スバル「フォレスター」ホンダ「CR-V」比較してみた

6年振りにフルモデルチェンジした5代目スバル新型「フォレスター」と、2年振りに国内へ回帰したホンダ新型「CR-V」を比較してみます。

スバル「フォレスター」は四角いキュービックフォルムのスタイルが特徴で、これにより室内の広さや優れた視界を確保し、実用的なSUVとしてデザインされています。

スタイリングはキープコンセプトとしたことで、先代との違いが分かり難いことから、変わり映えがしないとの声も囁かれていますが、ユーザーは好意的に受け入れており、受注台数は順調な伸びをみせています。

また、新型「フォレスター」では初となる、e-BOXERと呼ばれるハイブリッドモデルを設定し、走りの性能に加えて燃費性能も向上させたグレードも追加し、シリーズの充実も図っています。

「CR-V」は5代目となり国内へ回帰していますが、初代はSUV人気の高まりとともに、ホンダが自社のSUVとして初めて開発したモデルです。

本格的オフロダーとは違い、乗用車のプラットフォームを使う都市型SUVの「CR-V」は、広い室内をもち価格もリーズナブルだったことから、時流に乗ったヒット作となり海外へも輸出が開始されます。

その後、海外の需要に合わせモデルチェンジの度に大型化したため、国内での販売は2016年に4代目となるモデルで中止されていましたが、国内でもミドルサイズSUVの必要性から、2018年8月より販売が開始されています。

今回、比較するのは「フォレスター」がe-BOXERを積む“Advance”、「CR-V」は EX・Masterpieceの7人乗りです。

本来ならパワーユニットを同じ条件で、乗員定員も同じモデルで比較したかったのですが、試乗車の都合で、性格の違うグレードでの比較となりました。

「フォレスター」と「CR-V」のスペックを比較

フォレスターAdvanceCR-V EX・Masterpiece(7人乗り)
全長(mm)4,6254,605
全幅(mm)1,8151,855
全高(mm)1,7151,680
ホイールベース(mm)2,6702,660
最低地上高(mm)220200
車両重量1,6401,630
最小回転半径(m)5.45.5
駆動方式AWDFF
室内寸法長さ(mm)2,1102,520(1,970・5人乗り)
幅(mm)1,5451,520(1,550・5人乗り)
高さ(mm)1,2701,230
エンジン排気量2.0L1.5L+ターボ
最高出力(PS/rpm)145/6,000190/5,600
最大トルク(kgf・m/rpm)19.2/4,00024.5/2,000-5,000
モーター最高出力(PS)13.6
最大トルク(kgf・m)6.6
燃料消費率(km/L)JC0818.615.4
サスペンションストラットストラット
ダブルウィッシュボーンマルチリンク
ブレーキベンチレーテッドベンチレーテッド
ベンチレーテッドソリッド
タイヤ225/55R18235/60R18

全長と全高は「フォレスター」が、全幅は「CR-V」が大きくなっています。また、「フォレスター」はホイールベースが長く、最低地上高も高くなっています。

車両重量は「フォレスター」がハイブリッド+AWD、「CR-V」が7人乗りの条件では、「CR-V」が軽く、小回り性能は最小回転半径が小さい「フォレスター」が優れています。

室内は「CR-V」を5人乗りとして比べると、幅のみ「CR-V」が広く、長さ、高さでは「フォレスター」が勝っています。

エンジンはNAとターボの違いがあるため、最高出力、最大トルクとも「CR-V」が優れた性能を発揮していますが、燃費性能はハイブリッドシステムの「フォレスター」が優れています。

サスペンションは「フォレスター」「CR-V」ともに4輪独立で、走行性能と乗り心地に優れた方式を採用しています。また、「フォレスター」はリアブレーキも、ベンチレーテッドディスクを装着し、対フェード性を高めています。

タイヤ径は「フォレスター」「CR-V」とも18インチですが、扁平率の違いがあり「CR-V」が大径サイズのタイヤです。

堅実な「フォレスター」とスタイリッシュな「CR-V」

「フォレスター」のフロントグリルは直立に近い形状で、「CR-V」はグリルをややスラントさせたデザインです。

ホイールアーチの張り出しが大きい「CR-V」は、「フォレスター」よりスポーティーな印象です。

「フォレスター」はバンパーガードを備え、オフローダーの性格を強く打ち出しています。「CR-V」はスポーティな都会派のSUVを意識したデザインです。

ボンネットフードは「フォレスター」が、左右と中央にピークを作り、複雑な形状としていますが、「CR-V」は左右のみにピークを作り、中央はスムーズな面でスッキリと仕上げています。

