ダイハツ新型「トコット」試乗してみた

ダイハツより女性を意識した新型車「トコット」が登場しました。

「トコット」は女性へ向けた「ミラココア」の、ポジションを引き継ぐ車ですが、多くの装飾で盛ったこれまでの仕様から、肩ひじを張らず自然体で乗れる車へと、大きくコンセプトを変えています。

このコンセプトの変更はダイハツの車内でも大きな議論となり、「こんな車は売れない」と従来からの、盛ったコンセプトを主張する社員も多い中で、「これからは素の良さが伝わる車が必要」と開発チームは意識の改革を求めていきます。

これにより誕生した「トコット」はシンプルであることが強調され、ムダな装飾を省いた四角いフォルムは、若い女性だけでなく老若男女が乗れる、新しいベーシックカーのカタチを造り出します。

「トコット」のグレードは、G“SAⅢ”、X“SAⅢ”、L“SAⅢ”、L の4つで構成され、トップグレードの G“SAⅢ”にはプッシュ式オートエアコン、パイピング付コンビネーションカラーシート、運転席・助手席シートヒーターなどが標準で備わります。

今回試乗したのは X“SAⅢ”で、エアコンがマニュアル式、フルホイールキャップは単色となる仕様ですが、オプションのスイートスタイルパッケージを装着しています。

スイートスタイルではパールホワイトの、ロアスカート、フルホイールキャップ、ドアアウターハンドル、ドアミラーと、本革巻のシフトノブが装着されます。

素の良さを追求した「トコット」のスタイリング

装飾のないフロントはシンプルで、フロントグリルと呼べるものがありませんが、凝った作りのヘッドランプが表情を与え、独自の雰囲気を放ちます。

フロントバンパーの微妙な段差も、単純な面構成となるのを防ぎ、「トコット」の表情作りのポイントになっています。

サイドからみた「トコット」は、オーソドックスな四角いカタチなのですが、僅かに突起したショルダーラインが、車に質感を与えています。また、リアクォーターパネルではラインの流れを変え、ボディに厚みをもたせています。

ルーフに向かい絞り込まれたリアは、台形で安定感のあるカタチをしています。丸形コンビネーションランプの大きさとデザインは、高いレベルでまとめたリアスタイルを作っています。

水平なラインを多用する「トコット」は、後方視界を大きく確保し、ホイールアーチの丸く膨らんだラインとも、上手にバランスさせています。

搭載されるKF型エンジンは最高出力52PS/6,800rpm、最大トルク6.1kg・m/5,200rpmのスペックで、燃費はJC08モード29.8km/L(2WD)の性能です。

タイヤは155/65R14サイズで、燃費指向のダンロップエナセーブが装着されています。

やさしい明るい空間を意識したインテリア

助手席前のインパネには、セラミックホワイトのガーニッシュが使われ、やわらかなやさしさを生み出します。

1眼タイプの大型メーターは盤面発光タイプで、ホワイトメーターリングが施されます。試乗車の X“SAⅢ” では、マニュアル式エアコンとなるのが残念なところです。

アクセサリーソケットの横には、USB電源が2個用意されているのですが、奥まった下の位置で使い勝手が悪く、スマートフォンを置く場所にも困ります。

フロントシートはセパレートタイプを採用し、広さよりもホールド性を大切にした仕様です。

シートの座面と背もたれでは、色が微妙に変わる、コンビネーションカラーを採用し、足元に行くほど濃いカラーで、汚れを目立ち難くしています。

ラゲッジスペースは4人乗車すると、手荷物を積める程度の容量ですが、外観から想像すると妥当に思える容量です。リアシートは一体可倒型で、フラットなフロアとならないのは、「ミライース」と同じです。

シンプルでも安くないのが「トコット」の魅力

セラミックグリーンメタリックの「トコット」と対面します。

ボディはシンプルでどこにでもあるような、四角いカタチをしているのですが、実際の車はスタイルに安っぽさがなく、計算されたデザイン性を強く感じます。

フロントは単純な面構成で、昔の東欧車のような印象を与えるのですが、作り込まれたヘッドランプのデザインがこれを打ち消し、段差をつけたフロントバンパーが、表情に変化を与えています。

