ホンダ新型「シビック ハッチバック」試乗してみた

ホンダの歴史を語る「シビック」が国内回帰

ホンダ「シビック」が7年の空白を経て国内で販売を開始します。

「シビック」は初代よりホンダが世界的に販売を展開し、世の中に大きくインパクトを与えた車です。

初代「シビック」は1972年に販売が開始されましたが、翌年の1973年に強化された排ガス規制の対策として、CVCCエンジンを登場させます。

CVCCは副燃焼室を用いて、薄い混合気をクリーンに燃焼させるリーンバーンエンジンで、これにより排ガスの有害物質を低減させ、規制をクリアするとともに燃費を改善しました。

当時は中東戦争が勃発し石油危機が叫ばれていた時代で、「燃料を無駄遣いする大きな車は必要ない、シビックの大きさがあれば家族でも十分」と、良識あるインテリジェンスを刺激するホンダの広告戦略が見事にハマり、大型の車から「シビック」に乗り換える動きが世界規模で起こり、大ヒットを記録しました。

さらにCVCCエンジンは、アメリカの排気ガス規制法(マスキー法)を初めてクリアしたエンジンとして、米国自動車技術者協会の優秀技術車(1970年代)に選ばれており、日本でも機械遺産に認定されています。

この歴史あるホンダの主力車種とも言える「シビック」の国内回帰は、大いに興味が沸くところでもあり、気になる車の1台でもあります。

今回は「TYPE R」とともにイギリスで生産される、「シビック ハッチバック」の試乗を行ってみました。

シャープなフロントとボリュームのあるリアを力強く融合させる

低くデザインされたボンネットは、幅が広い車幅を更に強調する、ロー&ワイドでシャープなフロントマスクを作り出しています。

バンパーのダミーインテークは、ホンダが近年採用するデザイン手法で、ホンダ車らしさを感じる部分です。

ロアのリップスポイラーを始め、ヘッドランプに被さるノーズ先端など、フロントは細かな凹凸で構成されています。

低いルーフがリアに向かって下がるラインは、ロングノーズ、ショートデッキのクーペ的な印象を持たせるスタイリングです。

サイドターンランプがフロントフェンダー前方に取り付けられています。

リアに設置されるルーフ&テールの2つのスポイラーは、どちらもウィングタイプを採用しています。

フロントと同様に細かな凹凸で構成されるリア周りは、バンパーの大型ダミーインテークとともに、力強さを感じさせるデザインです。

センター2本出しのデュアルマフラーがスポーツテイストを演出します。

シャープなフロンと対照的にボリュームを感じさせるリアデザインです。

L15C型1.5Lターボエンジンは、プレミアムガソリン指定で、最高出力182PS/5,500rpm、最大トルク24.5kgf・m/1,900~5,000rpmのスペックです。

ハッチバックはセダンとはチューニングが異なり、ハイパワー仕様となっていて、更にマニュアルミッションとオートマチックミッションでは、エンジン特性が変えられています。

タイヤサイズは235/40R18で、タイヤはグッドイヤーイーグルF1を履いています。

インテリアはシンプルで機能的な加飾の少ないデザイン

インパネはシンプルでスッキリとした仕上がりです。

三分割されるメーターパネルは、左に水温計、右に燃料計、中央にスピードとタコメーター、その内側にマルチインフォメーションディスプレイが表示されます。

インパネはセンターからドアへ向かい張り出しを抑え、フロントに広がりを与えるデザインとしています。

リアシートのヘッドスペースは余裕がない

ブラックにホワイトステッチが入るシート表皮は、ソフトウィーブが使われ、オプションでは本革シートも用意されます。

空調送風口がセンターに備わるリアシートは、幅と足元の余裕はあるのですが、ヘッドスペースが不足していて頭とルーフが接触しそうです。

ラゲッジスペースは十分な容量だがトノカバーはハードなタイプが欲しい

ラゲッジスペースは、タイヤハウスの張り出しが若干気になりますが、深さもあり十分な容量を確保していると思える広さです。

ラゲッジフロアの下には、パンク応急キットと小物を入れるスペースがありますが、深さがなく入れられるものは限られそうです。

リアシートを倒しラゲッジスペースを拡大させたフロアは、ほぼフラットに近い状態となり、使い勝手は良さそうですが、リアドアとフロアの隙間がやや大きくなっています。

スライド式のトノカバーは、ビニールシートを張る目隠し程度の機能で、この上に物を乗せるなどのことは出来ない仕様です。

スポーティなエクステリアと機能的なインテリアデザイン

7年振りに国内へと帰って来た「シビック ハッチバック」と対面すると、車の幅を強く意識させるワイドなボディで、全高1,435mmの低い車高がさらにそれを強調し、ロー&ワイドの地面に張り付くフォルムです。

