トヨタ「RAV4」スバル「フォレスター」比較してみた

世界的にSUVの人気は高く多くの自動車メーカーが、多様な車種を開発し市場に投入していますが、そのなかで2016年、2017年と2年連続で世界販売No.1の座を獲得したトヨタ「RAV4」と、高い走破性能と動力性能でコアなファンを多くもつ、スバル「フォレスター」を比較してみます。

トヨタ「RAV4」は1994年に初代が登場し、2019年にフルモデルチェンジした現行車は5代目となるモデルです。

初代は5ナンバーサイズのコンパクトSUVでしたが、モデルチェンジを重ねるごとに大型化され、現在では堂々たるミドルサイズのSUVに成長しています。

そのため、国内での販売は3代目を最後に見送られ、海外での販売のみとされていましたが、SUV人気の高まりもあり「C-HR」と「ハリアー」の間を埋める車種として、3年振りに国内への回帰が決定されます。

新型「RAV4」は悪路での走行をイメージした、ワイルドなキャラを前面に押し出し、都会派のSUVとは違う逞しさが魅力となっています。

スバル「フォレスター」の初代は「RAV4」に遅れること3年の1997年に、クロスオーバーSUVとして登場します。

「レガシィ」と「インプレッサ」の間に位置する「フォレスター」は、そのサイズ感と価格が評価され、北米を中心に世界中で支持を集めます。

国内ではターボエンジンのパワフルさと、高い走破性をもつことから、高性能SUVとしての評価が高まり、国内外においてスバルを代表する看板車種へと成長します。

現行の「フォレスター」は2018年に登場した5代目となるモデルで、これまでの代名詞だったターボエンジン搭載車がなくなり、代わってモーターがアシストする e-BOXER をラインナップしています。

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「RAV4」「フォレスター」のスペックを比較

今回比較するグレードは「RAV4」が、ハイブリッドシステムを積む HYBRID Gで、「フォレスター」は簡易ハイブリッドの e-BOXER です。

また、オプションとして「RAV4」にはモデリスタのエアロキットが取り付けられ、「フォレスター」はシルバーステッチが入る、本革のブラウンシートが装着されます。

走破性の高さは「RAV4」を上回る「フォレスター」

RAV4 HYBRID Gフォレスター e-BOXER
全長(mm)4,6004,625
全幅(mm)1,8551,815
全高(mm)1,6851,715
ホイールベース(mm)2,6902,670
最低地上高(mm)190220
アプローチアングル18.020.2
デパチャーアングル20.525.8
最小回転半径(m)5.55.4

「RAV4」は「フォレスター」よりワイドで背が低く、全長が短いボディサイズですが、ホイールベースは長くとられています。

最低地上高、アプローチアングル、デパチャーアングルともに、「フォレスタ-」が勝り悪路での走破性に優れていて、小回り性能でも「RAV4」を上回っています。

パワーでは「RAV4」が「フォレスター」を引き離す

RAV4 HYBRID Gフォレスター e-BOXER
エンジン排気量(L)2.52.0
最高出力(PS/rpm)178/5,700145/6,000
最大トルク(kgf・m/rpm)22.5/3,600~5,20019.2/4,000
モーターフロント最高出力(PS)12013.6
最大トルク(kgf・m)20.66.6
リア最高出力(PS)54
最大トルク(kgf・m)12.3
燃料消費率km/L(WLTC)20.614.0
車両重量(kg)1,6901,640

エンジン排気量の大きい「RAV4」は、エンジンの最高出力、最大トルクともに「フォレスター」を上回り、モーターの性能でも「フォレスター」を引き離しています。

燃費は車両重量が重いにもかかわらず、フルハイブリッドの「RAV4」が、マイルドハイブリッドの「フォレスター」を上回っています。

E-Four駆動の「RAV4」常時駆動の「フォレスター」

RAV4 HYBRID Gフォレスター e-BOXER
サスペンションフロントマクファーソンストラットマクファーソンストラット
リアダブルウィッシュボーンダブルウィッシュボーン
ブレーキフロントベンチレーテッドディスクベンチレーテッドディスク
リアソリッドディスクソリッドディスク
駆動方式E-FourACT-4
トランスミッション電気式無段変速CVT
タイヤ225/60R18225/55R18

サスペンションは「RAV4」「フォレスター」ともに、フロントマクファーソン、リアダブルウィッシュボーンの組み合わせで、ブレーキもフロントベンチレーテッドディスク、リアソリッドディスクと同じ構成です。

