日産「セレナ」ホンダ「ステップワゴン」トヨタ「ノア」比較してみた

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ミニバンの定番「セレナ」「ステップワゴン」「ノア」を比較

5ナンバーサイズミニバン、日産「セレナ」ホンダ「ステップワゴン」トヨタ「ノア」を比較してみました。

この3車種ミニバンはスペース効率が高く、広い室内と多用途な使い方に対応できることで、ファミリー層を中心に人気が復活しつつあります。

ミニバンの人気が復活している一つの要因として、近年の多発している震災が挙げられています。

自宅が震災被害を受け、車中泊を余儀なくされた場合に、セダンやSUVより車内が広いミニバンは、使い勝手が優れているところが見直されているようです。

では「セレナ」「ステップワゴン」「ノア」のカタログスペックから比較して行きます。

ボディサイズが最も大きい「セレナ」

2WDセレナハイウェイスターGステップワゴンSPADA・Cool Spirit Honda SENSINGノアハイブリッドX
全長(mm)477047354695
全幅(mm)174016951695
全高(mm)186518401825
ホイールベース(mm)286028902850
トレッド前(mm)148014701480
後(mm)148514851480
室内寸法長さ(mm)324032202930
幅(mm)154515001540
高さ(mm)140014251400

「セレナ」のボディサイズが最も大きくデザインされています。

ボディ前後のオーバーハングは、全長とホイールベースの長さから計算すると、「セレナ」が最も長くなっています。

一般的にオーバーハングは短いと取り回しが良いとされています。

室内の長さ、幅では「セレナ」が勝っていて、高さでは「ステップワゴン」です。

「ステップワゴン」の室内高の高さは、低床設計によるメリットが生かされています。「セレナ」は全高が最も高くなっていますが、フロアも高いために室内の高さでは、全高が低い「ノア」と同じ水準です。

最高出力は「セレナ」「ステップワゴン」最大トルクは「ステップワゴン」

2WDセレナハイウェイスターGステップワゴンSPADA・Cool Spirit Honda SENSINGノアハイブリッドX
エンジン排気量(L)1.9971.496(ターボ)1.797
最高出力 kW (PS)/rpm110(150)/6000110(150)/550073(99)/5200
最大トルクN・m(kgf・m)/rpm200(20.4)/4400203(20.7)/1600-5000142(14.5)/4000
モーター最高出力 kW (PS)1.9(2.6) ∗60(82)
最大トルクN・m(kgf・m)4.8(4.9)207(21.1)
システム最高出力 ∗100(136)
最小回転半径5.7(5.5)5.7(5.4)5.5
タイヤ195/60R16205/55R17195/65R15
車両重量(kg)170017001610
JC08モード(km/L)16.615.423.8

エンジンの最高出力は、「ステップワゴン」と「セレナ」は同数値ですが、「ステップワゴン」は、低い回転域で発生させているので扱いやすい特性と言えます。

エンジン最大トルクも「ステップワゴン」は、低い回転域から幅広いトルクを発生させていて、発進加速など力強い出足が期待できる仕様です。

「セレナ」と「ステップワゴン」は、トップグレードでタイヤサイズが大きく最小回転半径が大きくなっていますが、「ノア」はグレードを問わず同じ小回り性能を確保しているのは評価できるところです。

「ノア」はフルハイブリッドシステム、「セレナ」は簡易ハイブリッドの搭載ですが、フルハイブリッドを積む「ノア」が、車両重量は最も軽く作られていて、燃費でも最も優れた性能を発揮しています。

装備が充実している「セレナ」

2WDセレナハイウェイスターGプロパイロットエディションステップワゴンSPADA・Cool Spirit Honda SENSINGノアハイブリッドX
安全運転支援システムプロパイロットHonda SENSINGToyota Safety Sense C
フロントフォグランプ標準装備標準装備オプション
ステアリング本革巻本革巻ウレタン
空調オートエアコン+リアクーラー(プラズマクラスター)トリプルゾーンオートコントロール(プラズマクラスター)オートエアコン(左右独立)+リアクーラー
フロントウィンドガラススーパーUVカットIRカット/UVカットUVカット/高遮音
フロントガラススーパーUVカット/IRカットIRカット/スーパーUVカット(撥水)UVカット
スライドドア/リアクォーター/テールゲートガラスUVカット/IRカットプライバシー高熱線吸収/UVカットプライバシーUVカットプライバシー
スピーカー464
シート表皮ジャガード織物/トリコットプライムスムース/ソフトウィーブファブリック
サイドエアバッグ+サイドカーテンエアバッグオプション標準装備オプション
パーソナルテーブル2列目/3列目(シートバック)2列目(シートバック)2列目(シートサイド)
3列目シートスライド標準装備設定なし設定なし
2列目シート超ロングスライド+横スライド標準スライド超ロングスライド+横スライド
運転席・助手席シートヒーターオプション標準装備オプション
パワースライドドア両側・ハンズフリー機能両側左側(右側はオプション)
ヒーテッドドアミラーオプション標準装備オプション
テールゲートデュアルドアわくわくゲート標準ドア
メーカー希望小売価格3.187.080円2.999.000円2.996.509円

