ホンダ「N-VAN」試乗してみた

ホンダより新しい軽商用車バン「N-VAN」が登場しました。

「N-VAV」はこれまでの軽商用車「アクティバン」に変わる車の位置付けですが、その名が示すようにプラットフォームは、2代目「N-BOX」のものを使用しています。

軽商用車に「N-BOX」のプラットフォームが採用された理由は、荷物を積むことを優先した車から、作業のし易さや安全性も重視した、人に優しい軽バンを造りたいとのコンセプトから生まれています。

「アクティバン」を含む多くの軽商用車は、シートの下にエンジンを置き、後輪を駆動するMR方式とすることで、広く大きいフラットな荷室を実現させていますが、この方式ではフロアが高くなり、積載性は悪くなってしまいます。

しかし、前輪駆動のFF方式とすることで、低床フロアが可能となることから、「N-VAN」では「N-BOX」のプラットフォームを、使用することが決定されます。その他の積載性を改善する機構として、助手席側のスライドドアをピラーレス構造とし、大きな開口部を実現させています。

また、安全を高める機能では、予防安全運転支援システム Honda SENSING を全車標準装備としています。

「N-VAN」の構成はベーシックで商用目的に特化した “G” “L” 、プライベートユースにも対応した「N-VAN+STYLE FUN」「N-VAN+STYLE COOL」の4タイプ構成です。

“G” “L” は「アクティバン」に変わるものですが、「N-VAN+STYLE FUN」「N-VAN+STYLE COOL」は「バモス」に変わる車です。

“G” と “L” の違いはベースグレード “G” と、装備が充実したスタンダード “L” となり、2WD/4WD、CVT/6MTの選択が可能ですが、ターボモデルは準備されていません。

「FUN」「COOL」はNAエンジンか、ターボエンジンの選択が可能で、駆動方式とトランスミッションは、2WD/4WD、CVT/6MTを選ぶことができますが、ターボモデルはCVTのみとなります。

今回試乗したのは「COOL」のNAエンジン仕様車で、ボディカラーはプレミアムベルベットパールに塗られています。

ボディパネルを直立させスペース効率を追求した「N-VAN」

「COOL」のフロントグリルはクロームメッキガーニッシュが使われ、ハロゲンヘッドランプが装着されます。フロントバンパーのLEDフォグランプが、表情にアクセントをつけています。

フロントバンパーの下には、リップスポイラーがあり空力にも配慮がされています。

「COOL」の全長は3,395mmで「N-BOX」と同じ長さですが、全高は1,850mmと60mm高くなり積載容量をアップさせています。

テールゲートスポーラーが装備されるリアは、コンピネーションランプの幅が細く、高さが強調されるデザインです。

リアバンパーを外すと床下に格納されたスペアタイヤが現れ、荷物を下ろすことなくタイヤ交換を可能としています。

スペース効率を追求するため、テールゲートとボディパネルを直立させ、ボディの角を張り出させたスクエアなスタイルです。

搭載されるS07B型エンジンは、最高出力53PS/6,000rpm、最大トルク6.5kgf・m/4,800rpmのスペックです。燃費はJC08モード23.8km/L(CVT)の性能です。

タイヤは145/80R12サイズで、バン、貨物用省燃費タイヤ、ヨコハマ JOB RY52が装着されています。

ピラーレスのスライドドアで使い易さを追求

インパネはシンプルで機能性を重視し、水平基調で直線が多用されたデザインです。

メーターパネルは左にタコメーター、中央にスピードメーターの配置で、スピードメーターは真下が0指針のタイプです。

運転席と助手席の間の足元には、荷物のズレを防止するパーテーションが設置され、助手席足元に置いた荷物が、運転席側に干渉するのを防ぎます。

助手席のドアはヘッドレストが収納される仕様です。

リアシートとフロントシートはかなり接近しています。

助手席側のスライドドアをピラーレスとした軽商用車バンは、「N-VAN」シリーズが初めてです。これによりサイドからの積載性を、大きく向上させています。

助手席をフラット仕様とすることで、最大2,560mmの長尺物を積み込むことが可能です。最大積載量は350kgと、軽トラと同じ重量を積むことができ、宅配便の100サイズ段ボール71個か、ビールケース40個を積むことができます(ハイルーフ仕様車)。

