ホンダ「フィットハイブリッド」マツダ「デミオXD」比較してみた

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試乗記682×171

スポーツハイブリッドVSクリーンディーゼルターボ

燃費性能、環境性能に優れるハイブリッドカーに、ホンダがスポーツテイストを盛り込んだコンパクトカー「フィットハイブリッド」。

コンパクトカーのサイズに、ディーゼルターボエンジンを搭載し、スカイアクティブ技術により、燃費性能、環境性能、走行性能を追求しているマツダ「デミオ」。

「フィット」はハイブリッドシステムで、「デミオ」はクリーンディゼルとそれぞれ異なる技術を使い、現在の車に求められる性能にアプローチしています。

「フィットハイブリッド」と「デミオXD」は、直接のライバルとして比較される事は少ないと思われますが、走りをテーマとして開発された経緯は似ており、走りを備えたコンパクトカーとして、比較の対象として考えてみました。

「デミオ」の全長の長さはスタイリングを追及したため?

カタログスペックを比較してみます。

フィットハイブリッドLパッケージデミオXDツーリングLパッケージ
全長(m)3.9554.060
全幅(m)1.6951.695
全高(m)1.5251.500
ホイールベース(m)2.5302.570
トレッド(m)1.4801.495
1.4701.480
最低地上高(mm)135145
車両重量(kg)1.1401.080
室内(m)長さ1.9351.805
1.4501.445
高さ1.2801.210

全長は「デミオXD」が長く、全幅は同じで全高は「フィットハイブリッド」が高くなっています。

ホイールベース、トレッド前後とも「デミオXD」が長く広くなっています。

最低地上高は「フィットハイブリッド」が低く、車両重量は「フィットハイブリッド」が重くなっています。

室内の長さ、幅、高さは「フィットハイブリッド」が勝っています。

「デミオ」のエンジントルクの大きさはさすがディーゼルターボ

フィットハイブリッドLパッケージデミオXDツーリングLパッケージ
エンジン排気量(L)1.4961.498
最高出力(kW[PS]/rpm)81[110]/6,00077[105]/4,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)134[13.7]/5,000250[25.5]/1.500-2.500
モーター最高出力(kW[PS]/rpm)22[29.5]/1,313-2,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)160[16.3]/0-1,313
エンジン+モーター最高出力(kW[PS]/rpm)101[137] ∗
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)170[17.3] ∗
JC08モード走行燃料消費率(km/L)33.626.4
最小回転半径(m)4.94.9
トランスミッション7速オートマチック6速オートマチック
タイヤ185/60R15185/60R16
185/60R15185/60R16
スタビライザー前のみ前のみ

エンジンの最高出力は「フィットハイブリッド」が、最大トルクは「デミオXD」が勝っています。

「デミオXD」の最大トルクは、「フィットハイブリッド」のシステム最大トルクをも上回っていますので、この辺りはさすが、ディーゼルターボエンジンの面目躍如と言ったところです。

燃費性能は「フィットハイブリッド」が勝っていますが、「デミオXD」は燃料に安価な軽油を使用していますので、実際に掛かる費用は走行距離を考慮して、計算してみる必要があります。

小回り性能と、車庫入れのし易さに繋がる最小回転半径は同じとなっています。

「フィットハイブリッド」のトランスミッションは、7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)と言う凝ったシステムを採用していて、燃費性能と走行性能の両立を目指しています。

「デミオ」のトランスミッションは、CVTでは無くトルクコンバーター式ATを採用しています。

タイヤサイズは扁平率が同じですが、「デミオ」はワンサイズ大きい径のタイヤを採用しています。

スタビライザーは両車種とも前のみの装備となっています。

コンパクトに魅せる「フィット」ボリュームを感じさせる「デミオ」

ボンネットフードにボリュームを感じさせる「デミオ」に対して、「フィット」はコンパクトに短くデザインされています。

標準的なフロントウィンドガラス面積を持つ「デミオ」に対して、「フィット」は大きく傾斜した面積の広いフロントウィンドガラスを採用し、未来的な車を感じさせる雰囲気を出しています。

「フィット」はサイドウィンドガラスへの、汚れの付着を防止するウェザートリップを、フロントウィンドに装備しています。

細くシャープなヘッドライトデザインの「フィット」に対して、「デミオ」は厚みを持たせて、フロントからサイドへ回り込むヘッドライトカバーが、ボディラインの一部を担っています。