安全運転支援システムはミニバンで初となる「セレナ」の、同一車線自動運転技術プロパイロットの優位性が高く、次に「ステップワゴン」のHonda SENSING、「ノア」のToyota Safety Sense Cと性能順位は位置づけられます。

モデルチェンジしたばかりの「セレナ」は、ハンズフリーパワースライドドアなど装備が充実していますが、「ステップワゴン」は運転席、助手席にサイドエアバッグ、1・2・3列目席にサイドカーテンエアバッグ、運転席・助手席シートヒーター、トリプルゾーンコントロールのエアコンが標準で備わっています。

「ノア」は、右側のパワースライドドアがオプションとなるなど、標準装備ではやや劣っています。

シャープな「セレナ」コンパクト感の「ステップワゴン」押し出しの「ノア」

フロントデザインはミニバンらしい「ノア」と、コンパクトに見える「ステップワゴン」その間に位置する「セレナ」という感じです。

「セレナ」は「ノア」ほど張り出しが強くなく、「ステップワゴン」ほどコンパクトに見えないデザインでシャープな印象をもたせます。

ウィンドラインは直線で処理をした「ステップワゴン」に対して、「セレナ」「ノア」は変化を付けています。

フロントクォーターガラスの面積は、「セレナ」が最も広くフロントタイヤ付近の死角を少なくしています。

「ステップワゴン」のリアスタイルは、メッキガーニッシュも控えめでスッキリとしたデザインです。

「セレナ」「ノア」はミニバンらしいデザインで、「ノア」は特にボリュームを感じさせます。

新しさを感じる「セレナ」「ステップワゴン」オーソドックスな「ノア」

セレナ

ステップワゴン

ノア

「セレナ」「ステップワゴン」はデジタル表示で、「ノア」はアナログ表示のメーターパネルを採用しています。

「セレナ」はダッシュボード両端が、乗員から離れて行くデザインで、広がりをもたせようとしています。

「ステップワゴン」は直線的なデザインを採用して圧迫感を取り除いています。

「ノア」は有機的なデザインですが「セレナ」「ステップワゴン」と比較すると古典的でやや古さを感じさせてしまいます。

前方の視界は「ステップワゴン」が最も良く、「セレナ」と「ノア」は同レベルでややメーターパネルが高く感じられます。

シートの質感は「ステップワゴン」が高い

セレナ

ステップワゴン

ノア

「セレナ」と「ステップワゴン」のシートの見た目は同じ程度のクオリティーがありますが、触感は「ステップワゴン」のシートが優れています。

「ノア」のシートは見た目が落ち着き過ぎていて、地味な印象を与えてしまいます。

機能で劣る「ステップワゴン」のセカンドシート

セレナ

ステップワゴン

ノア

「ステップワゴン」はオプションのベンチシートですが、キャプテンシートを選択しても横方向へのスライド機能が無く、前後ロングスライド機能もありません。

シートの前後スライド幅は

  • 「セレナ」超ロングスライド690mm、ロングスライド570mm
  • 「ステップワゴン」300mm
  • 「ノア」810mm

「ステップワゴン」のスライド量の少なさが目立ちます。

「ステップワゴン」は横方向へのスライド機能が無いために、3列目シートへのアクセスがやや窮屈になってしまいます。

3列目シートへは、わくわくゲートでアクセスする方法もあるのですが、2列目シートのみの機能性で考えれば、「ステップワゴン」は「セレナ」「ノア」に遅れをとっています。

パーソナルテーブルが「セレナ」「ステップワゴン」は、シート背後に備わりますが「ノア」はシート間に配置されて、テーブルの使い勝手は「セレナ」「ステップワゴン」が優れています。

