ホンダ新型「CR-V」試乗してみた

5代目となる新型「CR-V」が国内へ回帰し、ホンダのミドルクラスSUVが2年ぶりに復活し登場します。

「CR-V」は広い室内をもつSUVとして、初代より高い人気を集めていましたが、海外での需要に合わせ、モデルチェンジを重ねる度に大型化したため、4代目のモデルを最後に、2016年で国内販売を取り止めていました。

しかし、SUVは一時のブームを過ぎたとは言え、人気は底堅いものがあり、ホンダが国内で販売するコンパクトサイズの「ヴェゼル」のみでは、ラインナップが手薄な状態でした。

そこで、「ヴェゼル」のステップアップと、SUVのラインナップを充実させるため、「CR-V」を国内に投入し、ミドルクラスSUVを求める層の需要に対応させようとしています。

5代目の新型「CR-V」は国内では初登場ですが、北米向けには2016年から販売が開始され、その後中国、東南アジア、南米、ロシアなどに拡大されています。

プラットフォームは2017年より国内でも販売が開始された、10代目「シビック」と共通のものが使用され、フロントはマクファーソン式ストラット、リアにはマルチリンク式サスペンションを採用しています。

また、パワーユニットはハイブリッドシステムと、VTEC 搭載の1.5Lガソリンターボエンジンの2つが用意され、ハイブリットシステムは初めての採用です。

また、このハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」は、4WDとの組み合あわせも実現させ、これも初めてとなる設定です。

「SPORT HYBRID i-MMD」は2.0Lエンジンと2モーターを使用する、シリーズ方式のハイブリッドシステムで、モーターによる駆動がメインですが、高速域では有利となるエンジンを使い走行を行います。

すでに「オデッセイ」「アコード」「ステップワゴン」には搭載され、使用されていますが、「CR-V」も基本的には同じシステムで、重量が重い車両でも優れた燃費性能と走行性能をもつのが特長です。

「CR-V」のグレードはEXと、EX・Masterpieceの2タイプが用意され、標準仕様のEX、豪華装備のEX・Masterpieceとなる構成です。また、ターボエンジン搭載車にはそれぞれのグレードに、5人乗りと7人乗りが設定されます。

今回試乗したのは1.5LターボエンジンのEX・Masterpiece7人乗り(FF)です。

「CR-V」のスペック

ハイブリッド1.5Lターボエンジン
全長(m)4,605
全幅(m)1,855
全高(m)1,680(4WDは1,690)
ホイールベース(m)2,660
最低地上高(m)FF0.1900.200
4WD0.2000.210
車両重量(kg)FFEX1,6101,520(5人乗り)1,590(7人乗り)
EX・Masterpiece1,6601,560(5人乗り)1,630(7人乗り)
4WDEX1,6501,570(5人乗り)1,640(7人乗り)
EX・Masterpiece1,7001,610(5人乗り)1,680(7人乗り)
エンジン最高出力(PS/rpm)145/6,200190/5,600
最大トルク(kgf・m/rpm)17.8/4,00024.5/2,000~5,000
モーター最高出力(PS/rpm)184/5,000~6,000
最大トルク(kgf・m/rpm)32.1/0~2,000
燃料消費率(WLTC)km/LFF21.2
4WD20.2
燃料消費率(JC08)km/LFFEX25.815.8(5人乗り)15.4(7人乗り)
EX・Masterpiece15.4
4WDEX25.015.0
EX・Masterpiece15.0(5人乗り)14.6(7人乗り)
最小回転半径(m)5.5
ブレーキベンチレーテッドディスク
ソリッドディスク
サスペンションマクファーソン式ストラット
マルチリンク式

先代モデルと比べると全長+70mm、全幅+35mm、ホイールベースは+40mm大きくされ、全高はFFモデルで5mm低く、4WDでは5mm高くなっています。

また、最低地上高は20~40cmアップさせています。

ホンダのアイデンティティ溢れるエクステリア

大きく張り出したフェンダーに、ボンネットフードの大きく盛ったキャラクターラインで、SUVらしい力強さを感じさせるデザインです。顔つきはホンダの車らしい造形で仕上げられ、バンパーの細かなラインが個性を主張します。