駆動方式は「RAV4」がFFをベースとし、必要とされる場合にリアがアシストを行う E-Four 方式なのに対し、「フォレスター」は4輪を常時駆動する、ACT-4(アクティブ・トルク・スプリット)を採用しています。

室内の広さでは「フォレスター」が「RAV4」を上回る

RAV4 HYBRID Gフォレスター e-BOXER
室内長さ(mm)1,8902,100
幅(mm)1,5151,545
高さ(mm)1,2301,270

室内の寸法は全ての項目で「フォレスター」が「RAV4」を上回る数値です。

躍動感の「RAV4」重厚な「フォレスター」

「RAV4」はフロントの凹凸を深く複雑にすることで、躍動感を与えるデザインに創り上げ、メッキパーツの加飾も控えているため若々しい印象を与えます。

「フォレスター」はフロントにメッキパーツを加飾することで、オーソドックスですが重厚で落ち着きのある雰囲気を作り出します。

「RAV4」は厚く高さのあるボンネットに対して、フロントの開口部をダブルに配置し、トヨタ車のアイコンである顔にデザインされています。

「フォレスター」は水平対向エンジンの利点を活かし、ボンネットを低くデザインし、フロントはメッキパーツで加飾した、大きなフロントグリルを組み合わせます。

「RAV4」はボンネットフードを、平坦に近い形でデザインしいるのに対して、「フォレスター」は強い抑揚をつけ力強さを印象づけます。

「RAV4」はリアコンピネーションランプも含め、水平基調の直線的なラインで構成するリアスタイルです。

「フォレスター」は緩い曲線で変化をつけ、切れ込みの入ったリアコンピネーションランプが個性を主張します。

目につくのは「フォレスター」のテールゲートで、開口部を大きくとる形状は、荷物の積載性を高め使い勝手に優れるデザインです。

「RAV4」のベルトラインはリアクォーターウィンドまで、直線的に走りテールゲートウィンドに繋げています。

「フォレスター」はリアクォーターウィンドで跳ね上げ、前傾姿勢を意識させるラインの構成です。

また、「RAV4」はテールゲートガラスに緩やかな傾斜をつけ、スタイルに配慮していますが、「フォレスター」はガラスを立て実用性を重視したデザインとしています。

「RAV4」の新世代2.5Lダイナミックフォースエンジンは、ハイブリッドシステム専用として設計され、熱効率41%を達成する高効率エンジンです。

「フォレスター」は伝統の水平対向エンジンを、モーターがアシストする、マイルドハイブリッドシステムを採用しています。

性能ではエンジン排気量の大きい「RAV4」が、「フォレスター」を上回り、モーターの性能でも「RAV4」が勝っています。

「RAV4」はダンロップグラントレック225/60R18が装着され、「フォレスター」はブリヂストンデューラーHP225/55R18が履かされています。

ホイールは「RAV4」がスーパークロームメタリック塗装で、「フォレスター」はダークメタリック塗装+切削光輝の組み合わせです。

ホイールデザインは「フォレスター」が凝った形状にしています。

使い込むがテーマの「RAV4」作り込むを重視する「フォレスター」

インパネは「RAV4」「フォレスター」ともに、ソフトパッドを使いクラス相応しい質感を追求しています。

「RAV4」は水平基調のシンプルなラインでデザインされ、「フォレスター」はインパネからドアへ回り込むような形状で、乗員を包み込むように造られています。

「RAV4」はオプティトロンメーターに、マルチインフォメーションディスプレを組み合わせ、グラフィカルで近未来的な印象を与えるメーターパネルです。

「フォレスター」はアナログの2眼メーターが並び、中央にマルチインフォメーションディスプレイを配置するオーソドックスなデザインです。

「RAV4」のマニュアルモードはシーケンシャルシフトを採用し、「フォレスター」はパドルシフトを備えています。

「フォレスター」のステンレスペダルは、室内に違う雰囲気を創り出す、スポーツテイストの演出に有効なアイテムです。

「RAV4」は標準装備される合成皮革のシートで、「フォレスター」はオプションの本革仕様シートです。

「フォレスター」の本革シートは質感も高く、落ち着いた色合いのブランカラーも、エクステリアのイメージと上手くマッチしています。

リアシートは「RAV4」「フォレスター」ともに、余裕のある広さがあり、リラックスできる空間が確保されています。

サポート性は「フォレスター」がやや優れている印象でシートの厚みも感じられます。

VDA法によるゲッジスペースは「RAV4」が542L、「フォレスター」は509Lと「RAV4」に軍配が上がりますが、「フォレスター」は広い開口部と立ったテールガラスで、使い勝手と積載性に優れています。

