ダイハツ「ム-ヴ」スズキ「ワゴンR」比較してみた(2017/8)

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看板車種で永遠のライバル、ダイハツ「ムーヴ」スズキ「ワゴンR」

軽ハイトワゴンの永遠のライバル、ダイハツ「ムーヴ」とスズキ「ワゴンR」を比較してみます。

「ムーヴ」の現行型6代目は、2014年に登場し2017年8月にマイナーチェンジを実施しています。

マイナーチェンジで大きく変わったのは、フロントデザインと安全運転支援システム、スマートアシストⅢの搭載です。

スマートアシストⅢは、それまでのスマートアシストⅡよりも、性能を向上させており、軽自動車トップレベルの機能を備えています。

対する軽ハイトワゴンのパイオニア、スズキ「ワゴンR」も現行モデルは6代目となるモデルです。

登場は2017年2月で、「Sエネチャージ」を発展させたシステムは、軽自動車初の「マイルド ハイブリッド」となり進化を遂げています。

プラットフォームは、スズキの新型車が続々と採用している「HERTECT」を採用し、軽量化と剛性を向上させ、基本性能のレベルアップを図っています。

今回比較したグレードは、「ムーヴ」が “X SA Ⅲ”「ワゴンR」は “HYBRID FZ” です。

「ムーヴ」は “X SA Ⅲ”の上にターボモデルの “ターボ X SA Ⅲ” と下位には “L SA Ⅲ” が存在するので、中間のグレードとなりますが、「ワゴンR」の “HYBRID FZ” は最上位のグレードとなっています。

 高さのある「ワゴンR」は大きく感じられる

ムーヴワゴンR
全長(mm)3,3953,395
全幅(mm)1,4751,475
全高(mm)1,6301,650
ホイールベース(mm)2,4552,460
トレッド前(mm)1,3051,295
後(mm)1,2951,300

両車種とも6代目となった「ムーヴ」と「ワゴンR」の、サイズを確認しておきます。

全長、全幅同じとなっていますが、全高は20mm、ホイールベースは5mm「ワゴンR」が高く長くなっています。

トレッドでは前が10mm「ムーヴ」が広く、後は5mm「ワゴンR」が広くなっています。

「ムーヴ」は大きめのヘッドランプと、フロントメッキガーニッシュには横に長くスリットを入れ、シンプルで大人しく感じるフロントデザインです。

「ワゴンR」は2段になったヘッドランプと、細かなデザインのガーニッシュで、個性的ですが煩雑に感じさせる顔付きです。

「ワゴンR」のバンパーは両サイドのロア部分が延ばされてエアロ仕様となっています。

全高が高い「ワゴンR」は、リアドアをミニバン風なデザインとしていることもあって、「ムーヴ」よりも大きな車に感じられます。

大きめのテールゲートスポイラーを装着する「ワゴンR」に比べると、「ムーヴ」は小型で存在感を主張しない大きさです。

「ムーヴ」のリアスタイルは、キャラクターラインが多くやや鬱陶しく感じられますが、「ワゴンR」はスッキリとした仕上げにしています。

「ムーヴ」はスクウェアで、スペース効率に優れる形をしていますが、「ワゴンR」は途中からルーフに向かって、絞り込んだ形にしています。

リアコンビネーションランプを「ムーヴ」は縦に、「ワゴンR」は横に配置しています。

斜め後方の視界は、リアクォーターウィンドに細いピラーで仕上げた、「ワゴンR」が良く「ムーヴ」はそれと比較すると、見え難くなっています。

「ムーヴ」はテールゲートを直角に近い角度で平面的に仕上げていますが、「ワゴンR」は緩やかな丸みを持たせた処理にしています。

エンジン特性は「ワゴンR」が扱い易く燃費も「ムーヴ」を上回る

ムーヴワゴンR
エンジン内径×行程(mm)63.0×70.464.0×68.2
圧縮比11.311.5
最高出力(PS)/rpm52/6,80052/6,500
最大トルク(kg・m)/rpm6.1/5,2006.1/4,000
モーター最高出力(PS)/rpm3.1/1,000
最大トルク(kg・m)/rpm5.1/100
車両重量(kg)820790
燃料消費率(km/L)31.033.4

エンジンの最高出力、最大トルクとも「ムーヴ」「ワゴンR」同じ数値となっていますが、「ワゴンR」は「ムーヴ」より、どちらも低い回転域で発生させており、扱い易い性格のエンジンと言えます。

「ムーヴ」「ワゴンR」ともに、ロングストローク型のエンジンですが、「ムーヴ」はよりロングストローク型エンジンなのに、最高出力、最大トルクを「ワゴンR」よりも高い回転域でないと発生出来ない特性です。

