マクラーレンホンダは今年もダメなのか!

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2017年F1プレシーズンテスト、マクラーレンホンダトラブル続出

2017年F1プレシーズンテストが、スペイン・バルセロナのカタルニアサーキットで始まり、マクラーレンホンダチームは、トラブル続出で苦しんでおり、今シーズンの戦い方に不安を抱かせるスタートとなっています。

第4期F1参戦3年目のシーズンを迎えるにあたり、今年は期待を抱かせる走りをするのではないかと思われていただけに、ファンの落胆は大きく「今年もダメなのかと」ため息をつかせています。

テスト1日目に発覚したトラブルは、走行中のGによりエンジンオイルが偏り、吸い出せなくなる症状が発生し、わずか1週で走行を断念、現場で応急的な対策を施したパワーユニットへ、6時間をかけて交換したため周回数は29周に留まった。

テスト2日目では気筒が停止するというICE(内燃機関)のトラブルに見舞われ、走行できた周回数は37週だった。

テスト3日目と4日目は、大きなトラブルの発生は無く3日目72周、4日目はシュミレートされたウェットコンディションで67周を走行したが、ラップタイムにみるものは無く、初期的なテストでデータの収集に終始する。

テスト5日目、電装系のトラブルが発生しエンジンを換装した後、80周を走行することが出来たが、ラップタイムで見るべきものはない。

テスト6日目、テスト1日目と2日目に起きたトラブルに対処した、メルボルンに投入予定のスペック2エンジンがようやく到着したが、またしても電装系のトラブルが発生し、この日は46周しか周回が重ねられず終了してしまう。

テスト7日目、電装系のトラブルが解決されず48周で終了。タイムは出すことが出来ない。

テスト8日目、最終日多くの電装系部品を取り替えるもトラブルは解決に至らず、原因を特定出来ないまま43周でテストを終了。

ホンダの長谷川F1プロジェクト総責任者は、テスト終了後エンジンの組み立て作業の確認のため、急遽日本のホンダ研究所に戻ることになる。

ホンダエンジンに批判が集中しているが、果たしてそれが全てなのか

このプレシーズンテストの表面だけを切り取れば、エンジンにトラブル続出で全く走れずに終わってしまった感があるのですが、ほんとうにホンダエンジンだけに問題があったのでしょうか。

テスト1日目のエンジンオイル偏は、確かに新型エンジン設計の不備によるものと思われますが、致命的な問題では無く、対策をするのにエンジンを乗せ換える必要がある箇所であったために、時間がかかりテストが出来なくなってしまった。

走れないことにより、エンジントラブルによるテスト不能と悪い印象を大いに与えてしまう。

ベンチテストでは、Gが掛かる状態が再現出来ないために、攻めたエンジンと言われる2017年仕様では問題が発生してしまった。

新型エンジンでは、良く起こるトラブルと言われており、対策はバッフルプレート(仕切り版)を取り付けることで完了し、その後はこのトラブルは発生していない。

テスト2日目は、ICE(内燃機関)で幾つかの気筒が停止し、エンジンパワーが無くなるトラブルが発生する。

ピットに戻ったマシンのエンジンは動いており、エンジンブローでは無かった。

その後換装されたエンジンは、順調に周回を重ねたことから、気筒を停止したエンジン個体特有の問題で、部品精度か組み立て精度が悪かったと思われる。

深刻なのはその後に起こっている電装系のトラブルだ。

現在のF1マシンは、回生システムを利用しているため高圧電流が流れており、車体からプラスとマイナスの電流は完全に絶縁されています。

この絶縁状態が保たれていないと、ショートが起こり電装系トラブルが発生し走行不能になってしまう。

5、6日目はエンジン関係の電装系も、トラブルの一因に含まれていたようですが、残りの7、8日目のトラブルは、車体側に問題が起こっており、そのために走行不能に陥った。

しかしマクラーレン側では、そのことを認めはしつつも正式な発表は行わず、ホンダ側も車体の電装系に問題があり走行出来なかったとは、正式にリリースしていません。

これは、ホンダのF1プロジェクトに対する姿勢なのか、チームマネジメントに対する配慮なのかは分かりませんが、マクラーレンに問題があると分かっていても、一切の批判やそれを指摘するコメントは、今までホンダ側からは発せられていません。

車体側で起こっている電装系のトラブルは、マクラーレンメカニックのマシン組み上げ時の単なるミスなのか、設計に起因するトラブルなのかは特定されていませんが、シャーシ設計段階での根本的な問題となれば簡単には改善されない部分です。

マクラーレンホンダの2017年プレシーズンテストは、全てホンダエンジンのトラブルにより不振に終わったと思わされていますが、実はマクラーレンのシャーシもトラブルを抱えており、テスト走行に悪影響を与えているのです。