「RAV4」を上回る「フォレスター」の視界の良さ

「RAV4」と「フォレスター」に乗り込んでみると、地上高が高い「フォレスター」はフロアの高さが感じられ、乗り込みのし易さでは「RAV4」に軍配が上がります。

特にリアシートではこの傾向が顕著で、自然な感じで乗り込める「RAV4」と、足を持ち上げるようになる「フォレスター」の差があります。

室内に乗り込むと「RAV4」「フォレスター」ともに、SUV独特の視線の高さがあり、前方への視界が大きく開けています。

「RAV4」の水平基調のインパネは高さが抑えれ、平らなボンネットは車両感覚を掴むのが容易で、車の大きさを感じさせない良さがあります。

しかし、この「RAV4」の視界の良さを「フォレスター」はさらに上回り、光が降り注ぐように明るい室内は、前方だけでなく周囲への視界が開けており、車両感覚の把握に優れるとともに、一次安全性にも大きく貢献しています。

室内の広さはカタログスペックが示すように、「フォレスター」がやや広く感じられ、肩回りのスペースに余裕があります。「RAV4」はグラスエリアを狭くし、スタイルを優先させているため、「フォレスター」に比べるやや劣る印象です。

インテリアは「RAV4」が使う(遊ぶ)を追求しており、そこには必要以上の加飾や豪華さは備えられず、たとえ泥にまみれになっても気にせず使える、シンプルなデザインの仕上げにしています。

「フォレスター」は機能の追求とともに、乗員をもてなし所有感を満足させるデザインが特徴で、質感を出すための作り込みも丁重に行われています。

性格的にはロングツアラーのイメージもあるため、それにも沿ったインテリアは、長い時間の移動を、車内でリラックスして過ごせるように考えられています。

E-Fourパワーが魅力の「RAV4」操って楽しい「フォレスター」

「RAV4」と「フォレスター」の走りでは、排気量が大きくモーターアシスト能力に勝る「RAV4」が、力強い加速で余裕のある走行をみせます。

「フォレスター」の e-BOXER はスムーズで、レスポンスの早い加速を示しますが、「RAV4」と比べるとトルクが薄く、スピードの伸びが遅く感じられます。

登り坂にさしかかると「RAV4」はモーターのアシストが強く働き、軽くアクセルを踏み込むだけで、車速を落とすことなくグイグイと登る感覚ですが、「フォレスター」はアクセルの踏み込み量が多くなり車速の維持に気を使います。

車両重量は「フォレスター」より50kg重い「RAV4」ですが、それを感じさせないパワーをもつ軽快な走りです。

ハンドリングでは「フォレスター」がクイックな反応をみせ、ダイレクトな感覚はドライブする楽しさがあります。小さな舵角にも敏感なステア特性は、やや鋭すぎる印象がありますが、この感覚に慣れると気持ちの良い操作感が味わえます。

「RAV4」はマイルドな特性のハンドリングで、扱い易さを重視した設定です。誰が乗っても馴染み易いステリング特性は、反応の早さを求めると少し物足りないのですが、多くの人に受け入れられ易い操作性です。

また、サスペンションは「フォレスター」が硬めの設定で、ロールを抑えた足回りは車の姿勢が過大に変化するのを防いでいます。このこともミドルサイズの「フォレスター」を、扱い易くさせており、スバルのセッティングの巧みさを感じます。

「RAV4」は柔らかくしなやかな足回りで、「フォレスター」に比べると優しさが伝わります。大きな凹凸でも上手く吸収するサスペンションは、60扁平のタイヤとも相性が良く、カーブでも適度なロール感は、安定したコーナリングを実現させています。

乗り心地はこの足回りの差があるため、「RAV4」がソフトな感触で「フォレスター」はハードで硬質な印象をもちます。両モデルともに不快な突き上げは少なく、上手くサスペンションで処理しており、この辺りは好みにより評価が分かれる部分です。

室内の静粛性では「RAV4」がやや有利で、エンジン音が伝わり難く、遠くで音が響いている感覚です。「フォレスター」はエンジンの低回転域では静かですが、高回転になるとエンジンの元気な音が響きます。

「RAV4」「フォレスター」装備と価格を比較

RAV4 HYBRID Gフォレスター e-BOXER
ヘッドランプBi-Beam LEDLED
フロントフォグランプハロゲンLED
リヤフォグランプオプション標準装備
フロントワイパーデアイサーオプション標準装備
フロントワイパー手動式雨滴感知オートワイパー
パワーリヤゲート標準装備オプション
ペダルノーマルパッドアルミパッド
シート合成皮革ファブリック/トリコット+合成皮革
運転席シート自動後退機能標準装備
パドルシフト標準装備
エアコン左右独立フルオート+S-FLOW左右独立フルオート
リヤシートヒーター標準装備
フロントウィンドガラスUVカット/高遮音性IRカット/UVカット
メーカー希望小売価格3,817,800円3,099,600