燃費性能はモーターのアシストがあり、車両重量の軽い「ワゴンR」が良い数値を出しています。

「ワゴンR」のボンネット開口部は狭められていますので、整備性では「ムーヴ」が優れています。

エンジンルームの音を遮音するインシュレーターが、「ワゴンR」には取り付けられていません。

タイヤサイズ、タイヤメーカーとも同じ設定の「ムーヴ」「ワゴンR」

タイヤサイズは「ムーヴ」「ワゴンR」ともに155/65R14サイズで、タイヤも同じダンロップエナセーブを履いています。

アルミホイールは「ムーヴ」が、凝った造形のデザインをしています。

「ムーヴ」は曲線で「ワゴンR」は直線のインパネデザイン

オーソドックスなステアリング前に、メータパネルを配置する「ムーヴ」に対して、「ワゴンR」はセンターメーターレイアウトを採用しています。

インパネは緩やかな曲線を多用した「ムーヴ」に対して、「ワゴンR」は水平基調で直線的にデザインされ、インパネセンターの張り出しを少なくし広さを感じさせます。

助手席前のインパネの形状も、「ワゴンR」は「ム-ヴ」よりも、機能的で使い勝手の良いデザインです。

ドアは90°の角度まで「ムーヴ」は開けますが、「ワゴンR」はそこまで開くことは出来ませんので、乗降性は「ムーヴ」が優れています。

メーターパネルの見易さはやや「ワゴンR」が「ム-ヴ」よりも良くなっています。

「ワゴンR」は、マルチインフォメーションディスプレイの表示部が大きく、赤色系を多用する「ムーヴ」よりも、鮮やかな色を使い視認性を高めています。

また、センターメーターレイアウトは、前方よりの視線移動の幅が小さくなり、空調の操作パネルも「ムーヴ」よりも高い位置に設置しているので、「ワゴンR」はドライブ中の視線移動が抑えられ、安全運転に貢献するデザインです。

リアシートの足元の余裕に室内長の差が感じられる

ムーヴワゴンR
室内長さ(mm)2,0802,450
幅(mm)1,3201,355
高さ(mm)1,2801,265

室内の長さは370mm幅は35mm「ワゴンR」が長く広く、高さは15mm「ムーブ」が高くなっています。

「ムーヴ」「ワゴンR」ともにファブリック張りのシートですが、ホールド性は「ワゴンR」が良く、触感や質感は「ムーヴ」が優れています。

リアシートの足元は室内長の長い「ワゴンR」に若干余裕が感じられます。

ラゲッジスペースは「ムーヴ」「ワゴンR」ともに大差のない容量ですが、ラゲッジフロアまでの高さは「ムーブ」が低く、「ワゴンR」はリアコンビネーションランプを、テールゲート下としたために、フロアまでが高くなってしまい重量物の積み下ろしには不利です。

ラゲッジフロア下の収納スペースは、「ワゴンR」が少し大きく使い易い形をしているのですが、発泡スチロールそのままで安っぽく、同じような素材で作られている「ムーヴ」は、その素材感を払拭しており、耐久性にはかなりの差がありそうです。

リアシートを倒しラゲッジスペースを拡大させると、「ワゴンR」はフルフラットに近いフロアになりますが、「ムーヴ」はリアシート部分が高くなり、フルフラットにはならないので、使い勝手では劣ります。

走行性能は設計の新しい「ワゴンR」が優しい走りを見せる

「ムーヴ」「ワゴンR」に実際に乗り込んでみると、「ワゴンR」はAピラーの形状と位置が巧みに計算されていて、斜め前方への視界が「ムーヴ」より優れています。

インパネのデザインはやや過去のものとなりつつある、曲線を用いたデザインの「ムーヴ」に対して、「ワゴンR」はトレンドと言える水平基調の、スッキリ感のあるデザインでまとめ上げています。

しかしインパネの質感は「ムーヴ」が良く、「ワゴンR」はプラスチッキーな感じがそのまま伝わって来ます。

ドライブしてみると硬さをみせる足回りの「ムーヴ」に対して、「ワゴンR」はしなやかに感じられる動きを見せます。

「ムーヴ」は手堅い車作りのダイハツらしく、足回りを硬めにセットし安定性を確保していますが、「ワゴンR」は新型のプラットフォームにより、足回りを柔らかくセットしても、安定性を失わないように進化しています。

「ムーヴ」のプラットフォームは3年前に開発され、当時としては進んだものでしたが、最新のプラットフォームを採用する「ワゴンR」と比べると、古さが目立ち始め技術進歩の速さを感じます。

発進加速では軽量ボディで、モーターのアシストもある「ワゴンR」が、軽快でスムーズな出足を見せます。

これはCVTの性能も関係していると思われますが、「ワゴンR」はスムーズで静かに変速(CVTなので本当は変速では無い)して行きますが、「ムーヴ」はやや粗く大雑把に感じさせるCVTのフィーリングです。

