ホンダ「フリード」トヨタ「シエンタ」比較してみた

新型「フリード」で大人気の「シエンタ」を追撃

売れに売れているコンパクトミニバン、トヨタの「シエンタ」に対抗する、ホンダ新型「フリード」がモデルチェンジされ発売されました。

新型「フリード」はもっと早い時期にモデルチェンジされ、発売される予定だったと言われていますが、様々な問題により投入が遅れ、「シエンタ」の独走状態が続いていました。

待ちに待たされた新型「フリード」ですが、スタイルはより洗練されて室内は居住性と質感を高めています。

インパクトの強いスタイリングで、支持を集める「シエンタ」と競い合う「フリード」は、「シエンタ」を凌ぐ魅力を備えて来たのか比較してみます。

比較したのは「フリード」“ G Honda SENSING”と「シエンタ」“G”で、ともにガソリンモデルです。(尚「フリード」はオプションを装備しています。「シエンタ」はハイブリッドモデル“G”とガソリンモデル“X”の画像を使用しています)

室内の長さで一歩リードする「フリード」

2WD(6人乗り)フリード G Honda SENSINGシエンタ G
全長(m)4.2654.235
全幅(m)1.6951.675
全高(m)1.7101.675
ホイールベース2.7402.750
トレッド1.4801.480
1.4851.480
室内寸法長さ(m)3.0452.535
幅(m)1.4551.470
高さ(m)1.2751.280
車両重量(kg)1.3601.320

全長、全幅、全高とも「フリード」が上回っていますが、ホイールベースは「シエンタ」が長く、「フリード」は前後オーバーハングが長くなっていることが分かります。

室内の長さは「フリード」の長さが目立ち、室内幅、高さでは「シエンタ」が上回ています。

車両重量は「シエンタ」が軽量に作られています。

エンジン性能は「フリード」が圧倒するも「シエンタ」は燃費性能が優れる

2WD(6人乗り)フリード G Honda SENSINGシエンタ G
エンジン排気量(L)1.4961.496
最高出力【kw(PS)/rpm】96(131)/6.60080(109)/6.000
最大トルク【N・m(kgf・m)/rpm】155(15.8)/4.600136(13.9)/4.400
燃料消費率(km/L)19.020.2
最小回転半径(m)5.25.2
ブレーキディスク(ベンチレーテッド)ディスク(ベンチレーテッド)
ドラムディスク(ソリッド)
タイヤサイズ185/65R15185/60R15

「フリード」のL15B型エンジンは、「シエンタ」の2NR-FKE型エンジンより、最高出力、最大トルクともに上回る数値です。

「シエンタ」は「フリード」より、低扁平率で接地面が広いタイヤを装着していますが、燃費性能は優れています。

「シエンタ」の4輪ディスクブレーキに対して、「フリード」の後輪はドラム式で、ブレーキの対フェード性では「シエンタ」が有利です。

フロントウィンドガラス上端に特長をみせる「フリード」と、「シエンタ」はヘッドライトやフロントフェンダーの処理に個性をみせます。

「フリード」のボンネットは、「シエンタ」より厚くボリュームを感じさせ、ルーフはセンター部分が凹んでいて、空力に配慮した形になっています。

「フリード」はフロントクォーターウィンドを新たに採用し、サイドビューに変化をつけて豊かさのある雰囲気を出しています。

「シエンタ」はリアをスパッと切り落とした、くさび型のスタイリングが特長的で、リアスライドアも独特な形です。

「フリード」「シエンタ」ともにリアクォーターパネルのスライドドアレールは、目立たないようにデザインされていて、上手くボディに溶け込ませせています。

オーソドックスに纏めた「フリード」に対して、有機体のようなヌメヌメとした雰囲気を出す「シエンタ」です。

直線的でモダンな「フリード」曲線でRを多用する「シエンタ」

ダッシュボードは水平基調で前方視界が良くモダンな雰囲気の「フリード」に対して、「シエンタ」はRを使ったデザインで、エクステリアのイメージとマッチさせていますがやや複雑なラインです。

