ダイハツ「コペンセロ」ホンダ「S660」比較してみた

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「コペン」と「S660」共に目指すのはスポーツの走り

オープン2シーターとして輝きを放つ、ダイハツ「コペン」とホンダ「S660」は、軽自動車規格の中で、性能を追求する良きライバルと言えます。

ダイハツ「コペン」は、現行モデルで2代目となり、初代の被せたお椀型スタイルから、伸びやかな流線形の、豊かな曲面を持つ車に変わっています。

「コペン」は、外装の樹脂パネルを交換できる、ユニークなドレスフォーメーションシステムを採用しており、「セロ」から「ローブ」へ又は、その逆が可能となっています。

「コペン」の開発コンセプトは、「ともに暮らすことが、生きる悦びのひとつに」つねに傍らに置いておける、スポーツカーの新しい形です。

ホンダ「S660」の原案は、ホンダ社内の新商品企画コンテストで、1位を獲得した椋本陵氏の案が元となっています。1996年に生産が終了した、「ビート」の後を受け継ぐ車種として捉えられています。

「S660」の開発コンセプトは、「見て楽しい、乗って楽しい、あらゆる場面でいつでもワクワクする」心が昂ぶる本格スポーツカーの追求です。

「コペン」「S660」共に、目指すのはスポーツカーなのですが、アプローチは若干違うようです。それでは、両車種の持つ魅力を考え、性能を比較してみたいと思います。

両車種のカタログスペックを比較してみます。

全長(mm)全幅(mm)全高(mm)室内
長さ(mm)幅(mm)高さ(mm)
コペンセロ(7速CVT)3.3951.4751.2809101.2501.040
S660α(6MT)3.3951.4751.1808951.2151.020

室内寸法は、長さ、幅、高さともに「コペンセロ」が上回っています。全長、前幅同じ数値ですが、全高は「S660α」が低くなっています。

ホイールベース(mm)トレッド最低地上高(mm)車両重量(kg)
前(mm)後(mm)
コペンセロ(7速CVT)2.2301.3101.295110850
S660α(6MT)2.2851.3001.275125850

ホイールベースは、「S660α」が長く、トレッドは前後とも「コペンセロ」が上回っています。

最低地上高は、「コペンセロ」が低く、車両重量は同じとなっています。

エンジン燃料消費率(km/L)
最高出力【kw(ps)/rpm】最大トルク【N・m(kg・m)】/rpm圧縮比
コペンセロ(7速CVT)47(64)/6.40092(9.4)/3.2009.525.2
S660α(6MT)47(64)/6.000104(10.6)/2.6009.224.2

エンジンの最高出力は、自主規制で同じとなっていますが、最大トルクは「S660α」が大きく、尚且つ低回転で発生させています。燃料消費率は、「コペンセロ」が良い数値を示しています。

ブレーキサスペンション
コペンセロ(7速CVT)ベンチレーテッドディスクリーディング・トレーリングマクファーソン・ストラットトーションビーム
S660α(6MT)ソリッドディスクソリッドディスクマクファーソン・ストラットマクファーソン・ストラット

「コペンセロ」は後がドラムブレーキとなり、ソリッドながら「S660α」は前後共ディスクブレーキとなります。サスペンションは、後が固定式の「コペンセロ」に対して、「S660α」は4輪独立懸架となります。

スタビライザータイヤ
コペンセロ(7速CVT)前・後165/50R16165/50R16
S660α(6MT)前・後165/55R15195/45R16

スタイビライザーは、両車種共前後に装着し、タイヤサイズが前後同じの「コペンセロ」に対して、「S660α」は前と後ろでサイズが違う異径サイズとしています。

滑らかな「コペンセロ」塊感のある「S660」のスタイリング

丸みを帯びた柔和なフロントの「コペンセロ」に対して、シャープで精悍なフロントの「S660」。ミッドッシプエンジンのため、「S660」はフロントノーズが低くなっています。

