ホンダ「N-BOXカスタム」ダイハツ「タントカスタム」比較してみた

軽スーパーハイトワゴンの二大勢力「N-BOX」と「タント」

2011年12月より販売が開始され、「New Next Nippon Norimono」のキャッチフレーズで、快進撃を続けるホンダ「N-BOX」。

2003年11月より販売が開始され、軽スパーハイトワゴンの草分け的存在で、進化を続けるダイハツ「タント」。

軽スーパーハイトワゴンの人気を二分する両車種の、ノンターボカスタム仕様を比較してみたいと思います。

比較に選んだグレードは、「N-BOXカスタムG・Lパッケージ」と「タントカスタムXトップエディションSA-Ⅱ」です。

カタログスペックを比較してみます。(数値は共に2WD)

N-BOXカスタムG・LパッケージタントカスタムX

トップエディションSA-Ⅱ

全長(mm)3.3953.395
全幅(mm)1.4751.475
全高(mm)1.7801.750
室内長さ(mm)2.1802.200
幅(mm)1.3501.350
高さ(mm)1.4001.365

全長全幅同じとなっていますが、全高は「N-BOXカスタム」が高くなっています。

室内の長さは「タントカスタム」が長く、幅は同じで高さは「N-BOXカスタム」が高くなっています。

N-BOXカスタムG・LパッケージタントカスタムX

トップエディションSA-Ⅱ

ホイールベース(mm)2.5202.455
トレッド前(mm)1.3051.300
後(mm)1.3051.295
最低地上高(mm)150145
車両重量(kg)960(*970)940
JC08走行燃費(km/L)25.628.0
最小回転半径(m)4.54.4

*スライドシート装着車。

ホイールベースは「N-BOXカスタム」が長く、トレッドも「N-BOXカスタム」が広くなっています。

最低地上高は「タントカスタム」が低く、車両重量も「タントカスタム」が軽くなっています。

燃費は「タントカスタム」が良い数値で、最小回転半径も「タントカスタム」が小さくなっています。

N-BOXカスタム

G・Lパッケージ

タントカスタムX

トップエディションSA-Ⅱ

エンジン圧縮比11.811.3
最高出力【kw(ps)/rpm】【43(58)/7.300】【38(52)/6.800】
最大トルク【N・m(kgf・m/rpm】【65(6.6)/4.700】【60(6.1)/5.200】
タイヤ155/65R14155/65R14
スタビライザー前のみ前後