「フリード」は助手席前方のインパネトレイも、「シエンタ」と比べると実用的なデザインで使い勝手に優れています。

「シエンタ」の前方への視界は「フリード」ほどの良さはありませんが、斜め前方へはクォーターウィンドをもたない「シエンタ」が死角を少なくしています。が、ステアリング上端がメーターパネル下部に被り、メーターの視認性をやや悪くしています。

「フリード」のデジタルメーターパネルは、照明色を6色から選べるなど凝った作りで、比べると「シエンタ」はシンプルな作りに感じてしまいます。

落ち着きを感じさせる「フリード」は、「シエンタ」よりもう少し上の年齢層が、ターゲットとしてデザインされているように思えます。

運転席、助手席シートのサポート性は「シエンタ」

プライムスムース×ファブリックのコンビシートの「フリード」は、質感高く感じさせるのですが、表面がツルツルとしてサポート性が良くありません。

「シエンタ」の上級ファブリックシートは、サポート性も不満のないレベルで車の性格を考えれば妥当なところです。

セカンドシートのセンターウォークができない「シエンタ」

「フリード」の6人乗り仕様は、セカンドシートがキャプテンシートとなりセンターウォークが可能となります。

「シエンタ」はサードシートをセカンドシート下に格納するために、センターウォークが出来ない仕様で、サードシートへのアクセスは、セカンドシートをスライドさせ両端からに限定されます。

セカンドシートの造りは運転席助手席シートとは逆で、表皮は滑り易いですが「フリード」のシートはホールド性が高く、「シエンタ」は平らな椅子に座っている感じです。

カタログスペックでの室内の幅、高さは、「シエンタ」が上回っていますが、明確な差は感じられません。

サードシートの実用性では「フリード」

室内長が長くなった「フリード」は、サードシートのレッグスペースを確保して、なんとか実用に耐えるまでのレベルにしていますが、シートの高さが低く太ももが持ち上がるために、長時間大人が座るにはキツイく感じられます。

「シエンタ」のサードシートは、完全にエマージェンシー用と考えるべきで、小さな子供なら長時間でも乗れるレベルです。

シートの高さは確保してあるので、大人でもお尻への負担は少なく乗れますが、足を置くスペースが絶対的に不足しています。

ラゲッジスペースは全長が長い「フリード」が広い

サードシートを使用した状態でのラゲッジスペースは、「フリード」「シエンタ」とも狭いのですが、「フリード」にやや余裕が感じられます。

カタログスペックでの全長の差が感じられるところです。

サードシートを収納しての使い勝手は「シエンタ」

サードシートをサイドに跳ね上げる「フリード」に対して、「シエンタ」はセカンドシート下に収納するので、ラゲッジスペースはスッキリとして使い勝手が良くなっています。

スライドドアの乗降性は「シエンタ」

フリード

シエンタ

路面からの助手席、サイドスライドドアのステップまでの高さは、「シエンタ」が低くスライドドアの幅も「シエンタ」が広く開口します。

スライドドアの高さは「フリード」が高く、乗り込む場合には腰を屈める度合いが少なくなっています。

気になるのは「シエンタ」の運転席、助手席のサイドシルの高さです、高さ自体は「フリード」よりも低い設計なのですが、乗り込むとフロアがかなり下の方にあり、降りる際には足が掛かりそうになります。

テールゲートの使い勝手はフロアが低い「フリード」

フリード

シエンタ

路面からラゲッジフロアまでの高さは「フリード」が低く、ゲート開口部の高さも「フリード」が高くなっています。

「シエンタ」はゲート開口部の幅で勝っていますが、ラゲッジフロアまでの高さが低い「フリード」が使い勝手に優れます。

エンジンパワーで「シエンタ」を凌駕する「フリード」

活発に回る「フリード」のL15Bエンジン。

燃費を重視した「シエンタ」の2NR-FKE型エンジン。

エンジンカタログスペックでは、「フリード」に差をつけられている「シエンタ」ですが、通常のスピードで市街地を流すような走りでは、両車に明確な差は感じられません。

「シエンタ」はエンジン性能で劣っていますが、重量が「フリード」よりも軽いことで、時速60km位までの加速は互角の性能を示します。が、それ以降の加速の伸びは「シエンタ」は鈍く「フリード」に及びません。

