロップSPスポーツマックスが装着されています。

スポーティテイストを盛り上げるレッドステッチ

トレンドの水平基調でデザインされたインパネは、スッキリとした印象を与えます。G“Z”にはレッドステッチが入り、スポーティテイストを盛り上げます。上端はやや高く感じられますが許容レベルの高さです。

7インチのインフォメーションディスプレイを備えるメーターパネルは、オプティロン式の表示です。

ドライブモードセレクトスイッチが、ATセレクトレバーの先に配置されています。

助手席前のインパネデザインは、「カローラスポーツ」の個性を感じさせる部分です。

スポーツシートが標準で備わり、試乗車はオプションのセンシャルレッド(本革+ウルトラスエード)仕様です。

リアシートは3ナンバー車として考えると余裕がなく、なんとか長距離の移動でも我慢できるレベルです。

「カローラスポーツ」のVDA法による荷室容量は352Lで、スタイルを考えると妥当と思える大きさです。ちなみにステーションワゴンの「フィールダー」は407Lです。

ラゲッジフロアの下には車載ジャッキ、パンク応急修理キットが収まります。

リアシートを倒してもフロアはフラットにならない構造です。

「オーリス」のイメージを引き継ぐ「カローラスポーツ」

新しい「カローラスポーツ」と対面します。新世代のベーシックカーとされる車は、塊感の強い凝縮されたフォルムで、くさび型のウェッジ・シェイプはコンパクトな印象を与えます

しかし、近づくとワイドでボリュームのあるボディは、3ナンバーサイズの堂々とした大きさがあり、低い車高と5ドアハッチバックの形が、それを意識させません。

国内では「カローラスポーツ」の名を冠している新型ですが、海外では「オーリス」として販売されており、実質的に「オーリス」の後継モデルとして、位置付けられる車です。

そのことを考え「カローラスポーツ」をみると、フトントグリルの尖った先端や、リアゲートのデザインなどは、「オーリス」を彷彿とさせるものがあり、後継モデルとしてイメージを引き継いでいます。

「カローラスポーツ」に乗り込むと室内は、オプションとなるセンシャルレッド(本革+ウルトラスエード)で仕上げられ、スポーティテイストをより高める仕様です。

実際に目にするセンシャルレッドのカラーは、落ち着いた色合いで、派手でセンセーショナルな印象を与える、カタログカラーのシート色とは違う印象です。

G“Z”に標準で装備されるスポーツシートは、体にフィットする感触で程よい包まれ感がありますが、サイドサポートは標準的で、強く体をホールドするものではありません。

ドライビングポジションは全高が1,460mm(フィールダーは1,510mm)と、低くされたことに合わせて低くなり、ポジションに対してセンターコンソールが高く、ドライバーを包み込む空間を作り出しています。

また、全高の低さは室内ルーフの低さにも繋がり、ヘッドスペースが狭く頭上には天井が迫ります。この状態はリアシートも同じで、包まれ感の強い室内の作りです。加えてリアドアは小さく開口部も浅い角度で止まるため、乗降性が良くありません。また、リアシートの膝周りスペースに余裕がなく、フロントシートの背もたれに干渉するような近さです。

インパネは近年のトレンドとなる水平基調で、スッキリとシンプルにデザインされ、ソフトパッドを用い質感を高める工夫がされています。クラスを考えるとボリュームを感じさせますが、価格を考えるともう少し上質感が欲しいところです。

7インチの大型マルチインフォメーションディスプレイを備えるメーターは、表示も大きく見易くなっているのですが、全ての情報を一目で確認するには、左右の間隔がやや広いように感じられます。

スムーズな走りに高い静粛性を実現した「カローラスポーツ」

ATセレクターをDポジションに入れ走り出します。「カローラスポーツ」はスルスと、いつものトヨタハイブリット車のスタートをみせますが、走り出しのスムーズさには磨きがかかった印象です。

このスムーズな走りに合わせるように、室内の静粛性も向上され、エンジンが始動しても騒音の侵入は僅かで、モーター走中のロードノイズも良く抑えられています。

試乗車はAVSが装備され、ドライブモードは5段階の選択ができる仕様ですが、ECOモードでの走行を行ってみたところ、タイヤは40扁平の低いサイズを装着しているにもかかわらず、コツコツとした振動も伝わり難く快適な乗り心地です。

このECOモードでもステアリングをきると、カーブでフロントが内側に入る素早い反応をみせ、これまでのトヨタ車の特徴である、安全第一のフィーリングが変わり、ホンダ車のようなクイックな挙動を示します。

ドライブモードをSRORT+に変えると、アクセルに車が敏感に反応するとともに、足回りのロールが少なくなり、ステアリングもよりシャープな応答です。さすがにこのモードでは乗り心地が硬く、道路段差の振動が確実に伝わりますが、峠道を走るには楽しいモードです。

しかし、ドライブモードの切替はATセレクトレバーの先にあり、走行中に切り替えるには不向きな位置に置かれ、操作性には問題があります。

「カローラスポーツ」はその名の通りに、スポーツする5ドアハッチバックです。3ナンバーのワイドボディですが、高い剛性を実現させるため、室内は開放感より包まれ感を優先し、車との一体感を追求しています。

高剛性のボディは低扁平率のタイヤを履いても、サスペンションを確実にストロークさせ、タイヤのグリップに車が負けるような印象がありません。しかし、この高剛性を得るためにルーフは低くされ、リアシートの快適性も必要最小限に抑えられています。また、Cピラーも太く斜め後方の視界は犠牲にされている部分があります。

特に最上位のG“Z”は走りを支える電子デバイスが用意され、ハードな走りにも耐える性能をもちつつも、普段の走行でも快適に走れる柔軟性があり、マルチに対応するオールラウンダー的な性格をもつ車です。

「カローラスポーツ」は過去の「カローラレビン」「スプリンタートレノ」を、現代風に解釈し造り上げた車として考えると、分かり易くなります。3ナンバーワイドボディのメリットは、ほとんどが走行性能を追求するために使われ、広くて快適なハッチバックを期待すると、違う車に見えてしまいます。

今回試乗した「カローラスポーツ」HYBRID G“Z”の、メーカー希望小売価格は2,689,200円で、試乗車のようにセンシャルレッド(本革+ウルトラスエード)のシート、AVS+5段階ドライブモードを装備すると2,972,700円の価格です。

「カローラスポーツ」のおすすめグレードを考えたのはこちらの記事です。

トヨタ「カローラスポーツ」おすすめのグレードを考えてみた | tatumiの車探訪記
2018年6月国内に向けて発表された「カローラ」は、「カローラ ハッチバック」ではなく、「カローラ スポーツ」の名で登場して来ました。グレードは G GX GZ の3タイプが用意され、パワーユニットはハイブリッドと、ガソリンターボモデルが選択可能です。新登場した「カローラ スポーツ」のおすすめグレードを考えます
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