スピードに乗ってしまえば、「ムーヴ」と「ワゴンR」にそれほどの差はありませんが、エンジン特性と重いボディの「ムーヴ」は、始めの出足が鈍く「D assist」をついつい操作してしまいます。

室内の静粛性でも設計が新しい「ワゴンR」は、アイドリングストップ後の再始動の静かさも加わり、エンジンフードにはインシュレーターも無いのですが、静かさを感じさせます。

エンジンを高回転域に入れるような走りをすると、「ムーヴ」も「ワゴンR」もそれ程変わらない賑やかさですが、常用域での使用では差が感じられます。

設計思想の新しい「ワゴンR」は、実用車としては「ムーヴ」を凌いでいると言えますが、好き嫌いがハッキリしそうな、エクステリアデザインが賛否を分けそうです。

「ムーヴ」は、少々古さを感じさせるようになって来ていますが、質感の高さや造りの良さは「ワゴンR」を超えているので、その辺りを重視するユーザーにはアピール出来そうです。

安全運転支援システムの性能はほぼ互角

ムーヴワゴンR
安全運転支援システムスマートアシストⅢデュアルセンサーブレーキサポート
検知方法ステレオカメラ+ソナーセンサー単眼カメラ+レーザーレーダー
衝突警報機能対車両4km/h~100km/h走行時

対歩行者4km/h~50km/h走行時

対車両15km/h~100km/h走行時

対歩行者15km/h~60km/h走行時

事前ブレーキ対車両4km/h~80km/h走行時

対歩行者4km/h~50km/h走行時

無し
被害軽減ブレーキアシスト対車両30km/h~80km/h走行時

対歩行者30km/h~50km/h走行時

対車両15km/h~80km/h走行時

対歩行者15km/h~60km/h走行時

緊急ブレーキ対車両4km/h~80km/h走行時

対歩行者4km/h~50km/h走行時

対車両5km/h~100km/h走行時

対歩行者5km/h~60km/h走行時

誤発進抑制制御機能前方・後方前方のみ
車線逸脱警報機能60km/h以上60km/h~100km/h
  • 「スマートアシストⅢ」は作動した時の速度差が4~30km/hであれば衝突を回避できる場合があり、速度差が30~80km/h(歩行者は30~50km/h)であれば被害を軽減できる場合があるとしています。
  • 「デュアルセンサーブレーキサポート」は作動した時の速度が5~50km/h未満(歩行者は5~30km/h未満)であれば、衝突を回避できる場合があるとしています。

衝突警報機能:走行中にステレオカメラ(ムーヴ)単眼カメラとレーザーレーダー(ワゴンR)が前方の車両や歩行者を検知し、衝突の危険性があると判断した場合、ブザー音とメーター内の表示により警報を発します。

事前ブレーキ:衝突の危険がさらに高まったとシステムが判断した場合、自動的に弱いブレーキをかけます。

被害軽減ブレーキアシスト:事前ブレーキが作動している時にドライバーがブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキアシストが作動し、ブレーキ制動力を高めます。(ムーヴ)前方の車両や歩行者との衝突の可能性が高いと判断し、ドライバーがブレーキを強く踏むと、ブレーキアシストが作動して、ブレーキ制動力を高めます。(ワゴンR)

緊急ブレーキ:衝突が避けられないとシステムが判断した場合、自動で強いブレーキで減速。衝突の回避や被害の軽減を図ります。

「スマートアシストⅢ」「デュアルセンサーブレーキサポート」ともに、作動条件に若干の違いがあり、それぞれのシステムにも長所と短所があり、細かな部分での性能差と機能の差がありますが、概ね性能的にはほぼ同程度と言えますので、どの機能を重視するかで判断すると良いと思います。

「ムーヴ」と「ワゴンR」の価格は合わせたように近い金額に設定している

最後に価格を比較してみます。

試乗車のグレードが「ムーヴ」は中間の “X SA Ⅲ” で、「ワゴンR」は最上位の “HYBRID FZ” でしたので、「ワゴンR」は装備内容が等しい 中間グレードの “HYBRID FX” で、比較してみたいと思います。

ムーヴ X SA ⅢワゴンR HYBRID FX(セーフティパッケージ車)
メーカー希望小売価格1,274,400円1,273,320円

メーカー希望小売価格は、合わせたように拮抗しており、装備内容にもほぼ差がないので、両メーカーの看板車種、売れ筋グレードでのプライドをかけた競争の激しさを感じます。

価格に差がないのでフルモデルチェンジされ、走行性能を高めて燃費も良い「ワゴンR」は、お買い得になっていますので、実用的に使う車と考えれば先ず間違いの無い選択です。

「ワゴンR」の造りの質感や、エクステリアデザインに納得がいかないのなら「ムーヴ」です。

「ムーヴ」は実用車としては、「ワゴンR」に先んじてしまわれた感がありますが、オーソドックスなデザインは街に溶け込む優しさを持っているので、女性の支持は集められるのではと思います。

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