「フリード」は時速60km以降も加速が衰えず、そのまま高速域に到達する勢いがあり、数値が反映したエンジンパワーの差が明確になっていきます。

また「シエンタ」は、エンジンの高回転域を使用すると、室内への騒音の進入が大きくなるのですが、「フリード」は高回転域でもそれ程振動が高まらず、騒音の侵入も少なくなっています。

「フリード」のサスペンションは、硬めのフラット感があるセッティングですが、乗り心地もそれに相応しています。

舗装状態が良い路面ですとそれ程の硬さは感じさせませんが、大きな段差があるとガタンと振動が伝わりしなやかさには欠けます。

しかしハンドリングは機敏でドライブが楽しいセッティングです。

対する「シエンタ」は、柔らかめでソフトな乗り心地です。

路面の大きな段差に対してもソツなくこなし、乗員への振動を和らげています。

「シエンタ」のハンドリングは、トヨタの車の中では重めのセッティングで、FF車特有のキャスターアクションが強く出ています。

ややクセのあるハンドリングですが、落ち着きは感じられます。

主な装備の差と価格の比較

2WD(6人乗り)フリードGHondaSENSINGシエンタG
安全運転支援システム標準装備オプション
スライドドアロールサンシェード標準装備設定なし
ステアリングホイールウレタン本革巻
スピーカー数24
シート表皮プライムスムース×ファブリック上級ファブリック
シフトノブウレタン本革巻
フロントドアガラス高熱線吸収/UVカットUVカット
スライドドア/リアクォーターパネル/テールゲートガラス高熱線吸収/UVカットプライバシーUVカット/プライバシー
タイヤサイズ185/65R15185/60R15
メーカー希望小売価格(円)2,100,0001,980,327

最も大きな装備差は安全運転支援システムが「フリード」は標準装備で、「シエンタ」はオプション扱いとなっていることです。

(「シエンタ」に安全運転支援システムToyota Safety Sense Cを装備すると、メーカー希望小売価格は2,034,327円です)

パワフルさと走行性能で選ぶなら「フリード」乗り心地と燃費なら「シエンタ」

動力性能や安全運転支援システムの能力の高さ、サードシートまでの実用性を考えるなら「フリード」です。

落ち着きのある室内の質感も高く、「シエンタ」よりも大人びた雰囲気を漂わせ、センターウォークが可能なところも使い勝手の幅を広げています。

エンジンパワーもありますので、実用性が増したサードシートまで、フル乗車で使う機会が多いユーザーにもおすすめできます。

スタイルも「シエンタ」のインパクトの強い個性的なデザインと比べると、「フリード」はオーソドックスに纏め上げられて受入れ易いスタイルです。

乗り心地と燃費の良さ、価格を重視するなら「シエンタ」です。

トヨタ流サスペンションのセッティングは、尖ったところが無く誰が乗っても不満が少ない、マイルドな良さを持った乗り心地です。

またスライドドアのステップは、高さも低く乗り降りのし易いやさしい仕様です。

エンジンは若干パワー不足ですが、それと引き換えに燃費は良くなっていますので、乗り方が大人しいユーザーは、不満よりメリットに感じられる部分です。

オプションで安全運転支援システムを装備しても、価格は「フリード」より安い設定で他の装備の差も僅かですので、コストパフォーマンスに優れています。

有機体のような独特のスタイルは、好き嫌いがハッキリとするデザインですが、個性を主張するなら選ぶ価値のあるコンパクトミニバンです。

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