フロントのランプは全てLEDが使われフルLED化されています。ヘッドランプは面全体が発光し、ポジションランプはグラデーションを使い光量に変化をつけています。

フロントのグリル内には、温度に応じで自動開閉するシャッターが取付けられ、空力と燃費の向上を図っています。

サイドにはキャラクターラインと呼べるものがなく、曲面を使った面構成で張りのあるボディを作り上げています。

EX・Masterpieceにはルーフレールが標準で装備されます。

縦長のリアコンビネーションランプが、「CR-V」らしさを残しますが、トレンドの横に長いランプが追加され、ブーメラン型のリアコンビネーションランプとなっています。

エキゾーストマフラーはデュアルタイプとされ、テールゲートはハンズフリーのパワーゲートが装備されます。

リアフェンダーからテールゲートにかけて、独特の凹みを作るデザインは、リアに多数のラインが走り、やや複雑で鬱陶しく感じるデザインです。

L15B型ターボエンジンは、2.4Lノーマルアスピレーションエンジンに相当するトルクと、高回転までスムーズに伸びるパワーが与えられています。

タイヤは235/60R18サイズで、ダンロップSPスポーツマックス050が装着されています。

手堅くオーソドックスに仕上げられたインテリア

オーソドックスに仕上げられたインパネに、操作系は基本に忠実に配置され、保守的な印象を与えるデザインです。

デジタル式のメーターは表示が大きく視認性に優れています。ターボエンジンモデルにはパドルシフトが装備されます。

インナードアハンドルの前には、2名分のドライビングポジションを記憶させる、メモリースイッチがあります。

幅が広いセンターコンソールの収納は、中間のトレイをスライドさせ3通りの使い方が可能です。

木目調のパネルをインパネ、センターコンソール、ドアガーニッシュに配置し質感を高めます。

サードシートはエマージェンシー用と割り切る使い方が必要

EX・Masterpieceの本革シートはパワーアシストされ、運転席にはランバーサポートも装備されます。

セカンドシートの膝周りは十分な広さがありますが、サードシートの足元スペースを作ると余裕がなくなります。また、ヘッドスペースには余裕がなく、ルーフと頭が近いポジションです。

サードシートは緊急用に使える程度の広さで、大人が長時間乗れるようなスペースは確保されていません。さらにフロアが高い位置のため、乗り込み難く使い勝手は良くありません。

サードシートまで使用した状態でのラゲッジスペースは、容量も少なく積めるものは限られてしまいます。

ラゲッジフロアの下には小さな収納ボックスがあります。

インテリアは木目調パネルのカラーが残念な仕上がり

プレミアムクリスタルレッド・メタリックに塗られた「CR-V」と対面します。

海外での要望を取り込み大型化したボディは、18インチの大径タイヤと相まって、周囲に存在感を示すスタイルです。フロントは一連のホンダ車と共通する顔つきで、ホンダのアイデンティティを強く感じさせます。

サイドから見るとウィンドウを囲むメッキモールが、空力を意識した現代的な「CR-V」に、クラシカルな印象も与えています。

ドアを開けやや高いシートに乗り込むと、乗員を包み込むように空間が作られ、セダンに近い印象を与える室内です。

インパネ、センターコンソール、ドアガーニッシュに使われる、木目調パネルはカラーの色合いが薄く、安っぽい印象を与え少々残念な仕上がりです。また、ナビ画面の液晶パネルは拡大する傾向にある中で、「CR-V」は小さくインパネが古いデザインに見えてしまいます。

EX・Masterpieceに標準で装備される本革シートは、立体的に作られているため小さく感じられますが、サポート性に優れ触感も上質な仕上げです。

「CR-V」でも不満のない走りを提供する1.5Lターボエンジン

セレクトレバーをDドライブに入れ走り出すと、「シビック」にも積まれる1.5Lターボエンジンは、スムーズに加速を始めます。「CR-V」は「シビックハッチバック」より、車両重量が310kg重い1,660kgですが走りに不満はありません。

トルクにものを言わせ、グイグイと加速するフィーリングとは違うのですが、スマートにスピードが増して行き、簡単に制限速度に達してしまうパワーがあります。

「シビック」のL15Bとは違う印象ですが、「CR-V」専用に開発されたターボチャージャーが、良いマッチングをみせています。

ステアリングはややスローで初期の反応が遅く、ワンテンポ遅れてフロントが向きを変える感覚です。車両の性格と大きさを考えると妥当と思われますが、これまでのクイックな味付けのホンダ車からするとマイルドになり、トヨタの車に似た印象をもつ操舵感です。

このスローなステアリングに合わせるように、足回りも初期のロールが速く沈み込みが大きく感じられます。実際には初期の沈み込みが大きいだけで、それ以降のロールは緩やかにされているのですが、最初に感じる部分が大きく残る印象になってしまいます。

しかし、乗り心地ではこのソフトな足回りが貢献し、上級のセダンから乗り換えても、違和感のない上質な揺れを提供しています。大径タイヤの路面の影響を受け難い特性を上手く引き出し、振動がダイレクトに伝わるのを防いでいます。

車内のノイズを打ち消すアクティブノイズコントロールを備えた室内は、遮音ガラスなどの効果もあり、高い静粛性を実現させていますが、路面が荒れた状態ではロードノイズの侵入が感じられます。

2年ぶりに国内に回帰した「CR-V」は、手堅くオーソドックスに仕上げられた、エクステリアとインテリアですが、乗り心地や室内の静粛性は高められ、上質なSUVとしての資質をもっています。

今回試乗したEX・Masterpiece(1.5Lターボ FF 7人乗り)のメーカー希望小売価は、3,814,560円です。

「CR-V」のおすすめグレードを考えたのはこちらの記事です。

ホンダ「CR-V」おすすめのグレードを考えてみる | tatumiの車探訪記
2年ぶりに国内へ回帰したホンダ新型「CR-V」のおすすめグレードを考えてみます。初代の「CR-V」は5ナンバーサイズを僅かに超える、1,750mmの全幅で登場しましたが、回帰した5代目「CR-V」は1,855mmも全幅があり、堂々としたミドルクラスのSUVに成長しています。
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