「カローラスポーツ」「C-HR」比較してみた

3ナンバーサイズで登場した「カローラスポーツ」と、コンパクトSUV NO.1の人気を誇る「C-HR」を比べてみます。

「カローラスポーツ」「C-HR」は、同じTNGA-Cプラットフォームを採用し、パワートレーンも1.8Lハイブリッド、1.2Lターボエンジンと同じライナップです。

「カローラスポーツ」は5ドアのハッチバック、「C-HR」は5ドアのコンパクトSUVと、車の性格が違いますが、ドライブして楽しいのはどちらなのかを確かめてみます。

「カローラスポーツ」はカローラシリーズに長らく欠落していた、ハッチバックボディを復活させた新型車です。

「カローラ」シリーズのハッチバックモデルは、2006年「カローラランクス」の販売終了をもって終わり、今回の「カローラスポーツ」が登場するまで、12年の空白期間を過ごすことになります。

ハッチバックモデルの消滅とともに「カローラ」は、より保守的なセダン中心の路線を歩み始め、唯一ステーションワゴンの「カローラフィールダー」が、アクティブユーザー向けの車としてラインナップされますが、購買層の高年齢化は止められない状態でした。

このような状況のなか、もう一度若年層にアピールする「カローラ」の必要性と、「カローラ」は全世界共通のボディとするトヨタの方針から、3ナンバーサイズのハッチバック「カローラスポーツ」が登場することになります。

「C-HR」は好調な売れ行きを示すホンダ「ヴェゼル」を横目でみながら、トヨタがカウンターパンチとして用意した車です。

トヨタは「C-HR」が登場するまで、コンパクトサイズSUVがなく、売りたくても売ることができない車種でした。

しかし、この状況を商売上手なトヨタが放置するわけもなく、送り出す新型コンパクトSUV「C-HR」は、スタイルに強く拘り走行性能を高めて登場させます。

彫刻的な面構成のボディは4ドアでありながら、クーペスタイルを追求し、未来からタイムワープしてきたようなスタイリングを纏います。

走行性能の追求ではヨーロッパの難コース、ニュルブルクリンクサーキットでテストを重ね、さらに公道での走り込みを行い足回りを熟成させています。

こうして誕生した「C-HR」はSUVの枠を超えた走りを身に着け、コンパクトSUVとして販売台数国内NO.1の座を獲得します。

「カローラスポーツ」「C-HR」のスペックを比較

カローラスポーツHYBRID GZC-HR HYBRID G
全長(mm)4,3754,360
全幅(mm)1,7901,795
全高(mm)1,4601,550
ホイールベース(mm)2,6402,640
最低地上高(mm)135140
車両重量(kg)1,4001,440
最小回転半径(m)5.35.2
プラットフォームGA-CGA-C
燃料消費率JC08(km/L)30.030.2
タイヤサイズ225/40R18225/50R18
エ ン ジ ン
最高出力(PS/rpm)98/5,20098/5,200
最大トルク(kgf・m/rpm)14.5/3,60014.5/3,600
モ ー タ ー
最高出力(PS)7272
最大トルク(kgf・m)16.616.6
サ ス ペ ン シ ョ ン
フロントマクファーソンストラット式マクファーソンストラット式
リアダブルウィッシュボーン式ダブルウィッシュボーン式
ブ レ ー キ
フロントベンチレーテッドディスクベンチレーテッドディスク
リアソリッドディスクソリッドディスク
室 内
長さ(mm)1,7951,800
幅(mm)1,5101,455
高さ(mm)1,1551,210

全長は「カローラスポーツ」が長く、全幅は「C-HR」が広くなっています。全高と最低地上高はSUVの「C-HR」が高く、車両重量は「カローラスポーツ」が軽く造られています。