サイドでは水平に走るショルダーラインが、微妙な膨らみをもたせた2本で構成され、最後のリアクォーターパネルで変化をつけています。このラインの出し方は難しい技術と思われますが、「トコット」はこれにより、ボディに質感を与え厚みをもたせています。

リアではダイハツのお家芸である、複雑なラインがなくなり、テールゲートの操作を行う部分を、大きめに凹ませたシンプルなデザインです。ゲート下部に入れられたキャラクターラインは、目線を低い位置に誘導し、「トコット」に安定感を与える効果を出しています。

室内はベージュのシートとセラミックホワイトのインパネが、明るいインテリア空間を作り出します。試乗車はメーターリングがホワイトカラーのため、明るさがさらに強調される印象です。

メーターパネル周りを含むインパネ上部のデザインは、エクステリアにあわせ作り込まれた印象がありますが、ATシフトレバーや空調の操作レバーを配置するセンターインパネは、ベーシックカーそのままで、USB電源の配置場所にも疑問が残ります。

コンビネーションカラーの、グラデーションを採用したシートは、背もたれ部分より座面が濃くなる色合いですが、良く見ると違いがわかる程度で、違和感を感じるほどではありません。

ステアリングの操舵感が大きく向上した「トコット」

「トコット」のシートに腰を下ろすとポジションは、「ミライース」ほど低くなく、アップライトな印象を与えます。全高が1,530mmと「ミライース」より30mm高いことで、乗り降りの自由度が増し、楽な姿勢で行うことができます。

この全高の高さはリアシートにも良い影響を与え、広がったヘッドスペースが、軽自動車の狭さを和らげています。

スタートボタンでエンジンを始動させ走り出すと、ダイハツ車共通の発進加速の遅さが気になる出足で、自然とアクセルを踏む右足に力が入ります。「トコット」は車両重量が720kgで、「ミライース」と比べると50kg重くはなっていますが、「ムーヴ」とでは100kg軽い車重で軽量な部類に入る車です。

スピードが乗ると車の軽さが感じられ軽快な走りですが、軽量な車重でも補えない発進加速の遅さは気になる部分です。

ステアリングは頑固なまでのFF駆動の特徴を残した、ダイハツ車特有の真っすぐに戻ろうとするステア特性をなくし、「トコット」は素直でナチュラルな反応を示します。パワーアシスト量を増やし、軽い特性に仕上げたとされていますが、適度な重さがあり扱い易い操舵感です。

室内は加速すると「キーン」とターボエンジンのような、甲高いエンジン音が響き煩いのですが、通常の走行ではエンジン音が気になることはありません。しかし、ロードノイズの遮断が悪く、常に下からの音が室内へ侵入し、ベーシックカーであることを意識させられます。

「トコット」は「ミラココア」の後継車種という位置づけから、女性向けの車としてアピールしていますが、実際に目にしてみると、女性だけに限らず多くの人が乗れる車です。

シンプルが基本となるスタイリングは、「ジワる」と開発担当者が語るように、一見すると強烈にアピールするところがなく平凡な印象ですが、じっくりと見ると愛嬌があり愛着が湧いてくるデザインです。

肩ひじを張らない普通に乗れる車を目指したコンセプトは、飽きがこないで長くつき合える魅力を「トコット」に与えており、上手い具合に力を抜いた外観に惹かれるものを感じます。

ダイハツのデザインは垢抜けない泥臭さに魅力があるのですが、装飾をなくした「トコット」は、洗練された都会的なスマートさがあり、これまでのダイハツ車とは違う仕上がりです。

オジさんが乗るには明るいインテリアに、敷居の高さを感じさせますが、CM戦略を変え多くの人が乗れる車であることをアピールすると、実用的な「ミライース」に乗りたくない人を、取り込める可能性を「トコット」は秘めています。

今回試乗した「トコット」X“SAⅢ”のメーカー希望小売価格は1,220,400円で、取付けられていたスイートスタイルのオプションパッケージは98,820円の価格です。

「トコット」の値引き交渉をしたのはこちらの記事です。

ダイハツ「トコット」値引交渉してみた | tatumiの車探訪記
ダイハツの新型車「トコット」の値引交渉を行ってみました。「トコット」は女性向けた車と思われていますが、飾らないシンプルなスタイルは、男性でも抵抗なく乗れる車に仕上がっています。「ミライース」とは違う新しい価値観をもつベシックカー「トコット」の値引額を調べてみます。
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