「フォレスター」のリアコンビネーションランプは、リアゲートのパネルを挟み込むようなデザインで、「CR-V」はブーメランのように縦と横に伸びるデザインです。

エキゾーストパイプは「フォレスター」が1本出し、「CR-V」がデュアルタイプとしています。

「フォレスター」はリアウィンドガラスが直立に近い角度ですが、「CR-V」は傾斜をつけてスタイリッシュに仕上げています。

ボディパネルは「フォレスター」が平面的な処理で、「CR-V」は豊かな膨らみをもつラインです。

パワーユニットは「フォレスター」がハイブリッドシステム、「CR-V」は1.5Lターボのため、パワーやトルクは「CR-V」が勝っています。

「フォレスター」はブリヂストンのSUV用タイヤ、デューラーHPを装着し、「CR-V」はダンロップのスポーツ指向タイヤ、スポーツマックス050を装着しています。

スポーツテイストの「フォレスター」RV指向の「CR-V」

フォレスター

CR-V

マルチファンクションディスプレイを備える「フォレスター」のインパネは、スバルらしさを伝えるデザインです。「CR-V」はセンターインパネに、ATセレクトレバーを配置するデザインです。

「フォレスター」はアナログ2眼メーターで、中央にマルチインフォメーションディスプレイが備わります。「CR-V」はデジタル表示とされたタコメーター、スピードメーターの下に、マルチインフォメーションディスプレイが表示されるレイアウトです。

センターコンソールにATセレクトレーバーを配置する「フォレスター」は、スポーツ指向の色合いが強く、センターインパネにATセレクトレバーを配置する「CR-V」は、RV的な印象を与えます。

「フォレスター」「CR-V」ともに、センターコンソールの収納は大きな容量をもっていますが、使い勝手では「CR-V」がやや勝っていると感じます。

「フォレスター」はセンターコンソールをやや高くし、スポーツテイストを演出します。「CR-V」はインパネが中央から両端へV字型に広がり、前席のスペースを拡大させるデザインです。

シートは「CR-V」が「フォレスター」より、サイドが張り出したサポート性の強い立体的な形状で作られています。

リアシートの膝周りスペースは「フォレスター」「CR-V」ほぼ互角の広さですが、ヘッドスペースは「フォレスター」に余裕があり、「CR-V」はルーフが近くなっています。

「フォレスター」は5人乗り「CR-V」は7人乗りのため、ラゲッジスペースフロアの形状が違いますが、5人乗りでは「CR-V」もフラットなフロア仕様です。

容量は同じ程度と思える広さですが、使い勝手では開口部の広い「フォレスター」が優れています。

実用的に使える「フォレスター」スペシャリティーカーの「CR-V」

「フォレスター」「CR-V」はスペックで見ると、近いサイズのミドルクラスSUVですが、実際に比べてみると、「CR-V」が大きな車に感じられます。

「CR-V」は「フォレスター」より全幅のみが広く、全長、全高では小さくなっているのですが周囲に存在感を放つデザインです。

この与える印象は「CR-V」の膨らみのあるボディと、小さめなサイドウィンドウが作り出しており、それと同時にスペシャリティーな雰囲気も漂わせます。

「フォレスター」は四角いフォルムが、実用的で堅牢な印象を与え、機能美を追求したようなスタイリングです。流麗なラインや煌びやかな雰囲気は感じさせませんが、無骨な力強さや逞しさのあるエクステリアです。

室内に乗り込むと光が降り注ぐような「フォレスター」は、水平に近いベルトラインが、明るい開放的なインテリアを作りだしています。また、このベルトラインは、視界の確保にも大きく貢献し、車両感覚を掴み易くしています。

「CR-V」は乗り込むと室内がタイトに作られており、開放感よりも包まれ感を演出するインテリアです。Aピラーは「フォレスター」に比べると接近し、肩回りも余裕も少なくなっています。

乗り込み易さは「フォレスター」が勝る印象で、リアシートの乗降性ではこれが顕著に感じられます。「フォレスター」は「CR-V」より、高い最低地上高にも関わらず、低いフロアを実現させており、AWDに長い知見があるスバルの優れた部分です。

