ダイハツ「トール」試乗してみた

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試乗記682×171

新型ハイトワゴン ダイハツ「トール」登場

これまで、乗用車クラスのハイトワゴンを持たなかったダイハツが、満を持して送り出して来たのが「トール」です。

「トール」のボディサイズは、Aセグメントクラスで、同じAセグメントの「ブーン」とプラットフォームを共用し、軽自動車とコンパクトカーの間に位置しています。

Aセグメントクラスは、スズキが得意とするクラスで、隙間を埋める車種を多く投入し、その巧みな戦略で販売を伸ばしています。

「トール」は、この隙間分野に挑戦する車種で、今迄ライバルが不在だった、スズキ「ソリオ」に対抗させるための車です。

ダイハツとスズキの競争は、「トール」の登場でさらに激しくなって行くものと思われます。

尚、「トール」はトヨタとスバルにOEM供給され、トヨタカローラ店では「ルーミー」ネッツ・トヨペット店では「タンク」として、スバルからは「ジャスティ」として販売されます。

「トール」のラインアップは、ノーマルシリーズとカスタムシリーズが用意されており、カスタムシリーズはエアロパーツが装着され、メッキパーツも多用されるなど、押し出しの効いたスタイリングとなっています。

それぞれののグレード構成は

ノーマルシリーズ

  • Gターボ SA-Ⅱ
  • G SA-Ⅱ
  • G
  • X SA-Ⅱ
  • X

カスタムシリーズ

  • Gターボ SA-Ⅱ
  • G SA-Ⅱ
  • G

になっています。

両シリーズともに、トップグレードのGターボ SA-Ⅱは2WDのみの設定で、他のグレードは2WDと4WDが用意されます。

カスタムシリーズは“X”グレードが用意されず、シンプルな構成となっています。

今回、試乗車したのはノーマルシリーズ“G SA-Ⅱ”です。

「ブーン」と比較して「トール」のサイズを確認

2WDトールG SA-ⅡブーンGパッケージ SA-Ⅱ
全長(mm)3,7003,650
全幅(mm)1,6701,665
全高(mm)1,7351,525
室内長さ(mm)2,1801,975
幅(mm)1,4801,420
高さ(mm)1,3551,270
ホイールベース(mm)2,4902,490
トレッド前(mm)1,4651,465
後(mm)1,4751,475
車両重量(kg)1,070910
JC8走行燃費(km/L)24,628,0
最小回転半径(m)4,64,6
エンジン排気量(cc)996996
最高出力(kW[PS]/rpm)51[69]/6,00051[69]/6,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)92[9,4]/4,40092[9,4]/4,400
タイヤサイズ165/65R14165/65R14

「トール」のサイズを確認するために、プラットフォームを共有する「ブーン」と比べてみます。

「トール」はハイトワゴンなので、「ブーン」より全高が高いのは当然ですが、全長も長くなり僅かですが全幅も広がっています。

「トール」の室内は「ブーン」と比べると、長さ205mm、幅60mm、高さ85mm拡大されて、スペース効率を高めていることが分かります。

プラットフォームが共有ですので、ホイールベースと前後のトレッド幅は同じとなっています。

車両重量は、ボディのハイト化により160kg重くなり、それにともない燃費も悪化しています。

エンジンのスペックは「トール」「ブーン」同じ性能です。

スクエアな形がデザインコンセプトの「トール」

フロントデザインは、ダイハツの車と言うよりトヨタ車のイメージを強く感じさせます。

ボディサイドは上下にキャラクターラインを配置し、上のラインはリアゲートに向かって、リアクォーターパネルで跳ね上げられています。

フロントはクォーターウィンドを採用しています。

スクエアな形のリアスタイルは、キャラクターラインが多く、もう少しスッキリとしたデザインが欲しかったところです。

ハイマウントストップランプは、ボディ幅近くまで長くされているのが特徴的です。

リアバンパーのコーナーは、90度と思える角度でエッジを効かせています。

ディスプレイと送風口が一体感に欠けるデザイン

ダッシュボードは水平基調で、シンプルに仕上げられていますが、センターに配置されるカラーマルチインフォメーションと、空調の送風口のデザインが一体感に欠け、やや視界を悪くしています。