「RAV4」にはBi-Beam LEDやパワーリヤゲート、省エネ性に優れたエアコンなどが標準で装備され、「フォレスター」にはフロントワイパーデアイサー、リヤシートヒーターなどが標準装備です。

価格はリアモーターを備えるフルハイブリッドの「RAV4 HYBRID G」が、簡易ハイブリッドの「フォレスター e-BOXER」より718,200円高い設定です。

「RAV4」「フォレスター」の予防安全性能を比較

昼・夜

RAV4 Toyota Safety Senseフォレスター アイサイト
システム単眼カメラ+ミリ波レーダーステレオカメラ
歩行者認識昼・夜昼のみ昼・夜△
自転車認識昼のみ昼のみ
対車両衝突回避自車速度10km/h以上(速度差50km/hまで)速度差50km/h以下
対歩行者衝突回避自車速度10~80km/h(速度差40km/hまで)速度差35km/h以下
車線維持機能標準装備(レーン中央をキープ)標準装備(レーン中央をキープ)
車線逸脱抑制標準装備(50km/h以上)標準装備(60km/h以上)
レーダークルーズコントロール標準装備(全車速追随型)標準装備(0~120km/h)
ヘッドライトコントロールオートマチックハイビームアダプティブドライビングビーム
標識認識機能標準装備
パーキングサポートブレーキ(静止物)標準装備(前進後進)標準装備(後退のみ)
パーキングサポート(後退時接近車両)標準装備(警報+ブレーキ)標準装備(警報のみ)
急発進抑制標準装備(前進後進)標準装備(前進後進)
ブラインドスポットモニター標準装備標準装備

予防安全性能では「RAV4」の Toyota Safety Senseが、昼夜の歩行者認識を可能としているなど、フォレスターのアイサイト(スバルはアイサイトが夜間の歩行者を認識するとは公表していないが、自動車事故対策機構のテストでは衝突回避が行われている)よりも、システムの対応できる範囲が広く、パーキングサポートの機能でも、「フォレスター」のアイサイトを上回っています。

パワーと予防安全性能なら「RAV4」走破性と価格なら「フォレスター」

「RAV4」と「フォレスター」はミドルクラスSUVとして、無骨な逞しさを感じさせることが、スタイリングのテーマとなっています。

そのなかに「RAV4」は、スタイリッシュなエッセンスを盛り込み、躍動感のある若さを表現しています。

ミドルクラスSUVをアクティブに使い、スタイル性を求めるなら「RAV4」がおすすめで、飾らない室内も使い込む車として考えるなら、納得できるインテリアの仕上げです。

また、予防安全性能も最新の Toyota Safety Sense が装備され、幅広い状況に対応しドライバーをサポートするシステムは、多くの機能で安全性を高めています。

HYBRID G は400万円に近い価格ですが、2.0Lガソリンモデル G であれば装備もほぼ同じ内容で 3,202,200円のプライスです。

「フォレスター」はそのスタンダードなスタイルが、ムダな部分をなくした機能的な印象を与え、堅牢で落ち着いた雰囲気を作り出します。

室内も細かい部分まで作り込み質感をもつインテリアは、満足度が高く長く乗っても飽きの来ない仕上がりです。

さらに、悪路の走破性でも「フォレスター」は、高いロードクリアランスをもち、SUVとしての基本性能に優れています。

「RAV4」が「子供っぽくてイヤだな」と感じるなら、ワイルドで落ち着きのある「フォレスター」はおすすめの車です。

また、簡易ハイブリッドながら e-BOXER は、「フォレスター」のグレードのなかでも、コストパフォーマンスに優れており、価格が低く設定されています。

ただ、インパネのデザインは「インプレッサ」「XV」と基本的に同じで、「フォレスター」を感じさせる独自性がなく、同じ車のように感じてしまいます。

「スバル車のインパネはどういうものか」を、考え生み出されたデザインなのですが、上級グレードとしての違いがあると、「フォレスター」の魅力はさらに高まると思えます。

結論としてアクティブなスタイル、エンジンやモーターのパワー、予防安全性能の高さで選ぶなら「RAV4」です。

機能的なスタイル、ドライブのし易さと愉しさ、悪路の走破性、価格を重視するなら「フォレスター」です。

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