サイドウィンドデザインが、オーソドックスな「デミオ」に対して、「フィット」はフロントウィンド前、リアウィンド後ろに小窓を配置して、8ライトウィンドとも呼べるデザインです。

フロントフェンダーから走る明確なキャラクターラインが、「フィット」のサイドデザインを特徴付けています。

「デミオ」は「フィット」と比べると、フロントノーズが長くなっているのが、サイドから見ると良く分かります。リアウィンドの傾斜幅も「デミオ」は長くデザインされています。

「フィット」は「デミオ」より全高が若干高いのですが、コンパクトに感じるために、それほど意識させません。

バックドアにラインを入れ、ガーニッシュで変化を付けている「フィット」に対して、「デミオ」は面構成で、シンプルにバックスタイルをデザインしています。

「デミオ」はリアバンパーも、存在感を感じさせるボリュームのあるデザインです。

斜め後方から見ると、ステーションワゴン風にも見える「フィット」に対して、「デミオ」はスポーツテイストを強く感じさせます。

リアバンパーとバックドアが、面一で収まるデザインの「フィット」に対して、「デミオ」はリアバンパーが突き出すデザインを採用しています。

インパネデザインは未来感のある「フィットハイブリッド」質実剛健イメージの「デミオXD」

「フィット」は、ダシュボード上端が助手席に向って、なだらかに下がって行くデザインを採用しています。

助手席前のグローブボックスも大型で、収納量を確保してあります。

「デミオ」はダッシュボードセンター上に、モニターを配置しています。デザイン性は?マークがつきますが、視認性は悪くありません。

空調送風口が丸型のデザインは、クラシカルかつ欧州風なテイストを感じさせます。

「フィットハイブリッド」は、センターに丸型のスピードメーターを配置し、グラフィック表示が特徴的な、華やかで賑やかな未来感のあるメーターデザインです。

「デミオ」はセンターに丸型タコメーターを配置しています。華やかさはありませんが、オーソドックスで視認性の良さを追及しています。

メーターフード上に立ち上がるアクティブ・ドライビング・ディスプレイは、先進性を感じさせる機能で、スピードやナビゲーションのルートなどが表示されます。

「フィットハイブリッドLパッケージ」のシートは、ブラック基調のプライムスムース×ファブリックのコンビシートとなっています。

「デミオXDツーリングLパッケージ」のシートは、合皮(一部本革)の2トーン仕様となっています。

「フィット」の空調操作はタッチパネル式になっていて、先進性は感じさせますが凹凸の無いフラットなパネルは、誤操作が起き易く車の操作系にはあまり向いていないと思われます。

「デミオ」の空調操作系は丸いダイヤル式になっています。車の操作性として妥当なデザインだと思われます。

コンソールには、コマンダーコントロールと呼ばれる、ロータリー式ダイヤルを含むボタンスイッチが配置され、ナビゲーションやオーディオなどを手元で操作できる仕様となっています。

「フィット」はホンダが特許を持つ、センタータンクレイアウト方式で、リアシートのチップアップを可能にして、使い勝手の幅を広げています。

リアシートは足元、膝周りにも余裕があり、大人2人が長時間座れるスペースを作り出しています。ヘッドレストも埋め込み式になっており、後方視界を遮らない仕様となっています。

「デミオ」のリアシートは狭く余裕は感じられません。大人2人が長時間座るには少々無理があります。

「フィットハイブリッド」は、ラゲッジスペースも広く、コンパクトカーにハイブリッドシステムを、搭載しているとは思えない容量を確保してあります。

センタータンクレイアウトの効果で、リアシートを倒すとフルフラットなスペースが現れます。

「デミオ」のラゲッジスペースは、「フィット」に比べると奥行が不足していて、容量が少なくなっています。

リアシートを倒しても段差ができ、フラットな状態にはならないのに加えて、「フィット」に比べると荷室開口部が狭く、積込み位置も高くなっていて使い勝手は良くありません。

「フィットハイブリッド」のLEB-H1型ハイブッリドシステム最高出力は137PS、最大トルク17.3kgf・mです。

LEB型エンジン単体の最高出力は、110PS/6.000rpm、最大トルク13.7kgf・m/5.000rpmとなっています。

「デミオ」のS5-DPTS型ディーゼルターボエンジン。最高出力105PS/4.000rpm、最大トルク25.5kgf・m/1.500-2.500rpmとなっています。