インパネを比べると「フォレスター」はソフトパッド、「CR-V」は木目調のパネルで質感を高めようとしているのですが、「CR-V」の木目調パネルの質感が低くチープな印象となっています。

また、「CR-V」はATセレクトレーバーを配置する、センターインパネの作り込みも不足しており、プラスチックそのまま印象で「フォレスター」と比べると見劣りします。

「フォレスター」はソフトパッドを、センターコンソール、ドア内張などに多く使うことで上質感を出し、空調パネル、センターコンソールパネル、ATセレクトレバーの加飾が、質感を高める効果を生んでいます。

メーターパネルは「フォレスター」がアナログ基調で、「CR-V」はデジタル基調のデザインを採用し、両車種ともに良い視認性を確保しています。乗り換えて慣れやすいのは、「フォレスター」ですが、「CR-V」のメーターでも不満はありません。

ドライブし易い「フォレスター」大きさが気になる「CR-V」

走り出すと広い視界に支えられた「フォレスター」は、実際のサイズより車が小さく感じられ、ドライブが容易で硬めの足回りは安心を与える乗り心地です。ステアリングの操作に忠実にフロントが反応し向きを変え、リアタイヤがこれをしっかりと支える印象です。

「CR-V」は走りだすとソフトな足回りが、サルーンのような乗り心地で、上級のセダンに近いフィーリングを伝えてきます。タイトで包み込むように作られた室内は、外観同様にスペシャリティーカーのような雰囲気もあり、車と一体感を得やすいデザインです。

しかし、ソフトな足回りは初期のロールが速く、フロントの反応もワンテンポ遅れるため、ドライバーに安定感を与え難く、包み込む室内は視界が制限され、実際のサイズ以上に車が大きく感じられます。

このため、「CR-V」は素早いステアリングさばきや、小さな舵角で修正する場面が苦手で、鈍重な印象になりがちです。高速道路の走行や広い直進道路を走るには問題がないのですが、狭い市街地の道路では扱い難い特性です。

走行性能は2.0Lハイブリッドの「フォレスター」が、1.5Lターボの「CR-V」に市街地では健闘し、遜色のない走りを展開します。しかし、長々と加速する場面では「CR-V」が有利で、スペックの違いを感じさせます。

また、静粛性はアクティブノイズコントロールなどを採用する「CR-V」が、静かな室内を実現しており、「フォレスター」はエンジンが高回転域に入ると、ノイズが室内に侵入してしまいます。

このような特徴から考えると、実用性や悪路での走破性で選ぶなら「フォレスター」で、スペシャリティーカーのようなSUVが必要なら「CR-V」です。

「フォレスター」と「CR-V」予防安全性能を比較

フォレスターアイサイトVer.3CR-V Honda SENSING
衝突軽減ブレーキ前方車両との速度差50km/h以下 歩行者は35km/h以下自車速度5km/h以上で、速度差が5km/h以上の前走車両と歩行者 対抗車両と歩行者は自車速度100km/h以内
後退自動ブレーキ機能標準装備
誤発進抑制機能前方・後方前方のみ
クルーズコントロール機能0km/h~120km/h(ステアリングアシストあり)0km/h以上(ステアリングアシストなし)
車線維持支援機能60km/h以上65km/h以上
歩行者事故低減ステアリング機能10km/h~40km/h
車線逸脱抑制機能ふらつき60km/h以上 逸脱40km/h以上60km/h~100km/h
先行車発進お知らせ機能標準装備標準装備
オートハイビーム標準装備30km/h以上(アダプティブタイプ)30km/h以上
死角車両検知・車線変更支援機能標準装備標準装備
後退時支援機能標準装備
ドライバーモニタリング機能顔認識方式ハンドル操作検知方式
標識認識機能標準装備

予防安全性の機能はアイサイトとHonda SENSINGは、ともに遜色のないレベルですが、性能やアシストの内容はアイサイトがやや上回り、予防安全性能を重視するなら「フォレスター」です。

Honda SENSINGは歩行者事故低減ステアリング機能が、アイサイトにはない優れている部分です。

「フォレスター」と「CR-V」装備の違いと価格を比較

「フォレスター」と「CR-V」の主な装備の違いを比較し、メーカー希望小売価格を比べてみます。グレードは「フォレスター」が“Advance”で、「CR-V」はHYBRID EX・Masterpiece(4WD)とします。