最小回転半径は扁平率の低いタイヤを履く「カローラスポーツ」が大きく、燃費性能も僅かですが劣っています。

共通のプラットフォームを使用するため、ホイールベースは同じ長さになっています。

室内の長さと高さは「C-HR」が大きく、幅は「カローラスポーツ」が大きくなっています。

ベーシックで低重心スタイルの「カローラスポーツ」先進的なカッコ良さを追求した「C-HR」

「C-HR」は“G”とHYBRID “G”の画像を使用しています。

ベーシックでありながらも見た目の美しさも追求したとする「カローラスポーツ」は、低重心で逞しく見えることを意識しデザインされています。

「C-HR」はタイヤフェンダーの張り出しを強調し、SUVらしい力強い印象を与えるスタイルです。

同じキーンルックのフロントですが、「カローラスポーツ」のグリル開口部は大きく、アンダープライオリティがより強調される顔つきです。

また、「カローラスポーツ」のヘッドランプ前方部分は、細く鋭い印象をもたせる形状です。

「C-HR」はバンパーが強調され、細かく分けた開口部で凝った形状のフロントとしています。

フロントが低くリアが高い、前傾姿勢を思わせるスタイルの「カローラスポーツ」に対して、「C-HR」はフロントにボリュームがあり、リアはそれにたなびくような感じにデザインされています。

「C-HR」はヘッドランプカバーを、フェンダーまで大きく回り込ませ、ワイルドさをアピールするとともに、タイヤの大きさが際立ちSUVらしい、走破性が高い印象をもたせます。

大きなバンパーが存在感を主張し、安定感を与える「カローラスポーツ」に対して、ブーメラン型のリアコンビネーションランプが、特徴的な「C-HR」のリアデザインです。

「カローラスポーツ」は豊かな膨らみのある面でボディを構成しますが、「C-HR」は走るキャラクターラインが個性を主します。

「C-HR」はテールゲートのパネルを、垂直に近い角度で直立させ、ショートデッキのスタイルです。

同じ2ZR-FXE+1NM型のパワートレーンを搭載する「カローラスポーツ」「C-HR」は、配置もほぼ同じ位置にマウントされています。

エンジン遮音のためのインシュレーターを、「カローラスポーツ」は取り付けていませんが、「C-HR」は取り付けています。

「カローラスポーツ」のタイヤは225/40R18サイズで、ダンロップSPスポーツマックス050が装着され、「C-HR」は225/50R18サイズで、ブリヂストンポテンザRE050が装着されます。

40扁平率の「カローラスポーツ」は、タイヤのハイト高が薄く黒い部分が少なくなっています。

馴染み易い「カローラスポーツ」コックピット感を高める「C-HR」

「カローラスポーツ」は合皮革巻のインパネに、レッドステッチがあしらわれ、質感とスポーティテイストを高めます。

「C-HR」のインパネはソフト塗装に、ピアノブラックの加飾でスポーツムードを演出します。

「C-HR」はステアリングのブラック加飾、シルバー面のあるポジションセレクトレバーが個性を主張します。

「カローラスポーツ」は操作パネルを、正面に正対させていますが、「C-HR」はドラーバー側に向けて湾曲させています。

「C-HR」はセンターコンソールを高くし、よりコックピット感を強調するデザインです。

「カローラスポーツ」のシートはファブリック、「C-HR」はファブリック+本革の仕様ですが、「カローラスポーツ」は本革+ウルトラスエードの、オプションシートが装着されています。

リアシートの広さは車の性格から「C-HR」より、「カローラスポーツ」が広く感じられますが、「カローラスポーツ」でも余裕があると言える程の広さではありません。

ラゲッジスペースの容量はVDA法で「カローラスポーツ」352L、「C-HR」が318Lとスタイルから想像されるとおりの容量です。

「カローラスポーツ」のラゲッジは、フロアを低くし容量を稼いでいますが、「C-HR」はフロアが高く容量が少なくなっています。

ハッチバックスタイルの「カローラスポーツ」枠に縛られない「C-HR」

「カローラスポーツ」と「C-HR」を比べてみると、「C-HR」は先に発売された車ですが斬新さは失われておらず、後から登場した「カローラスポーツ」が、大人しく見えてしまう程の攻めたデザインです。