「デミオ」の長いノーズに、ギッシリと大きなディーゼルターボエンジンが収まっています。

「フィットハイブリッド」のタイヤサイズは185/60R15で、タイヤはヨコハマブルーアースが装着されています。

「デミオXD」のタイヤサイズは185/60R16で、タイヤはトーヨープロクセスR39を装着しています。

明るく開放感のある「フィット」包まれ感の「デミオ」

「フィット」「デミオ」それぞれに運転席に座って感じるのは、「フィット」は室内が明るく開放が感じられることです。

「フィット」はフロントウィンドガラスが大きく、運転席頭上まで迫っていますので、日差しが室内に入り易くなっていて、運転席、助手席は「日当たりが良すぎるのでは」と思えるほどです。

対する「デミオ」のフロンウィンドガラス面積は標準的で、運転席、助手席頭上はルーフが被り、日差しは遮られていますので適度な包まれ感があります。

「デミオ」のアクティブ・ドライビング・ディスプレイは、視線移動が少なくなる良い装備だと思えますが、透過率がフロントウィンド並みになれば、目障りな感じが無くなり、よりクリアな視界に繋がっていくものと思えます。

軽快感の「フィットハイブリッド」重厚感の「デミオXD」

カタログスッペックでは車両重量が、「フィットハイブリッド」は「デミオXD」より60kg重くなっていますが、走った感覚は「フィットハイブリッド」が軽快さを伝えて来ます。

要因として、フロントに大きく重いディーゼルエンジンを搭載している「デミオ」に比べて、「フィットハイブリッド」は、駆動用バッテリーをラゲッジスペース下部に搭載し、前後のバランスが良くなっています。

加えてステアリングが、軽めに設定されていることもありますが、中立付近からの反応は鋭く、少しの舵角でフロントが反応し向きを変え、コーナーを曲がるのが楽しめるセッティングになっていて、Sモードスイッチを入れると、さらに小気味の良い走りに切り替わります

ハイブリッドシステムもペースを上げれば、エンジン駆動の時間が長くなっていきますが、切り替えはスムーズに行われ、音の違いやグラフィックモニターで分かるレベルです。(SモードではEV走行は行われません)

凝ったシステムの7速DCTは、反応が遅れる場面も感じることはありますが、概ね良好な反応を示し、スポーツドラインビングをサポートしてくれます。

軽快感のある走りをみせる「フィットハイブリッド」に対して、「デミオXD」で走って感じるのは、コンパクトカーとは思えない重厚さで、一つ上のクラスの車を操縦しているような感覚です。

ステアリングも重めに設定されていて、ボディ剛性が高く感じられるシッカリとした操縦性を伝えて来ます。

フロントに大きく重いディーゼルエンジンを乗せていますが、コーナーでも曲がり難い事は無く、フロントはイン側に向って向きを変えてくれる、素直なステアリングの反応で「フィット」とは違う楽しさがあります。

クリーンデイーゼルのS5-DPTS型ターボエンジンは、その太いトルクでグイグイと車を前に押し出す感じで、発進加速は「フィットハイブリッド」のSモード以上の力強さです。

ディーゼルターボエンジンは、スピードは上がっているのにエンジン回転数は低い、ガソリン車とは違うフィーリングの加速を示します。

トルコン式ATを採用する「デミオXD」は、CVTのATと比べるとダイレクトな反応で、スベリ感が少なく感覚のズレが小さくなっていますので、トルクフルなディーゼルエンジンの特性を引き出し易くなっています。

さらにパドルシフトを装備していますので、コーナーでの進入や立ち上がりには、任意のギアが使えスポーツ走行を楽しむことが出来ます。

室内の静粛性は、モーターで走行出来る「フィットハイブリッド」が、静かに感じる事が多くなっています。

「デミオXD」もディーゼルエンジンとしては、ナチュラル・サウンド・スムーザーと言う技術を使い、ディーゼルエンジンのガラガラとした音を良く打ち消していますが、やはりEV走行の静かさには敵いません。

加えて「デミオXD」は路面の状態に依り、タイヤのパターンノイズと思われる、ゴーとした音が室内に侵入し静粛性が失われる事があります。

「フィットハイブリッド」のブレーキフィーリングと「デミオXD」のリアシート、ラゲッジの狭さ

「フィットハイブリッド」は、ホンダのMM思想(マンマキシマム・メカミニマム)に基づき、可能な限りエンジンルームを小さくし、キャビンスペースを大きくすることで、コンパクトーカーに大人4(5)人が不満なく乗れて、尚且つそれに見合ったラゲッジスペースを確保しています。