テスト初日の、小さなエンジントラブルを解決するために、長い時間が使われたことで、ホンダエンジンが全て悪いと言う流れが、作り上げられてしまいました。

明るい材料は少ないが、諦めるにはまだ早いシーズンはこれからだ

プレシーズンテストで、周回数が重ねられなかったために、シーズン序盤はテストを兼ねたレースになると思われますので、多くを期待するのは無理でしょう。

ホンダエンジンは、シーズンオフのベンチテストでも目標のパワーに到達しなかったことは、長谷川総責任者も認めています。

トップレベルのチームにパワーで遅れをとっていることは事実でしょう。

本格的なタイムアタックが出来なかったとは言え、ラップタイムがトップからかけ離れていることは大きな懸念材料です。

オフシーズンで出来なかったことを、シーズン中に成し遂げるには、かなりの努力が必要ですが、今年度はトークンフリーでエンジンの開発が進められますので、ここから巻き返すことも不可能ではないでしょう。

もちろん、今シーズン途中で一気にトップに立つなどは、余程のことがない限りあり得ない、いやほぼあり得ないことではありますが、開発のスピードと内容によっては速さの片鱗をみせることは可能でしょう。

マクラーレンはBMWと水面下で交渉中か?

トラブル続出だったプレシーズンテストで気になるのは、ドライバーの「アロンソ」までもが、ホンダ批判を公然と始めたことです。

「アロンソ」は以前も、「ホンダエンジンのパワーはGP2エンジン並みだ」と酷評したと伝えられましたが、「アロンソ」はそのことを即座に否定しましたが、今回は様子が違うようです。

「アロンソ」は、車体には何の問題も無く運転し易いと発言していますが、関係者によればMCL32の車体は、カタルニアサーキットの特定のコーナーではバランスが悪く、常にアクセルを戻し入って行き、全開で抜けられないとても扱い辛いマシンに見えるとの評価です。

そのような、フルパワーを掛けられない車体の状態には一切触れずに、エンジンだけが悪いと「アロンソ」はコメントを繰り返しています。

マクラーレンのホンダに対する批判は、問題が起こる度に繰り返されて来たことなのですが、「アロンソ」までにも圧力を掛けて、ホンダ批判を展開し始めたことに、何らかの政治的な意味があるのでしょう。

実はマクラーレンは、BMWエンジン供給に向けての交渉中だと報道されています。

マクラーレン側はこの報道を否定し、ホンダとのパートナーシップは今後とも続けると表明していますが、真意の程は分かりません。

F1の世界では何が起こっても不思議ではありませんし、正式に発表されるまではその交渉事は全て否定されます。

マクラーレンは、プレシーズンテストのトラブルを受けて、BMWとの交渉を加速させようとしているのかも知れません。

マクラーレンとホンダは、10年間のパートナーシップの契約が結ばれていますが、これをマクラーレン側が有利な条件で解除しようとするなら、マクラーレンのシャーシやチームマネジメントの問題は棚上げにし、不振の原因は全てをホンダエンジンの責任とするプロモーションを行う必要がある訳です。

仮に、今期限りでマクラーレンはホンダと決別し、来期よりBMWエンジンを搭載する運びとなっても、マクラーレンがチャンピオンになれる確率は非常に少ないでしょう。

マクラーレンがホンダエンジンを搭載する前は、現在最強と言われるメルセデスエンジンを搭載していましたが、それでも成績は振るいませんでした。

振るわない成績をなんとかしようと、ホンダエンジンを選んだのですが、シャーシ性能でメルセデスに対抗出来ず、エンジン性能でなんとか活路を見出そうとするコンストラクターズに、将来があるとも思えません。

また、仮にホンダはマクラーレンと決別したとしても、現在のマクラーレンの状態から考えれば、それは将来に向けて希望が持てる展開になるのかも知れません。

ただ、現在置かれているホンダエンジンの状況は、パワーも信頼性も無いとのレッテルが貼られてしまっているので、有力なチームがホンダエンジンを欲しがるかと言う問題は残ります。

今後ホンダがF1に残り、マクラーレン以外のチームにエンジンを供給するとなれば、その時は真にエンジン性能を問われることになると思われますが、ホンダの名に恥じないパフォーマンスを発揮して、周りの雑音を排除する活躍を期待したいものです。

近年、F1シーズンにおいてホンダエンジンの開発進化は、期待を超えるスピードでは無く、もどかしさを覚える場面も多々あります。

次回はその原因がどの辺りに潜んでいるのか考察してみたいと思います。

ホンダエンジンの進化が遅い原因を考えたのはこちらの記事です。

なぜ、ホンダエンジンの進化は遅いのか!
ホンダF1エンジンがマクラーレンホンダ全ての不振の原因とメディアでは扱われています。しかしそれが真実の全てではありません。確かにホンダエンジンのパフォーマンスは期待以上の活躍をみせていないのも事実です。F1挑戦第4期の3年目を迎えるホンダのエンジン開発は、なぜ進捗の度合いが遅いのでしょうか。
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