ホンダ「ステップワゴン」・トヨタ「ノア」比較してみた

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人気を誇るハイトミニバン「ステップワゴン」と「ノア」

3列シートをもつハイトミニバンとて、高い人気を誇るホンダの「ステップワゴン」とトヨタ「ノア」を比較してみました。

「ステップワゴン」は2015年4月に、フルモデルチェンジを行い現行の5代目となるモデルは、テールゲートの使い勝手を高める、わくわくゲートを備えて登場して来ました。

対する「ノア」は2014年1月にフルモデルチェンジが行われて、同年2月よりハイブリッドモデルが追加されています。

今回の比較対象としたモデルは、「ステップワゴン」が“SPADA・Cool Spirit”「ノア」は“HYBRID・ X”となっています。

本来なら「ステップワゴン」SPADA・Cool Spirit”に対して、「ノア」はガゾリンモデルのSiが相応しいモデルかとは思いますが、試乗車の都合で両モデルの比較となりました。

両車種のメーカー希望小売価格は、「ステップワゴン」“SPADA・Cool Spirit Honda SENSING”が2.999.000円(7人乗りFF)、「ノア」“HYBRID・ X”が2.996.509円(7人乗り2WD)となっています。

カタログスペックの比較

ボディサイズを比較

ステップワゴン“SPADA・Cool Spirit Honda SENSING”(FF)ノア“HYBRID X”
全長(m)4.7354.695
全幅(m)1.6951.695
全高(m)1.8401.825
ホイールベース(m)2.8902.850
トレッド(m)1.4701.480
1.4851.480
最低地上高(m)0.1550.160
車両重量(kg)1.7001.610
最小回転半径(m)5.75.5
タイヤ205/55R17195/65R15

全幅は同じとなっていますが、「ステップワゴン」はホイールベースが長く、それにともない全長も長くなっており、加えて全高も高く作られています。

全長よりホイールベースをマイナスし、算出したオーバーハング(タイヤより前、後)の長さは、両車種とも1.845mと同じ数値となっています。

(オーバンハングは短いほうが車の取り回しがし易いとされています)

トレッドの前は「ノア」が後ろは「ステップワゴン」が広くなっています。

車両重量はハイブリッドシステムを搭載していますが「ノア」が軽く、「ステップワゴン」は重くなっています。

最小回転半径は装着タイヤの差が影響して「ノア」が小さく優れています。(16インチタイヤを装着する「ステップワゴン」の最小回転半径は5.4mです)

室内寸法を比較

ステップワゴン“SPADA・Cool Spirit Honda SENSING”(FF)ノア“HYBRID X”
室内寸法長さ(m)3.2202.930
幅 (m)1.5001.540
高さ(m)1.4251.400

室内幅は「ノア」が広くなっていますが、長さ、高さは「ステップワゴン」が勝っています。

動力性能を比較

ステップワゴン“SPADA・Cool Spirit Honda SENSING”(FF)ノア“HYBRID X”
エンジン排気量(L)1.4961.797
最高出力【KW(PS)/rpm】110(150)/5.50073(99)/5.200
最大トルク【N・m(kgf・m)/rpm】203(20.7)/1.600-5.000142(14.5)/4.000
モーター最高出力【KW(PS)/rpm】60(82)
最大トルク【N・m(kgf・m)/rpm】207(21.1)
エンジン+モーター最高出力【KW(PS)】 ※100(136)
JC08モード走行燃料消費率(km/L)15.423.8

「ステップワゴン」が最高出力、最大トルクとも上回っています。

燃費性能はハイブリッドシステムの「ノア」が当然ながら良い燃費性能です。(2.0Lガソリンモデル「ノア」Siの燃費は16.0km/Lです)

コンパクトに見せる「ステップワゴン」大きく見せたい「ノア」

「ステップワゴン」はフロントから見ると、バンパーからルーフへと絞り込む台形のフォルムを採用して、コンパクトな車に見えるデザインとしています。

「ノア」はフロントバンパーを張り出させて、スクエアなマスクで存在感を主張するデザインです。(「ノア」のフロントアンダースポイラーと、メッキガーニッシュはオプション装備です)

「ステップワゴン」のボディ面は、平らな造形でスリムに感じさせるデザインです。

「ノア」はボディ面のRが大きさを感じさせ、大柄なミニバンの雰囲気を漂わせます。

リアスタイルもいかにもミニバンらしい「ノア」と、ミニバンを意識させない「ステップワゴン」と違いを見せています。

テールゲートの開閉ハンドルは、「ステップワゴン」はやや低く感じられ、「ノア」はそれよりも高く操作性に優れた設計になっています。

(「ノア」のリアアンダースポイラー、メッキガーニッシュはオプション装備です)