フォレスターAdvanceCR-V HYBRID EX・Masterpiece(4WD)
パワーリアゲートオプション標準装備(ハンズフリー)
本革シートオプション標準装備
運転席・助手席シートヒーター標準装備(3段階調整)標準装備
リアシートヒーター標準装備
パワーシート運転席・助手席8ウェイ運転席8ウェイ・助手席4ウェイ
ステアリングヒーター標準装備
運転席シート自動後退機能標準装備
運転席ランバーサポート標準装備
ルーフレールオプション標準装備
サンルーフオプション標準装備
アルミパッド付スポーツベダル標準装備
歩行者用エアバッグ標準装備
運転席ニーエアバッグ標準装備
フロントウィンドガラスUV/IRカットUV/IRカット・遮音機能・熱線入り
フロントドアガラスUVカットスーパーUV/IRカット・撥水
リアドア・リアクォーターウィンド・テールゲートUVカット高熱線吸収/UVカット
ハーフシェード・フロントウィンド標準装備
サイドビューモニター標準装備プリズムアンダーミラー
オーディオフロント4+リア44スピーカー+4ツィーター
ドアミラーヒーテッド/リバース連動親水/ヒーテッド
USB電源フロント2+リア2フロント1+リア2
ナビ+ETCオプション標準装備
メーカー希望小売価格3,099,600円4,361,040円

「フォレスター」はリアシートヒーターや、ステアリングヒーター、歩行者用エアバッグ、運転席ニーエアバッグなどの装備に特徴があり、「CR-V」はウィンドガラスに高機能なタイプを採用し、ナビ+ETCを装備しています。

価格は「CR-V」HYBRID EX・Masterpiece(4WD)が高い設定ですが、「フォレスター」“Advance”ではオプションとされる装備が、「CR-V」HYBRID EX・Masterpiece(4WD)には標準で装備されています。

「フォレスター」にオプションを追加し、両車の装備を近づけ価格を比較してみます。

フォレスターAdvanceCR-V HYBRID EX・Masterpiece(4WD)
パワーリアゲート216,000 円標準装備(ハンズフリー)
本革シート標準装備
ルーフレール標準装備
サンルーフ標準装備
ナビ+ETC291,384 円標準装備
メーカー希望小売価格3,660,984 円4,361,040円

「フォレスター」にオプション装備を追加し、「CR-V」の装備に近づけると3,660,984 円です。この仕様で比較すると「CR-V」が約70万円高い価格です。

「CR-V」はハイブリッドシステムに、2モーターを採用し「フォレスター」の簡易ハイブリッドとすると、コストがかかるシステムなので、この価格の差となっているものと考えます。

価格を重視したハイブリッドなら「フォレスター」がおすすめで、本格的なハイブリッドを求めるなら「CR-V」が良いと考えます。

「フォレスター」と「CR-V」ガゾリンモデルの価格を比較

では、ガソリンモデルの価格を比較し検証してみます。ガソリンモデルは「フォレスター」がNAエンジンで「CR-V」はターボエンジンです。

比較するグレードは装備内容が近い「フォレスター」Premiumと、CR-V EX(4WD)5人乗りを比べてみます。

フォレスターPremiumCR-V EX(4WD)5人乗り
リアゲート手動式手動式
シートファブリック/トリコット+合皮ファブリック
ナビ+ETCオプション(291,384 円)標準装備
メーカー希望小売価格3,315,384円3,446,280円

「フォレスター」PremiumとCR-V EX(4WD)5人乗りでは、リアゲートが手動式(フォレスターはパワー式のオプションあり)、シートはファブリックが主な表皮素材となる仕様です。

その他は本革シート、ルーフレール、サンルーフを除くと、「フォレスター」Advanceと「CR-V 」HYBRID EX・Masterpiece(4WD)とほぼ同じ装備内容の違いです。

「フォレスター」Premiumに、ナビ+ETCを装備すると3,315,384円で、CR-V EX(4WD)5人乗りとの差額は約13万円です。

「フォレスター」と「CR-V」は装備内容が同じではないので、一概に判断はできないのですが、この差額をターボチャージャーの価格と考えると妥当な金額です。

「フォレスター」Premiumと「CR-V」CR-V EX(4WD)5人乗りは、価格が接近した設定となっています。

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