「セレナ」はサードシートの快適性も追求

セレナ

ステップワゴン

ノア

「セレナ」「ノア」のシートの大きさは同レベルですが、「セレナ」は厚みを持たせて快適性を高めています。

さらに「セレナ」はシートスライドとパーソナルテーブルを用意して、機能性を追加しています。

「ステップワゴン」のシートは、この中では最も小さなシートで、長距離の移動では不安が残ります。

「セレナ」「ノア」はラゲッジフロアボードで使い勝手に優れる

セレナ

セレナ

ステップワゴン

ノア

ノア

「セレナ」と「ノア」のラゲッジスペースは、フロアボードも設置されて使える幅を広げています。容量は「セレナ」がやや広いスペースを確保しています。

「ステップワゴン」はシートをワンタッチで格納するために、フロアボードは設置されておらず、ラゲッジスペースの使い勝手ではやや劣ります。

マジックシートの「ステップワゴン」が操作性と積載性ともに優れる

セレナ

ステップワゴン

ノア

「ステップワゴン」はツータッチで3列目シートを格納できて、操作性にも優れている上に視界も遮らず閉塞感がありません。

「セレナ」と「ノア」は両サイドへ跳ね上げて、スペースを作り出しますが、「ノア」はウィンドガラスが完全に塞がり閉塞感も高くなっています。

「セレナ」はウィンドガラスの低い位置で固定されるので、閉塞感も少なくなっています。

スライドドアの乗降性では「ノア」「セレナ」はハンズフリーパワースライドドアで勝負

キャップレス給油口

ハンズフリーパワースライドドア

スライドドアのステップまでの高さは、「ノア」が最も低く次に「セレナ」「ステップワゴン」となっていますが、「セレナ」は二段ステップを採用していますので、フロアまでの高さは実質的には「セレナ」が最も高いと言えます。

開口部の幅の広さは「ノア」「セレナ」「ステップワゴン」の順で、特に「ステップワゴン」は幅が狭くなっています。

開口部の高さは「ノア」「ステップワゴン」「セレナ」となって、フロアの高い「セレナ」はやや劣ります。

乗り降りを補助するアシストグリップは、「ノア」が大型で握る場所を広くしていますが、「セレナ」「ステップワゴン」と小さくなり、それにともない補助機能も小さくなってしまいます。

さらに「ノア」は、小さな子供の乗り降りを助けるチャイルドグリップも装備して、乗降性に配慮しています。

フロアまでのアクセスでは若干不利な「セレナ」ですが、ハンズフリーパワースライドドアが装備されます。キー保持者が車体下に足先を入れることで、スライドドアを開閉できるので、両手が塞がっている状態でドアを開けるには便利な機能です。

スライドドアの使い勝手は、「低いフロア」「広い開口部」「乗降性への配慮」と「ノア」が最も使い易い仕様となっています。

但しフロアまでの高さを気にしないなら、「セレナ」のハンズフリーパワースライドドアも魅力的な装備です。

「ステップワゴン」はスライドドアの開口部高さは、「ノア」と並ぶ高さで腰を屈める度合いが低いのは利点ですが、開口部幅が狭いのが乗降性を損なっています。

「ステップワゴン」は地面から荷室までの高さが最も低く、重い荷物でも負担が少なく積み下ろしができます。

開口部幅は「ノア」「セレナ」「ステップワゴン」の順で広くなっていますが、差は僅かで殆ど影響を与えない範囲です。

「ステップワゴン」の開口部の高さは群を抜いていますが、荷室フロア凹の位置からの計測で、3列目シートを格納しフロアをフラットな状態で計測すると127cmとなりますが、それでも最も高く、次に「ノア」「セレナ」と続いています。

テールゲートの利便性を高めるために、「セレナ」はデュアルドア「ステップワゴン」はわくわくゲートを採用していますが、「セレナ」のデュアルドアは、高さと深さがあり重量物の出し入れには向いていません。

「ステップワゴン」のわくわくゲートは、狭いスペースでも使い易く重量物も出し入れ可能で、ウォークスルーも行える優れた機能です。

「ノア」は特別な機能はありませんが、テールゲートのヒンジに工夫があり、ゲートが最も大きく開き積み下ろしの作業に支障が出ない設計です。

テールゲートの使い勝手を考えると、「ステップワゴン」のわくわくゲートが使い易く、次いで「セレナ」のデュアルバックドア、「ノア」の順番です。

走りの確かさとエンジン性能では「ステップワゴン」

「セレナ」「ステップワゴン」「ノア」を、それぞれドラインビングして感じるのは、「ステップワゴン」の走りの確かさです。

走行性能でホンダは評価が高いメーカーですが、「ステップワゴン」はステアリングの剛性感が高く、切り幅と車の向きがピタッと一致し、ミニバンにありがちな曖昧な部分がありません。