洗練された「ステップワゴン」のインテリアデザイン

ダッシュボードデザインは、スッキリと水平基調でまとめた「ステップワゴン」に対して、曲線でボリュームを感じさせる「ノア」は、もう少しの洗練さが欲しかったところです。

前方への視界は「ステップワゴン」が見易く、デザインの優位性を感じます。。

空調の操作パネルは、四角の中に収めた「ステップワゴン」に対して、円形のデザインを採用する「ノア」は、ハイブリッドシステムのエレクトロシフトマチックレバーと相まって、この部分では未来感漂うデザインになっています。

デジタル表示を採用する「ステップワゴン」に対して、「ノア」はアナログメーターとなっています。

「ステップワゴン」のメーターデザインは、新しさを感じさせるもので、メーターパネルは高さが低く表示部が小さめですが、視認性は悪くありません。

「ステップワゴン」のシート素材は、プライムスムース×ソフトウィーブで、「ノア」のファブリックと比べると、質感が高く上質な触感です。

2列目シートの機能性では「ノア」

「ステップワゴン」の2列目シートは、オプションのベンチシート仕様となっています。

2列目シートに用意されるテーブルは、運転席、助手席シート後部に装備される「ステップワゴン」が、シートの間に装備される「ノア」より使い勝手は優れています。

2列目シートの機能性では、前後方向へ80cmのロングスライドを採用し、横方向へもスライドを可能にしている「ノア」が多用途に対応できます。

「ステップワゴン」は、標準仕様となる7人乗りキャプテンシートとなっても、横方向のスライド機能はなく、前後スライドも40cmとなっています。

3列目シートの機能性では「ステップワゴン」

「ステップワゴン」は3列目シートが「ノア」に比べると、やや小さく横方向へのスペースも狭くなっています。

シートの大きさの違いは、格納方法の違いが影響を与えたことも多分に考えられます。

大きめシートの「ノア」ですが、シート分割は5:5分割となっており、6:4分割の「ステップワゴン」に対して使い勝手では劣ります。

「ノア」の3列目シートが5:5分割なのは、シートの格納方式をサイド跳ね上げ式としたためで、さらに格納機構がシートサイドに設置されているので、3列目シートで最も使い易いと思われる場所が、デットスペースとなっています。

スライドドアの乗降性に配慮した「ノア」

「ノア」はスライドドアの開口部が広く、ステップの高さも低く設計され、アシストグリップも「ステップワゴン」より大型のものが装備されています。

アシストグリップの下には、チャイルドグリップがつけられ乗降性に細かく配慮しています。

スライドドアの乗降性では「ノア」が使い易い設計となっています。

追加された6番目のドアわくわくゲート

テールゲートの利便性では、わくわくゲートを備える「ステップワゴン」が、勝っていると言えます。

テールゲート3分の2程が横に開くわくわくゲートは、小さな荷物の積み下ろしや、3列目シートの6分割側を倒して車内へのウォークインと、便利に使える機能です。

テールゲートの開口部の高さは、「ステップワゴン」がラゲッジフロアが凹んだ一番下からの計測なので、大きな違いが生まれていますが、3列目シートを倒した状態での数値は127cmですので、その状態では3cm「ステップワゴン」が高くなっています。

テールゲート開口部幅は「ノア」が広くなっていますが、荷室までのフロア高は「ステップワゴン」が低くなっています。

テールゲートを跳ね上げた場合の高さが、「ステップワゴン」は181cmと「ノア」の191cmに比べると低く感じられ、長身の方は頭が当たるのではと思える開き具合です。

フル乗車のラゲッジは「ノア」が使い易い

3列目シートまでを利用した状態でのラゲッジルームの使い易さは、「ノア」が優れていると思えます。

「ステップワゴン」は3列目シートを収納するために、ラゲッジフロアが凹んだ状態になっており、フロアがフラットになるカバーと、その下にも収納もつ「ノア」は使える用途幅が広くなっています。

「ステップワゴン」の3列目シートはマジック格納

3列目シートがスッポリとフロアに収納される「ステップワゴン」は、両サイドへ跳ね上げ式の「ノア」と比べると、ウィンドウの視界も遮ることなく車内がスッキリとしています。