流線形ラインの「コペンセロに対して、ウェッジシェイプで、リアに行くほど高くなる「S660」のボディライン。

滑らかな「コペンセロ」に対して、塊り感のある「S660」と言う感じです。

シンプルでクラシカルな雰囲気が漂う「コペンセロ」。

宇宙船とも思えるようなリアビューの「S660」です。

フレンドリーな「コペン」レーシングカートのような「S660」

「コペン」は、フロントウィンドガラスの湾曲が大きく設定されて、斜め前方の視界も良好になっています。

「S660」は、Aピラーがボディ剛性確保のため太くなっているので、斜め前方の視界は良くありません。

「コペンセロ」のパワーウィンドスイッチは、ドアパネルには無くコンソールに配置されます。慣れの問題もありますが、操作はややし辛い印象です。

「S660」は左手を自然に置いた位置にシフトレバーがくる、レーシーなドライビングポジションです。

ダッシュボードデザインは、両車種共オーソドックスにまとめられています。

アナログメーター表示の「コペンセロ」。

スピードメーターがデジタル表示の「S660」。

見易さから言えば、アナログ表示の「コペンセロ」が見易く思えます。

ステアリングホイールは、共に革巻ながら、ホンダ市販車最少径のØ350mmを装備する「S660」のステアリングは、握りも太く手に馴染ます。

「コペンセロ」に標準で装備されるスポーツシートは、明るいベージュカラーで表皮は、フルファブリックとなっています。

「S660α」に標準で装備される、ブラックのスポーツレザーシートは、本革・ラックススェードの表皮です。

「コペンセロ」のリアウィンドからの視界です。見える範囲は大きく開けています。

「S660」のリアウィンド越しの視界です。見える範囲はかなり限られています。

フロントに搭載されるKF型エンジン。「コペン」に合わせて、他のKF型エンジン搭載車とは、補機類の配置が変わっています。

ミッドに搭載されるS07A型エンジン。マニュアルミッション仕様は、チューンが施され最高許容回転数が7.700rpmに引き上げられます。

「コペンセロ」のタイヤサイズは、フロント、リア共165/50R16となっています。タイヤはブリジストンポテンザRE050です。

フロント165/55R15、リア195/45R16と異径のタイヤサイズを採用する「S660」。タイヤもヨコハマタイヤとの共同開発アドバンネオバ AD08Rです。

FFの安定感を持つ「コペン」ミッドシップの特性を活かす「S660」

では、両車種に乗り込んでみます。シート位置が低く設定されている「S660」は、乗降性に多少の問題があります。サイドシルが高くなっているので、右足を入れ難くなっています。

「コペン」の、シート位置も低く設定されていますが、「S660」ほどでは無く乗り降りに支障はありません。

シートに収まってみると、「S660」はレーシングカートを意識したと言われるように、ドライビングポジションは、レーシーな雰囲気ですが、低く設定されたポジションに対して、ベルトラインは高く、視界が狭くなっているのがやや難点です。

サイドミラーも薄型の形状のため、後方の見え方は狭くなっています。

「コペン」の視界は良好で、スポーツカーと構える必要の無いドライビングポジションです。

「コペン」の走りは、リアもしっかりとグリップし、ステアリングの応答性も早く、FF車としては高い次元でまとめられており、安定感のある走りをみせますが、ミッドシップの「S660」と比較するとやはり限界があります。

ミッドシップエンジンの、回頭性の良さはFF車には無い機敏性で、FF車では苦しくなるような、回り込んだコーナーでも、リアが回り込んで曲がる感じで、軽々と抜けていきます。

この辺りは「S660」の、アジャイルハンドリングアシストも大いに貢献しているようで、正にニュートラルステアの感覚です。

さらに、駆動と操舵を前輪が受け持つFFでは、コーナリング中にパワーをかけると、ステリングが重くなるトルクステアが発生しますが、後輪で駆動前輪で操舵するミッドシップでは、コーナリング中にパワーオンしても、トルクステアの発生はありません。

この駆動方式の違いによるステア特性の差も、「S660」に軽快な走行感をもたらしています。

加速性能は、両車種とも車両重量が850kgで、パワーウエイトレシオが13.28kg/psとなっていますので、スマートな加速感で扱い難さはありません。

ブレーキ性能は、「S660」が「コペンセロ」を上回っています。「S660」のブレーキは、剛性感もあり制動力が高く、安定した効き具合を発揮します。

「コペンセロ」のブレーキは、スポーツカーとしては頼りなく、剛性感も不足しています。制動力も他のダイハツの車と大きく変わりません。

快適性では「コペン」が一歩リード

乗り心地は、固められた足回りを持つ両車種ですが、舗装状態が良い道路ならば不満はありませんが、段差の乗り越えや舗装状態が悪い道路では、シートに衝撃が伝わり突き上げ感があります。衝撃の伝わり方は「S660」がより激しくダイレクトに伝わります。

多少気になったのは、「S660」は走行中にドアとルーフから、カタカタと音が出る時がありました。「コペンセロ」も、ルーフから音が出る時はありましたが、「S660」に比べれば小さな音で気になるレベルではありません(どちらもクローズド状態でした)。

結論として、両車種の開発コンセプトが示す通り、「S660」は本格的なスポーツカーを目指すために、ミッドシップレイアウトに専用のシャーシと、リアルスポーツを追及しています。

荷物を載せるスペースは無く、視界に多少の問題はありますが、その走りのイメージは強烈で、非日常の世界へと引き込まれます。

走りに徹底的に拘るなら「S660」を選ぶ必要があります。

「コペンセロ」は、スポーツカーの走りには迫っていますが、限界性能の追求ではなく、楽しさの追求をしています。FFの車をどうすれば、気持ちよく走らせることが出来るのかの追求です。

ドライビングポジションも、極端に低くしないで、違和感無く直ぐに馴染めるようにしていますし、アクティブトップを採用し、手軽にフルオープンエアーを楽しむこともできます。

加えてリアのトランクも、ルーフトップを収納しないクローズド状態なら、荷物を載せる余裕があります。

気軽に、オープン2シータースポーツの雰囲気を味わうなら「コペンセロ」です。

「S660α」と「コペンセロ」の主要装備の違いとメーカー希望小売価格です。

コペンセロ(7速CVT)N660α(6MT)
ルーフトップ電動開閉式手動巻き取り式
ヘッドランプBi-Angl LEDLED
エアバッグシステムデュアルi-SRS・iサイドエアバッグデュアルSRS
シートヒーター標準装備設定なし
クルーズコントロール設定なし標準装備
フロントガラスUVカットUVカット
フロントドア・リアUVカット高熱線吸収/UVカット
ヒルスタートアシスト設定なし標準装備
ブレーキオーバーライドシステム標準装備設定なし
アジャイルハンドリングアシスト設定なし標準装備
メーカー希望小売価格1,852,200円2,180,000円

標準装備の状態では「S660α」が327.800円高い設定になっています。

衝突回避ブレーキは「S660」ではオプションで用意されますが、「コペン」には設定はありません。

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