「C-HR」は格好が全てと言い切る割り切り方で、他の部分を犠牲にしてもスタイルを追求しており、5ドアハッチバックのなかでデザインされた、「カローラスポーツ」とは当然ですが受ける印象には違いがあります。

しかし、「カローラスポーツ」の薄いフロントグリルは、尖った印象を与えシャープな5ドアハッチバックのスタイリングに仕上げています。

また、「C-HR」はスタイリッシュですが、ロアグリルメッシュ部の質感が低く、プラスチックの格子をつけたような印象は少々残念です。

走りを演出する「カローラスポーツ」ドライバーファーストの「C-HR」

室内に乗り込むと「カローラスポーツ」は、「C-HR」よりやや低いドライビングポジションとなりますが、視界が「C-HR」より開けており車内が明るく感じられます。

目前のインパネはメーターフードまで、張り出したソフトパッドが質感を高める「C-HR」に対して、「カローラスポーツ」はプラスチック感が強く、ドライバーの視界に常に入る部分の質感では劣る印象です。

ただ、助手席側は合皮革巻のソフトパッドを使う、「カローラスポーツ」の質感は高く「C-HR」に劣らない印象です。

また、メーターパネルに目を移すと、カラフルなカラーを使い表示する「カローラスポーツ」は華やかで、タコメーターの表示もあることからスポーティですが、「C-HR」は右にスピードメーター、左にハイブリッドシステムインジケーターが備わる、これまでのオーソドックスなトヨタデザインです。

操作系へのアプローチはインパネセンターを、ドライバー側に湾曲させた「C-HR」の、操作系へのアクセスは良好で、正面へ正対させた「カローラスポーツ」は、やや遠い印象をもちます。

走り出すと40扁平タイヤを履く「カローラスポーツ」は、車の動きが俊敏で少しのステアリング操作に敏感に反応します。

グレードが違う“G”や“GX”はこれまでのトヨタ車らしい大人しい印象ですが、“GZ”はタイヤに合わせサスペンションもセットされている様子で、スポーティテイスト高く仕上げられています。

「カローラスポーツ」はオプション装備となる、5段階モードセレクター(標準装備は3段階)で、SPORTSやSPORTS+モードにすると、この印象が一層強まりロールが非常に小さく、フラットな姿勢でカーブを抜けて行きます。

「C-HR」はステアリングに素直に反応する感覚が強く、「カローラスポーツ」と比べると乗り心地が良く静かで、上位クラスの車に感じられます。

この印象は装着するタイヤに影響される部分もあると思われますが、「C-HR」のロードノイズの侵入は少なく、ボンネットフードのインシュレーターは、エンジン音を抑えている印象です。

加えて「カローラスポーツ」のシートは、「C-HR」に比べると硬めで薄く、スポーツ色が濃い作りであることも、乗り心地の違いに影響が出ているものと思われます。

また、「C-HR」のポジションセレクターは、標準で用意される3段階のみの仕様で、「カローラスポーツ」の5段階モードに匹敵する、高度なアジャスト機能は備えていません。

このため、スポーツモードでも「カローラスポーツ」ほどの、ロールが規制されているような印象はなく、やや硬めかなと思える適度な反応をもつ足回りです。

「カローラスポーツ」「C-HR」装備の違いを比較

カローラスポーツ GZC-HR G
ブラインドスポットモニターオプション標準装備
クリアランスソナー&バックソナーオプション(ブレーキ機能付)標準装備
急発進・急加速抑制標準装備
エンジンアンダーカバー&プロテクター標準装備標準装備(サイレンサー付)
ターンランプノーマルタイプシーケンシャルタイプ
フロントウィンドガラスグリーンガラスUVカット/グリーンガラス
フロントドアガラスUVカット/撥水スーパーUV/IRカット
ドアミラーオート格納オプション標準装備
マルチインフォメーションディスプレイ7インチ4.2インチ
運転席・助手席シートヒーターオプション標準装備
イルミネーテッドエントリーシステムルームランプ・フロントパーソナルランプルームランプ・フロントカップホルダー・フロントドアトリムアームレスト下部
ナノイー標準装備
充電用USB端子標準装備(1個)
メーカー希望小売価格2,689,200円2,929,200円