ドライビングの感覚も、コンパクトカーらしいキビキビとした運動性をみせ、ハイブリッド車だからと諦める部分は無く、ガソリンエンジン搭載車と同等の、使い勝手と走りの性能を持っています。

ただ難点を挙げれば、ブレーキフィーリングが改善されない事です。

以前試乗した「フィットハイブリッド」のブレーキフィーリングも、デリケートでナーバスなところがあり、安心して強く踏み込めなかったのですが、今回の試乗車もそれにも増した反応を示します。

通常の感覚でブレーキを踏み込むと、カックンと急ブレーキになり丁度良い減速を得るには、踏み込む力の強さの調節に神経を使わされます。

ブレーキフィーリングの他には、7速DCTがアクセルのオンオフを繰り返すと、ギクシャクとした動きになり、特に低速では顕著に症状が現れてしまいます。

「デミオ」は、そのスタイリッシュなスタイリングと、自然なドライビングポジションを追及することで、他の部分は犠牲になってしまっています。

コンパクトーカーに、ロングノーズでショートデッキの、古典的なカッコ良さを追求したボディは、合理性を追求した車とは違う魅力を持っています。

「フィット」に乗っても不自然さは感じられないのですが、「デミオ」に乗り換えるとドライビングポジションの自然さと、余裕のようなものが感じられます。

しかしそのために、リアシート、ラゲッジスペースは狭く、ボディ剛性を上げるために、リアゲート開口部は出来るだけ小さくされ、使い勝手は良くありません。

万能型の「フィットハイブリッド」使い方を限定した「デミオXD」

コンパクトカーに多くを求めるのなら、「フィットハイブリッド」を選んだ方が幸せになれます。

「フィットハイブリッド」は、コンパクトカーでハイブリッドながら、スポーツ走行をしても楽しめて、家族で使うにも友人と3(4)人で遊びに行くにも、リアシートとラゲッジスペースの広さと使い勝手は、不満無く使える車に仕上がっています。

「デミオXD」はスタイリッシュなボディと、クラスレスな運転感覚を楽しむための車になっていて、4ドアではありますが昔風に考えると、クーペやハードトップと言う車の位置付けに入る車です。

リアシートの広さや居住性、荷物を積むなどは重要では無く、スタイリングの美しさと運転感覚を最も重要視しています。

「デミオXD」の想定される使い方としては、自分1人で又は彼、彼女、友人と2人でドライビングを楽しむ車、子供がまだいない又は、子供がすでに独立された夫婦の方なども考えられます。

「フィットハイブリッド」「デミオXD」価格と装備を比べてみる

標準装備で大きく異なる部分を抜き出し価格を比較してみます。

フィットハイブリッド」Lパッケージ(2WD)デミオXDツーリングLパッケージ(2WDAT)
コンフォートビューパッケージ親水・ヒーテッドドアミラー、フロントドア撥水ガラス、熱線入りフロントウィンド4WDはヒーテッドドアミラーは標準装備
フロントウィンドガラス遮熱/UVカット熱線吸収グリーンガラス/UVカット
フロントドアガラス遮熱/スーパーUVカット熱線吸収グリーンガラス/UVカット
リアドア、テールゲート高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラスUVカット機能付ダークティンデッドガラス
Sモード標準装備設定なし
フロントフォグランプ設定なし標準装備
運転席・助手席シートヒーター設定なし標準装備
リアヒーターダクト標準装備設定なし
パドルシフト設定なし標準装備
エアコンプラズマクラスター技術搭載アレルフリー高性能脱臭フィルター花粉除去
アームレスト付センターコンソール標準装備設定なし
メーカー希望小売価格1,959,000円2,019,600円

標準装備を比較してみると、「フィットハイブリッドLパッケージ」はリアヒーターダクトを装備するなど、リアシートの快適性にも気を遣っています。「デミオXD」では運転席、助手席ヒーターを装備してフロントシートを優先させています。

この標準装備のつけ方にも、それぞれの車の設計思想が現れています。

メーカー希望小売価格は、60.600円「デミオXDツーリングLパッケージ」が高い設定になっています。

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