日産「セレナ e-POWER」試乗してみた

日産のミドルクラスミニバン「セレナ」に、「e-POWER」が搭載されました。

「e-POWER」の搭載は「ノート」に次ぐ第2弾のモデルとなり、「ノート e-POWER」が日産の予想を超えた好調な販売を記録したことから、「セレナ」にも「e-POWER」を採用し、販売台数の拡大を狙っています。

「e-POWER」の好調さは、「充電のいらない電気自動車」と銘打った、日産の巧みな広告戦略による部分も大きく、シリーズハイブリッドシステムに分類される「e-POWER」を、電気自動車のように思い込ませた効果も大きく貢献しています。

「セレナ」に搭載される「e-POWER」は、「ノート e-POWER」に使われているシステムが流用され、発電用に使われるエンジンも1.2ℓのままです。

しかし車重の重さに対応するため、モーター出力で27PS、モータートルク6.7kgf・m、バッテリー容量0.3kWhをそれぞれアップさせ、エンジンもオイルクーラーなどを追加し出力を5PSアップし、充電供給能力を高めています。

セレナ e-POWERノート e-POWER
モーター出力136PS109PS
モータートルク32.6kgf・m25.9kgf・m
バッテリー容量1.8kWh1.5kWh
エンジン出力84PS79PS

「セレナ e-POWER」はエアロ仕様のHighway STARと、ノーマルシリーズにそれぞれ設定され、Highway STARは「e-POWER Highway STAR V」「e-POWER Highway STAR 」の2グレードで、ノーマルシリーズは「e-POWER XV」「e-POWER X」の2タイプです。

今回の試乗となったのは「Highway STAR」の上位グレード、「セレナ e-POWER Highway STAR V」です。

「セレナ e-POWER 」デザインでの変更は僅かな部分

「セレナ e-POWER」のデザイン上の変更点は、フロングリルにブルーのラインが入り、リアコンビネーションランプと、テールゲートスポイラー周辺が変えられたのみで、僅かな違いに留めています。

室内では運転席と助手席のシート下に、バッテリーを搭載するため、1列目と2列目シート間をスライドする、アームレストを兼ねたシートが廃止され、運転席と助手席の間には固定されたトレイが設置されています。

Vモーショングリルのブルーラインがモーター駆動をアピール

「セレナ e-POWER」を象徴するフロントグリルのブルーラインが、電気自動車をイメージさせます。

リアコンビネーショランプのデザインが変更され、テールゲートスポイラーの両端には、リアガラスを囲むようにパーツが追加されています。

セレナのボディ重量に合わせ調整された、EM57型モーターの最高出力は136PS、最大トルク32.6kgf・mです。

発電専用となるHR12DE型エンジンの最高出力は84PS/6,000rpm、最大トルク10.5kgf・m/3200-5200rpmのスペックです。

JC08モードの燃費性能は26.2km/Lとなり、ガソリンモデルと比較すると57%向上しています。

タイヤサイズは195/65R15で、タイヤはダンロップエナセーブEC300が装着されています。

キャプテンシートの7人乗りのみとなる「セレナ e-POWER」

「セレナ e-POWER」でガソリンモデルよりの変更は、バッテリー搭載のために7人乗りのみの仕様となり、8人乗り仕様は設定されていません。

メーターパネルとポジションセレクターは「e-POWER」専用となるデザインです。

運転席と助手席の間には移動式のアームレストに変わり、固定されたトレイが備わります。

2列目シートはアームレストの付いたキャプテンシート仕様になります。

運転席と助手席の下にバッテリーを収納することでフロアが高くなっています。

バッテリーを運転席と助手席の下に収納したために、ラゲッジスペースはガソリンモデルと同じ容量を確保しています。

ウェストラインの低さが気になる「セレナ」

フロントグリルのブルーラインが輝く「セレナ e-POWER」に乗り込んでみます。

バッテリー搭載のためにアームレストが廃止され、運転席周りは広く感じられるようになり、ミニバンらしさを増していますが、「セレナ」の個性でもあるタイトな運転席周りが好みとするユーザーには、少し物足りないと感じられる仕様です。