エンジンは「N-BOXカスタム」が、圧縮比が高く最高出力、最大トルクとも上回っています。

タイヤサイズは同じとなっていますが、前後にスタビライザーを装備する「タントカスタム」に対して、「N-BOXカスタム」は前のみとなっています。

「N-BOXカスタム」「タントカスタム」ともカスタム系は存在感を主張するデザイン

「N-BOXカスタム」のフロントバンパーは、エッジが効いたデザインになっています。

「タントカスタム」のフロントバンパーは、丸みを持たせた処理となっています。

「N-BOXカスタム」はフロントバンパーが、グリルより少し前に出ており、リアウィンドはルーフに向って、少し絞るラインになっています。

「N-BOXカスタム」は「タントカスタム」より、ボンネットフードが高くなっています。

「タントカスタム」のフロントバンパーは、グリルよりほんの僅か前に出ています。

リアウィンドはルーフに向かって、垂直に近いラインでスクエアなデザインです。

「N-BOXカスタム」のリアコンビネーションランプは、細めのデザインとなっていて、リアゲートはフロア側の幅が狭くなっています。

「タントカスタム」は大きめのリアウィンドガラスに、幅のあるリアコンビネーションランプです。

リアゲートはスクエアな形をしています。

視界の良さでは「タントカスタム」が勝っている

「N-BOXカスタム」のサイドビューサポートミラーは、簡単な装備ですが助手席側の死角を軽減する良いアイデアです。

「タントカスタム」は、センターメーターレイアウトを採用していますので、運転席前方の視界はスッキリとしています。

「N-BOXカスタム」はホンダNシリーズ共通の3眼メーターレイアウトです。

少し奥まった場所に、表示部分がある仕様になっていますので、慣れるまではやや見辛い印象です。

「タントカスタム」のセンターメーターは、遠方に感じますが視認性は悪くありません。

難点はドライビングポジションによっては、タコメーターがステアリングの陰に隠れて、見え辛くなってしまうことです。

アレルクリーンシートが標準装備される「N-BOXカスタムG・Lパッケージ」

「N-BOXカスタム」の運手席シートポジションは、高めに設定されていますので、乗降性ではやや劣る印象です。

シートの表皮素材はトリコットで、アレルクリーンのシートは、ダニアレルゲン98%スギ花粉アレルゲン97%を不活性化させます。

「タントカスタム」のシートポジションは、スーパーハイトワゴンとしては低く設定されていますので、乗用車的なドライビングポジションがとれます。

シート表皮の素材はファブリック+ソフトレザー調となっています。

「N-BOXカスタム」のリアシートスライド機構は、オプション装備となっています。

操作はシート下のベルトを引くようになっていますが、シートスライドの操作としてはやや不満があります。

「タントカスタム」のリアシートのスライド機能は標準装備です。

スライド操作は通常のレバー方式です。

シートはトップエディション専用シートです。

ラゲッジスペースは「N-BOXカスタム」が使い易い

「N-BOXカスタム」の、ラゲッジスペースを最も広くした状態です。

シートレールの露出はなく積載性も良好です。

シートの後ろの窪みに設置されるベルトで、シートをスライドさせることが出来るので、リアゲートからでも、ラゲッジの容量を変化させられるのは良いアイデアです。

「タントカスタム」のラゲッジスペースを最も広くした状態です。

シートレールが露出し、積載性に難点があります。

N-BOX カスタム

タント カスタム

「N-BOXカスタム」のリアシートを、ダイブダウンさせラゲッジスペースを拡大すると、フロアはフルフラットに近い状態になります。

この状態でもリアシートのスライドが可能ですので、ドライビングポジションは、通常の位置から変える必要はありません。

「タントカスタム」のリアシートを格納する場合は、運転席、助手席を前方にスライドさせる必要があります。

ドライビングポジションは、やや苦しくなり長時間の運転はキツイと思われます。フロアはフルフラットに近い状態になります。

「N-BOXカスタム」が数値的には優れているが「タントカスタム」のミラクルオープンドアも捨て難い

(タントカスタムの画像はRSトップエディションSA-Ⅱ)

スライドドアの開口部高さ、幅とも「N-BOXカスタム」が勝っています。フロアステップまでの高さも「N-BOXカスタム」が低くなっています。

「タントカスタム」は、助手席側がピラーレスのミラクルオープンドアとなり、乗降性が飛躍的に向上します。

リアゲートの開口部高さ、幅は「N-BOXカスタム」が勝っています。荷室までの高さも「N-BOXカスタム」が低くなっています。

N-BOX カスタム

N-BOX カスタム

タントカスタム

タントカスタム

(数値は全て当サイト調べ)

リアシートスライド幅は、「N-BOXカスタム」が340mm~540mm「タントカスタム」が290mm~520mmで、「タントカスタム」のスライド幅が大きくなっています。

パワー重視の「N-BOXカスタム」燃費重視の「タントカスタム」

「N-BOXカスタム」のS07A型水冷直列3気筒横置DOHC12バルブエンジン。

「タントカスタム」のKF型水冷直列3気筒12バルブDOHC横置エンジン。

「N-BOXカスタム」のタイヤサイズは、155/65R14です。タイヤはヨコハマブルーアースが装着されています。

「タントカスタム」のタイヤサイズは、155/65R14です。タイヤはブリジストンエコピアを装着しています。

ミニバン的な「N-BOXカスタム」乗用車的な「タントカスタム」

「N-BOXカスタム」のドライビングポジションは、いかにもスーパーハイトワゴンらしい、ミニバン的なポジションになります。

シートの位置も高めに設定されていて、お尻を持ち上げて乗り込むように体勢になります。

「タントカスタム」は、軽スーパーハイトワゴンの中ではシート位置が低く、軽ハイトワゴンから乗り換えても、違和感はさほど感じられません。

運転席からの視界は、「タントカスタム」が周りを確認し易い設計になっています。

「N-BOXカスタム」は助手席側の死角を軽減するために、サイドビューサポートミラーを装備していますが、「タントカスタム」はベルトラインが低く、直接目視できる範囲が広くなっていますので、安心感を感じることができます。

ダシュボードは空調吹き出し口や、センターパネルにシルバーのメッキ装飾を施し、助手席前やドア開閉レバー周辺に、ピアノブラック調のパネルを使う「N-BOXカスタム」が、質感の高い雰囲気を出しています。

「タントカスタム」のダッシュボードは、プラスッチクが多用されている感じが、ストレートに伝わってしまいます。

「N-BOX」のリアシートスライドは長所と短所が混在

「N-BOX」に追加された待望のリアシートスライド機能ですが、着座してスライド操作だけを行うことに絞って評価すると、「タントカスタム」のレバー式でシートスライドを行う方が使い易いと言えます。

「N-BOX」のベルトを前方に引いてスライドするやり方は、もう少し工夫が欲しかったところです。

ラゲッジスペースの積載性を含めた使い勝手は、「N-BOXカスタム」が勝っています。

「N-BOXカスタム」はリアシートを前方にスライドさせても、ラゲッジスペースにシートレールが露出しない設計になっていて、積載性に優れています。加えて荷室への積み込む高さも、低く設定されています。