3列目シートの収納操作性では「ステップワゴン」が優れており、「ノア」はシートを折り畳んだ後に、ベルトで固定する手間が必要となります。

3列目シートを格納した状態でのラゲッジスペースの使い勝手と積載性は、「ステップワゴン」に優位性があります。

ダウンサイジングターボの「ステップワゴン」とハイブリッドシステムの「ノア」

「ステップワゴン」のL15B型1.5Lエンジンは、ターボで過給されて最大出力150PS/5.500rpm、最大トルク20.7kgf・m/1.600-5.000rpmで、2.0Lガソリンエンジンに匹敵する性能です。

対する「ノア」の2ZR-FXE型1.8Lエンジンは、最高出力99PS/5.200rpm、最大トルク14.5kgf・m/4.000rpm、モーター最高出力82PS、最大トルク21.1kgf・mとなっており、システム最高出力は136PSとなっています。

(「ノア」2.0Lガソリンエンジンは最高出力152PS/6.100rpm、最大トルク19.7kgf・m/3.800rpmです)

エンジンの整備性は開口部が広い「ノア」が有利に思えます。

コンフォートタイヤの「ステップワゴン」燃費タイヤの「ノア」

タイヤサイズは「ステップワゴン」が205/55R17で、タイヤもブリジストン・トランザが装着され、「ノア」は195/65R15でタイヤは、ヨコハマ・ブルーアースが装着されています。

(2.0Lガソリンモデル「ノア」Siのタイヤサイズは205/60R16です)

装備は「ステップワゴン」に軍配が上がる

主な装備で違いが見られるものを抜き出してみます。

ステップワゴン“SPADA・Cool Spirit Honda SENSING”(FF)ノア“HYBRID X”
ヘッドランプLED(アクティブコーナリングライト)LED(オートマチックハイビーム)
フォグランプ標準オプション
サイドエアバッグ(1列目~3列目シート)標準オプション
ステアリングホイール本革巻きウレタン
リアオートエアコン標準(トリプルゾーンコントロール)マニュアル(オート式はオプション)
パワースライドドア左側・右側左側(右側はオプション)
リアヒーターダクト標準オートエアコンとセットオプション
ドアミラーLED/親水/ヒーテッドヒーテッド機能はオプション
カーテシーランプ標準設定なし
シートヒーター運転席・助手席設定なし
スピーカー64
アクセサリーソケット21
フロントウィンドガラスIR(遮熱)カット/UVカットUVカット/高遮音
フロントドアガラスIR(遮熱)カット/スーパーUVカット/撥水UVカット
リアドア/リアクォーター/テールゲートガラス高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラスUVカット機能付プライバシーガラス
バドルシフト標準設定なし
わくわくゲート標準設定なし

「ステップワゴン」は1列目~3列目までのサイドエアバッグ、トリプルゾーンコントロールの空調、シートヒーター、リアヒーターダクトなどが標準で装備され、「ノア」よりも装備が充実しています。

次に、ドライバー支援の安全システム、Honda SENSINGとToyota Safety Sense Cを比べてみます。

Honda SENSINGToyota Safety Sense C
衝突軽減ブレーキ自車速度約5km/h以上で走行中に速度差が5km/h以上ある前走車両に作動(自転車、二輪車を除く)

対向車両と歩行者に対しては自車速度約80km/h以下で作動

自車速度約15km/h~140km/hで警報

約10km/h~80km/hでブレーキが作動

アクティブクルーズコントロール約30km/h~100km/hで作動

(高速道路、自動車専用道路使用前提)

 ※
車線維持支援システム約65km/h~100km/hで作動 ※
路外逸脱抑制機能約60km/h~100km/hで作動 約50km/h以上で作動

(道路幅約3m以上の車線)

誤発信抑制機能停車~10km/h以下で作動

(対象物がほぼ真正面に位置すること)

 ※
先行車発進お知らせ機能停止した先行車との車間距離が10m以内で作動停止した先行車と4m以上離れると作動
標識認識機能一時停止、車両進入禁止は約60km/h以下で作動 ※
オートマチックハイビーム ※30km/h以上で作動