ミニバンデザインの流れとして、明るく開放感を感じさせるために、ウェストラインが低くされる傾向ですが、特に「セレナ」では顕著に感じられます。

インパネはボリューム感のある、高さのあるデザインなのですが、これに続くサイドウィンドの下端は極端に低くなり、運転席に座るとアンバランスな印象を受けます。

視界確保では一定の効果があると思われますが、この低いラインは少しやり過ぎとも感じられ、もう少しドラーバーを包み込みような安心感が欲しいところです。

静かさは格段に向上した「セレナ e-POWER」

スタートボタンを押すと「セレナ e-POWER」は、一瞬エンジンが始動した後は停止し走行に備えた待機状態となり、アクセルを踏み込むと音もなく静かに動き出します。

トランスミッションがなく、直接モーターが駆動を開始する発進加速は素早い反応で、バッテリーなどを搭載し、70kg増えた車重を感じさせない加速を示します。

しかし「ノート e-POWER」の強力に感じる加速とは違い、ジェントルな加速でスマートにスピードが上昇する感覚です。

このジェントルに感じさせる加速の要因としては、室内の静かさがありガソリンモデルに比べると、格段の進歩が感じられます。

停止中にエンジンが始動すると、明らかにその振動は伝わりますが、走行中は深くアクセルを踏み込みエンジンが始動しても、体感的には感じることはなく、メーターのインフォメーションディスプレイで、エンジンの始動を認識する程の静かさです。

日産によると「モーター駆動の静かさのメリットを活かすため、ガソリン車よりも25カ所以上に上る騒音対策を施した」とされその効果が如実に表れています。

「セレナ」のHighway STARグレードは、ノーマルグレードと比較すると足周りが硬めに仕上げられ、スポーティテイストなのですが、バンッと突っ張る感覚があり、乗り心地では不満の残る仕上がりでした。

しかし「e-POWER Highway STAR V」では、70kg増えた車重が落ち着きのある乗り心地へと変え、硬さを意識する場面が少なく、ファミリーユースにも十分対応できる足周りです。

またガソリンモデルはステアリングが、ミニバン特有の曖昧で大雑把に感じられる反応でしたが、「e-POWER Highway STAR V」では正確さが増しリニアに感じられます。

これは運転席と助手席の下に、バッテリーを搭載したことで、ボディ剛性を高めたような効果が生まれ、それがステアリングの応答性を向上させているようです。

装着されるタイヤサイズが195/65R15と、昨今の基準から考えると頼りないサイズと思えますが、メーカーオプションでも異なるサイズが用意されないのは、燃費と乗り心地を強く意識しているように思えます。

日産ファンで、静かなミドルクラスミニバンが欲しいとするなら、静かで上品な乗り心地の「セレナ e-POWER」はおすすめする車です。

しかし「ノート e-POWER」がもつような、力強い加速感はなくそれを期待すると、やや物足りない車に感じてしまいます。

今回試乗した「セレナ e-POWER Highway STAR V」2WDのメーカー希望小売価格は、3,404,160円になっています。

「セレナ e-POWER」の見積り交渉してみました。

日産「セレナe-POWER」見積り交渉してみた | tatumiの車探訪記
日産e-POWER搭載車の第2弾となる、「セレナe-POWER」の見積り交渉を行ってみました。 「セレナe-POWER」はエアロ仕様のハイウェイスター、ノーマル仕様ともに設定され、グレードはハイウェイスターが「e-POW...

日産「セレナ」ガソリンモデルの試乗記事はこちらです。

日産新型「セレナ」試乗してみた
新型の「セレナ」が話題のプロパイロット技術を搭載していよいよ登場して来ました。プロパイロットは将来の自動運転に繋がるドライバー支援システムです。スタイリングは旧型のイメージを残しつつ、シャープなデザインに生まれ変わり、使い勝手を高める便利な機能も充実させています。機能充実の新型「セレナ」を紹介して行きます。
スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
レクタングル(大)広告

シェアする

フォローする

関連コンテンツユニット1