さらに、リアシートをダイブダウンさせ、ラゲッジスペースを拡大させた状態でも、リアシートが、スライド可能となっている設計は高く評価できます。

「タントカスタム」はミラクルオープンドアが魅力

「タントカスタム」の長所は、ピラーを無くしたミラクルオープンドアです。

ピラーを取り去ることにより、乗降性を高めて使い勝手を飛躍的に向上させています。

このミラクルオープンドアの利点を活かすために、助手席のシートバック背面にシートスライドレバーを設けて、運転席からでも簡単に広い開口部とすることを可能にしています。

赤ちゃんを抱っこしたまま車に乗り込む、ベビーカーも同時に積み込むなどの場合に、大いに活躍する機能です。

カタログスペックが象徴する両車の走り

エンジンをスタートさせます。

「N-BOXカスタム」はステアリング左側、「タントカスタム」は右側に、スタートボタンが設置されていますが、使い勝手から言えばステアリングの右側が、よりベストな位置だと思えます。

公道に出て最初に感じる「N-BOXカスタム」と「タントカスタム」の違いは、発進加速の差です。

重い車体でも、それなりにスピードに乗ってい行く「N-BOXカスタム」に対して、「タントカスタム」は緩慢な加速感です。

「タントカスタム」も、ある程度のスピードに乗ってしまえば、モタツキを感じる場面は少なくなるのですが、発進加速や登り坂ではストレスを感じてしまいます。

この走りの原因は「タント」の燃費を良くするために、走行性能を多少犠牲にして、燃費を良くすることに傾けた、エンジン特性によるものと思われます。

「N-BOXカスタム」にはECONボタンが設置されて、力不足を感じる場合には、パワーモードとすることで対応できますが、「タントカスタム」には「ムーヴ」や「キャスト」のように、パワースイッチが装備されませんので、パワーが必要な状況でも、アクセルを踏み込むことしか出来ません。

乗り心地は「N-BOXカスタム」が一歩リード

乗り心地は舗装状態の良い道路なら、両車種に明確な差は感じられませんが、段差の乗り越えや大きな凸凹では、「タントカスタム」の乗り心地は悪くなります。

「N-BOXカスタム」では大きな入力に対しても、受け止める感じがあるのですが、「タントカスタム」では、ダイレクトに振動がゴトンとシートに伝わり、不快な乗り心地になってしまいます。

装備の充実度は「N-BOXカスタム」がやや有利

「N-BOXカスタム」と「タントカスタム」の、装備に大きく違いがみられる部分を抜き出し、メーカー希望小売価格を比べてみます。

N-BOXカスタムG・Lパッケージ(2WD)タントカスタムXトップエディションSA-Ⅱ(2WD)
リアドア/リアクォーター/テールゲートIRカット/スパーUVカットUVカット
ヘッドランプディステャージLED
ECONスイッチ標準装備設定なし
衝突回避ブレーキオプション標準装備
ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器標準装備設定なし
助手席テーブルモード設定なし標準装備
アレルクリーンシート標準装備設定なし
リアシートスライド機能オプション標準装備
リアヒーターダクト標準装備オプション
左側スライドドア電動スライド電動スライドワンタッチオープン機能付ミラクルオープンドア
エアコンオート式(アレルフリー高性能脱臭フィルター・プラズマクラスター技術搭載)オート式(スーパークリーンエアフィルター)
メーカー希望小売価格(税込)1,560,000円1,652,400円

標準装備の状態では、「N-BOXカスタム」が安い設定になっています。

「N-BOXカスタム」の衝突回避ブレーキは、前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム(前席/後席)とセットオプションになる、「あんしんパッケージ」57.140円です。

リアシートスライド機構は、運転席、助手席シートバックテーブルとセットで30.000円(価格はいずれも税別メーカー希望小売価格)となっています。

「タントカスタム」のリアヒーターダクトは、ヒーテッドドアミラーとセットオプションになる、寒冷地仕様13.000円(税別)となっています。

「N-BOXカスタム」「タントカスタム」をどう選ぶか

ストレス少なく走るなら「N-BOXカスタム」です。

活発なエンジンは、重い車体を意識させることは少なく、重量感のある走りをみせます。ECONボタンを解除して、パワーモードにすると、力不足を感じる場面はさらに少なくなります。

リアシートのスライド機能が、オプション装備となるのは残念ですが、ラゲッジスペースの積載性を含む使い勝手にも優れています。

テールゲートを利用しての荷物の積み下ろしよりも、スライドドアを利用する頻度が多いなら、ミラクルオープンドアの「タントカスタム」です。

走行性能は燃費のために多少犠牲になっていますが、ピラーレスの便利さがそれを補ってくれます。

ドライビングポジションも、スーパーハイトワゴンとしては低く設定されていて、違和感なく馴染める車に仕上がっています。

「タントカスタム」は、試乗後直ぐに車両前後の意匠変更が行われました。変更後のデザインは、こちらから確認出来ます。

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