メーターパネルは、センターに大径のスピードメーター、左に小径のタコメターを配置する2眼タイプで、右側には燃料計が備わります。

エンジンスタート、パワースライドドア、SA-Ⅱ、スタビリティコントロール、アイドリングストップ解除スイッチは、ステアリング右側回転式カップホルダーの下に配置されています。

助手席前のアッパートレイはオレンジカラーが使われます。

ダッシュボードはステッチ加工を施して、質感を高めるデザインとしています。

シートはブラック基調のファブリック素材ですが、運転席、助手席シートは形状が小さく座面長も不足気味に感じられます。

リアシートはスライドとリクライニングが可能となっています。

広さは大人2人乗りが現実的で、3人で乗るには窮屈な広さです。

Bピラーには大型のアシストグリップが装備され、小さな子供の乗降をサポートします。

ラゲッジスペースは、リアシートを後方まで下げると不足気味です。前方へ移動させると十分な広さとなりますが、シートレールが露出するので使い勝手は良くありません。

ラゲッジスペースを上手く使うには、リアシートのレッグスペースを圧迫しない、シートレールが露出しない範囲で、前方へ移動させることが必要となりそうです。

ラゲッジフロアのデッキボードには、防汚シートが格納されていて、リアシートをダイブインさせた場合に展開させ、汚れたものでも乗せられる仕様としています。

ラゲッジボードの下には小さな収納スペースがありますが、深さがないので厚みのあるものは入れて置けません。

リアシートをダイブインさせラゲッジスペースを拡大させます。

この状態にするには、運転席、助手席を少し前方に移動させる必要があり、ドライビングポジションが窮屈となり、長時間の移動には苦しいシートアレンジです。

防汚シートを使うには、この状態からデッキボードを前方へ反転させ展開させます。

防汚シートは面白いアイデアですが、ラゲッジフロア全てをカバーすることが出来ないので、やや中途半端と思える仕様です。

搭載される エンジンは「ブーン」と同じ1KR-FE型です。

タイヤは省燃費指向のダンロップエナセーブが装着されています。

課題はあるが安定感は軽自動車を上回る「トール」

新型車「トール」のドアを開けてまず気付くのは、「シートが小さいな」と思わせることです。

これは「ブーン」でも感じたことで、小ぶりで座面長が短いシートは、長距離を移動する場合や大柄のユーザーには、キツイのではと思わせます。

試乗は短時間なので、小ぶりなシートに対する不満はありませんでしたが、長時間乗る場合には心配になる大きさです。

ダッシュボードはポン付けされたような、ディスプレイと送風口を除けば、シンプルで好感が持てるデザインです。

足踏み式のパーキングブレーキを解除し、ATシフトをDレンジに入れ走り出すと、発進加速は緩慢で重さを感じさせる出足です。

走り出しスピードに乗るまでが長く感じられ、重い車両重量に対してパワーが不足している印象です。

ドライブして感じるのは、コーナーに入りステアリングを切ると、直ぐにリアが付いてくるような感覚です。

操舵角が大きくなるとこの傾向がさらに顕著になります。

良く言えばクイックな挙動ですが、フィーリングは軽自動車の反応に近く、路面が少しでも荒れていると、ヒョコヒョコと飛び跳ねるような動きをみせます。

クラスを考えるともう少し落ち着きが欲しいところです。

乗り心地は、省燃費タイヤの特性とも相まって、コツコツとした振動がシートに伝わり硬さが感じられます。

「トール」は、リアサスペンションの安定性に課題がありそうですが、軽自動車のフィーリングを強く残しています。

軽自動車から乗り換えても、直ぐに馴染めるドライブ感覚で、軽自動車からの乗り換えを想定してのことなら、納得出来るセッティングです。

軽自動車のスーパーハイトワゴンでは、車内が狭い(狭くなってしまった)と感じるユーザーには、検討する価値があるように思えます。

幅の広さから来る室内の余裕は、やはり軽自動車では得られないものですし、安定感でも軽自動車を上回っています。

合法的に5人が乗車出来ることも、軽自動車に対してアドバンテージがあります。

試乗した「トール」“G SA-Ⅱ”(2WD)のメーカー希望小売価格は、1,684,800円となっています。

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