サスペンションも、これまでのホンダのサスセッティングから変更され、しなやかなサスフィーリングになっています。

これまでは軽快な足回りと張りがある乗り心地で、突っ張り感が伝わる部分もあったサスペンションが、軽快さは残しつつしなやかに受け止める、奥深さを感じるサスペンションに変わっています。

「セレナ」ハイウェイスターはノーマルシリーズと違い、足回りは固められて締まったサスペンションになっています。

しかし、プラットフォームが旧型から引き継がれていますので、古典的なセッティングになっていて硬さが強調される場面が多く、しなやかさに欠ける走りです。

「ノア」は「ステップワゴン」「セレナ」と比較すると、ノーマルシリーズに位置づけされるグレードですので、サスペンションもソフトです。

ステアリング操作を早くすると、ロールを感じる場面も多くロールを抑えるためには、サスペンションに合わせた走りが必要となります。

パワーユニットは「セレナ」のスマートハイブリッド、「ステップワゴン」のダウンサイジングターボ、「ノア」はハイブリッドと、それぞれに違うのですが、パワーを感じさせるのは「ステップワゴン」です。

「ステップワゴン」のダウンサイジングターボエンジンは、スペック通りの実力で低い回転域から最高トルクを発生させて、余裕のある走りをみせます。

重いミニバンは発進加速が鈍いところがあるのですが、「ステップワゴン」は車体をグイグイと前に押し出す力強さがあります。

「セレナ」は発進加速がやや緩慢で、エンジン低回転域でのトルクが細い印象です。高回転域での音も大きくあまり回したく無い特性です。

スピードに乗ってしまえば、それほど不満はありませんが、オートマチックトランスミッションとの相性も今一つです。

「ノア」は排気量1.8Lエンジン+モーターで、カタログスペックのパワーでは、「セレナ」「ステップワゴン」に見劣りしますが、車両重量が90kgも軽く作られていているので、パワーウェイトレシオは「セレナ」「ステップワゴン」の11.3kg/PSに対して、「ノア」は11.8kg/PSと迫る数値になっています。

実際に走らせてみても1.8Lハイブリッドの「ノア」と、2.0Lスマートハイブリッド「セレナ」の差は殆ど感じることはありません。

室内の静粛性は、モーターで走行する領域ではやはりハイブリッドの「ノア」が静かですが、エンジンに負荷がかかる領域になると、ターボエンジンの「ステップワゴン」が静かです。

「セレナ」はエンジンに負荷が掛からない、流すような走りでは静かに感じられますが、負荷がかかると最も室内に騒音が進入してしまいます。

ミニバンとしての総合力では「セレナ」

「セレナ」「ステップワゴン」「ノア」の評価をまとめてみます。

「セレナ」はモデルチェンジが最も遅く行われた車ですので、他社の車を良く研究して作り上げています。

ミニバンに必要と思われるものを盛り込んだ装備内容で、3列目シートの利用頻度の高いユーザーにも納得できる仕様になっています。

話題のプロパイロットは、高速道路を頻繁に利用するユーザーなら利用頻度が高く、ドライバーの負担低減が図られるシステムです。さらにハンズフリーパワースライドドアや、キャップレス給油口など日常で使う場合にも便利な機能も装備しています。

ただ残念なのは、プラットフォームが旧型から引き継いだために、フロアの高さが高く走行性能の底上げがなされなかったことです。

フロアの高さは2段ステップとして対応していますが、小さな子供やお年寄りを頻繁に乗せるなら、気になる部分ですがミニバンとしての総合力では「セレナ」です。

「ステップワゴン」は走行性能が高く、走りを重視するユーザーにはおすすめできる車です。

ミニバンを超えたハンドリング性能と、サスペンション性能があり、尚且つ乗り心地も両立させていて、わくわくゲートも使い方を広げる装備として魅力があります。

また安全性を高める、サイドエアバッグとサイドカーテンエアバッグが標準で装備されるなど、装備品と価格を比較した場合コストパフォーマンスは高くなっています。

「ノア」の魅力はハイブリッドシステムによる高い燃費性能と、低床フロアによるスライドドアの乗降性の良さです。

ハイブリッドによる高い燃費性能は、ランニングコストが気になるミニバンユーザーにおすすです。

更に低床設計の低いフロアは、スライドドアの乗降性に優れていますので、小さな子供やお年寄りの方を乗せる場合にも安心感が高い設計になっています。

気になるところは、「セレナ」や「ステップワゴン」では標準装備品が、「ノア」ではオプション扱いとなっていることです。

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