「カローラスポーツ」は急発進・急加速抑制機能、7インチマルチインフォメーションディスプレイ、充電用USB端子が「C-HR」にはなく有利な部分ですが、全体的な装備内容は「C-HR」が充実しています。

そのため、メーカー希望小売価格は「カローラスポーツ」より、「C-HR」が高い設定となっています。

「カローラスポーツ」「C-HR」予防安全性能

Toyota Safety SenseカローラスポーツC-HR
歩行者認識昼・夜昼のみ
自転車認識
対車両衝突回避自車速度10km/h以上(速度差50km/hまで衝突回避の可能性)自車速度10km/h以上(速度差40km/hまで衝突回避の可能性)
対歩行者衝突回避自車速度10~80km/h(速度差40km/hまで衝突回避の可能性)自車速度10~80km/h(速度差30km/hまで衝突回避の可能性)
車線維持機能標準装備(レーン中央をキープ)標準装備(車線逸脱を抑制)
レーダークルーズコントロール標準装備標準装備
オートマチックハイビーム標準装備標準装備
標識認識機能標準装備

「カローラスポーツ」「C-HR」とも衝突被害軽減機能は、Toyota Safety Senseとなっていますが、「C-HR」は第一世代のシステムが搭載されており、第二世代に突入した「カローラスポーツ」のシステムは性能を向上させています。

広いスピード領域で「カローラスポーツ」上質スポーツでは「C-HR」

「カローラスポーツ」「C-HR」は近い性能をもっていますが、広いスピード域で操って楽しく感じられるのは「カローラスポーツ」です。

可変する足回りとパワートレーンの特性の広さは、対応する領域が広くなりスピードが高まっても安定感があり、余裕をもってアクセルを踏み込めます。

さらに、少しだけ「C-HR」より軽い車両重量も「カローラスポーツ」に有利に働き、登りのカーブでは動きが軽く機敏に動く印象です。

室内はベーシックカーとトヨタがCMするように、「カローラスポーツ」は「C-HR」と比べると質感が低く、この辺りが「カローラ」なのだと感じさせますが、メーターパネルは華やかなカラーで気分を盛り上げてくれます。

また、予防安全性能も「カローラスポーツ」は「C-HR」より進化しており、この部分でも「カローラスポーツ」を選ぶメリットがあります。

「C-HR」は「カローラスポーツ」と比べると、大人のスペシャリティーカーの印象で上質さが伝わります。

プラットフォームは「カローラスポーツ」と同じですが、「C-HR」は目には見えない部分で遮音材や防音材が、より多く使われていると感じさせ室内がとても静かです。

また、路面からの入力も「C-HR」はソフトで、同じサスペンション形式でも、微妙にチューニングが違うことがわかります。

加えて「C-HR」はセンターインパネをドライバー側に湾曲させ、センターコンソールを高くすることで、ドライバーファーストのコックピット感を強め、スポーティカーの雰囲気を漂わせます。

「カローラスポーツ」と比べると、足回りの対応する領域は狭いと感じますが、日常のドライブでは気合を入れて走る機会も少ないので、普通に走る場面では「C-HR」の上質さに、メリットを感じることも多いと思われます。

さらに、「C-HR」はスタイル優先でいかにも狭そうなリアシートですが、リアウィンドガラスが小さい閉塞感を除くと、「カローラスポーツ」より少し狭い程度で、極端な差はありません。

「カローラスポーツ」と「C-HR」では、走りへの対応力や予防安全性能の高さを求めるなら「カローラスポーツ」で、乗り心地の良い上質なスポーティな走りを望むなら「C-HR」です。

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