リアシートのヘッドレスト(ピロー)は、運転席側ラゲッジパネルに固定されています。

「COOL」には26個のユーティリティーナットが用意され、キャップを外すとM6サイズのネジ穴があります。このボルト穴を利用して、パイプや棚、金具を取付け、自由にラゲッジスペースをアレンジすることができます。

硬めだか不快ではない「N-VAN」の乗り心地

「COOL」に対面します。全高が高くなったスタイルは、存在感が増し大きさを感じます。外観はフロントやリアのガーニッシュデザインから、ダイハツの「タント」にも似た印象があります。

また、スペース効率追求のため、テールゲートやボディパネルを直立させたことから、ムダのない使う車の雰囲気も強くなり、リアスタイルではこれが顕著に感じられます。

乗り込んだ「COOL」のシートは高く配置され、ベースとなった「N-BOX」とは随分と違います。ステアリングやATシフトレバーの操作に問題はありませんが、トラックに乗っているような雰囲気です。

このシートを高くした一つの要因として、「N-VAN」はFF駆動の荷室の狭さを補うため、フロントシートを前方に配置し、荷室スペースを作り出しています。前後方向に余裕が少なくなった部分を、縦方向に伸ばすことで解消しているのです。

そのため、シートに座わるとフロントがない、キャブオーバーの車に乗っているような感覚です。

メーターは左に小さなタコメーター、中央に大きめのスピードメーターの配置で、0指針の場所がそれぞれ違うのですが、ドライビングポジションが高めのため、視認性に不満はありません。

走り出すとボディ重量が960kg(CVT)と、「COOL」は「N-BOX」より70kg重いのですが、軽快な発進加速をみせます。荷物を積載していないのですが、駆動するCVTは間延びしたような加速がなく、「N-BOX」と遜色ありません。

背が高くなりピラーレス構造のボディは、剛性対策も十分に行われ、走行中にワナワナと揺さぶられることもなく、カチッとした印象です。また、ドライビングポジションが高いので、ロールは大きめに感じられますが、12インチタイヤを履いているとは思えないほど、走行安定性が高く落ち着いた走りです。

足回りは積載時の安定性を考慮し硬くしているため、積載物がない状態では道路の段差の乗り越えや、凸凹には敏感に反応し振動が伝わります。しかし、フラットな路面では締まった乗り味で、不快に感じるものではありません。

リアフロアとサイドシルに加えて、リアサスペンションが「N-VAN」専用設計とされ、前後ともに高性能ダンパーを装着していることが、効果を出している印象です。

リアシートは4ナンバーで荷室を大きくとる必要があることから、フロントシートよりに配置されたため、足周りのスペースに余裕がありません。短時間ならなんとか乗れる程度なので、2+2の緊急用シートとして、割り切った使い方が必要です。

軽バン初のピラーレス構造とした荷室は、全てのドアを開けると、想像以上の解放感があります。助手席のドアも90度に開くため、スライドアの大きな開口部は、積載性が飛躍的に高まる印象です。

また、FF方式の荷室の短さを補うため、助手席までフラットなフロアとし、長い荷物を積むことを可能にした構造は、「アクティバン」を5個上回る、40個のビールケースを積むことができます(ハイルーフ仕様車)。

「N-VAN」はFF駆動軽商用車の弱点を、さまざまなアイデイアと工夫で克服しようとした、ホンダの本気度が伝わる仕上がりです。やや、運転席以外は疎外されていますが、荷室空間を自由に使い込み、自分好みに作り上げる楽しさがあります。

今回試乗した「N-VAN+STYLE COOL」のメーカー希望小売価格は、1,560,600円(2WD)です。

「N-VAN」の見積り交渉を行ったのはこちらの記事です。

ホンダ「N-VAN」見積り交渉してみた | tatumiの車探訪記
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「N-VAN」の趣味と仕事仕様の価格を「ウェイク」「ハイゼットカーゴ」と比べてみました。

「N-VAN」で提案する趣味と仕事での使い方 | tatumiの車探訪記
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