ボディサイズが近い「スバルインプレッサスポーツ」が1,455mm、トヨタプ「リウス」が1,470mmですから、「シビック ハッチバック」の背の低さが分かります。

特にボンネットフードは、先端に行くほど低くデザインされて、鋭利な尖ったものをイメージさせるシャープさを持っています。

ボディに走る直線的なキャラクターラインは、筋肉質の硬質に感じるスタイルを作り上げ、フロントとリアの凹凸のあるデザインが、さらにこれを強調し塊感のあるエクステリアデザインとしています。

乗り込んだ室内はシンプルで、オーソドックスに仕上げられ、ややあっさりとし過ぎた感はありますが、必要なものを機能的に配置した印象です。

しかし見易い大型の水温計と燃料計の表示は、スポーティテイストを演出するにはやや素っ気ないデザインに感じます。

インパネは上端へと角度を付けて、広がりを感じさせ圧迫感を少なくする形状としています。

シートに体を収めると低いポジションとなり、スポーティーですが視界は開けており、押し込められたような感覚はありません。

シートはワールサイズと言える大きさで、サポート性よりもゆったりと乗ることを優先した作りなのですが、肩甲骨辺りのフィット感が良くなく、最適なポジションを見つけ出すことが出来ませんでした。

大人のツーリングマシンとして仕上げられた「シビック ハッチバック」

ステアリング右側に配置された、エンジンスタートボタンを押し始動させると、デュアルマフラーからグォンと野太い音を響かせます。

近年のハイブリッド車を含め、ノーマルエンジン車でも静粛性を追求する傾向にあるのですが、「シビック ハッチバック」では意識的に、エンジンの音を伝える仕様としているようです。

ATセレクレバーをDポジションにシフトするのですが、肘を置くフロントセンターアームレストの位置が高く、操作をやり辛くしています。

走り出すとパワーのあるターボエンジンは、スムーズな加速をみせるスマートでジェントルな走りです。

ただ、エンジン(排気)音だけはゴロゴロと響き「只者ではないぞ」と訴えてきます。

「ステップワゴン」に搭載されるターボエンジンをチューンし、出力が上げられているのですが、ダウンサイジングターボそのままの特性で、扱い難さは全く感じられません。

グリップ部分が太いステアリングを切ると、車は穏やかな反応で向きを変え、神経質な部分が無く扱い易い素直な特性です。

このクセのない特性は、コーナリングを開始するとフロント内輪に緻密なブレーキを作動させ、回頭性を高めるアジャイルハンドリングアシストが、効果的に作用しているものと思われます。

クイックな応答ではないので、スポーティハッチバックとすると、やや物足りないと思われますが、高速巡行を長い時間続けるような走りでは、安定感が得られるステアリング特性です。

足回りは硬さを感じさせない、しなやかさを持つ設定で、カーブではロールを許しますが、その進行は穏やかで安定感を損なわない頼もしさがあります。

乗り心地は40扁平タイヤのコツコツとした感じはなく、路面の凹凸を良く吸収し受け止めている感触です。

この辺りは新型「シビック」が新たに採用する、コンパクト・グローバルプラットフォームの剛性が、飛躍的に高められたことによる効果の表れなのでしょう。

「シビック ハッチバック」は、プチ「TYPE R 」のような仕上がりを持つ車かとの思いがありましたが、「TYPE R 」とは明確に路線が違い、大人のツーリングマシンとして造り上げられています。

今回試乗した「シビック ハッチバック」のメーカー希望小売価格は、2,800,440円となっています。

「シビック ハッチバック」の見積り交渉の記事はこちらです。

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