「ステップワゴン」に装備されるHonda SENSINGは、衝突軽減ブレーキの作動領域でやや有利になっています。

誤発進抑制機能がToyota Safety Sense Cには無いことも考慮すると、「ステップワゴン」のHonda SENSINGに優位性が感じられます。

広さを感じる「ノア」タイトな空間を演出する「ステップワゴン」

「ステップワゴン」と「ノア」両車種の運転席に乗り込んでみると、サイドウィンドガラスの下端が下げられ、両車種とも周囲は確認し易くなっています。

前方への視界は、水平基調のダッシュボードデザインを採用する「ステップワゴン」が良く、曲線を多用する「ノア」はやや見辛い印象です。

次に室内での違いを感じるのは横方向への広さです。

カタログスペックが示すように、「ノア」は室内幅が広くなっていますが、その差以上に感じられます。

2列目シートの仕様差で、感じ方に多少の影響はあると思えますが、「ステップワゴン」はタイトな感じを受けます。

タイトに感じる「ステップワゴン」ですが、室内は十分な広さがあり、これは車内空間をタイトに感じさせる、デザイン的な意図が感じられます。

ミニバンの域を超える「ステップワゴン」のハンドリング

走り出しと先ず感じるのは、ステアリングの重さの違いです。

剛性感があり適度な重さのある「ステップワゴン」に対して、「ノア」は軽くクルクルと回ります。

軽く回る「ノア」は取り回しが楽ではありますが、路面のフィーリングはステアリングには伝わらず、軽く操作することに重点が置かれたセッティングです。

「ステップワゴン」は、ステアリングに路面のフィールが伝わり、コーナーでも楽しく走れる車となっています。

ステアリングを操作した時の応答性が良く、長いボディを意識させない回頭性は、「ノア」では感じられない部分です。

この「ステップワゴン」の走りを支えるサスペンションは、従来からの硬さを感じる乗り心地から脱却し、しなやかな乗り心地へと進化しています。

この進化した足回りは、乗り心地に気を使っていると思われる「ノア」と遜色がないレベルの仕上がりで、僅かに段差の乗り越えでは「ノア」が優しく感じられる程度です。

エンジンパワーはターボエンジンと、ハイブリッドシステムと違うのですが、パワー感は「ステップワゴン」が上回っています。

「ステップワゴン」は、アクセルを踏み込んだ瞬間から豊かなトルクが伝わる走りで、大人しく加速して行く「ノア」と比べると、パワーの余裕が感じられます。

「ノア」はEV走行では静かに走り室内の静粛性も高く保たれますが、エンジンが始動する領域ではそれほどの差はなく、速度が上がるような場面では「ステップワゴン」が静かに感じられます。

走りを求めるなら「ステップワゴン」広さを求めるなら「ノア」

性格の違うグレードの比較で、どちらをどう選ぶかは少し無理があるのですが、考えてみたいと思います。

「ステップワゴン」はSPADAと呼ばれるカスタムモデルで、Cool Spirit はトップグレードの車となっています。

エアロパーツが装備され、大径ホイールに低扁平率のタイヤと、走りのイメージとそれを支える装備が備わっています。

「ステップワゴン」がミニバンに、これまでとは違う解釈を持ち込んでいると思わせるのが、コンパクトにみえるスタイリングと、カスタムモデルなのにイカツクないデザインです。

「大きく立派に見えないとダメ」と思われるミニバンに敢えて小さく見せようとしています。

フロントデザインも他を威圧するようなイメージはありません。

実際に乗り込んでみると、適度にタイトに感じさせる空間が作られていて、スペース効率を優先した車とは違う雰囲気です。

通常ミニバンは動もすると、バスの運転手のような運転感覚に晒され、退屈なドラインビングを強いられますが、このタイトに感じさせる空間デザインで、ステアリングを握ると車との一体感が強く感じられます。

「ステップワゴン」を選ぶ理由とすれば、わくわくゲートの魅力とミニバンから脱却した走りの良さ、そのドライビングの楽しさにあると思えます。

「ノア」は張り出しの効いたスタイリングに、広い室内とこれまでのミニバンのセオリー通りに作られている車です。

フロンントグリルには、メッキのガーニッシュが多く使われ、存在感を強く誇張するデザインです。

スライドドアの乗降に配慮し、2列目シートにはロングスライドを採用するなど、幅広い顧客層にアピールするような車作りです。

早々に燃費性能に優れるハイブリッドシステムを搭載し、燃費が悪い故にミニバンの購入をためらうユーザーを引き付けています。

ミニバンは大きく立派に見えて押し出しが効いて、室内も出来るだけ広く3列目シートを頻繁に利用する、又小さな子どもや高齢の方を乗せる機会が多いユーザーは、「ノア」が良いと思われます。

今回は「ノア」2.0LガソリンモデルのSiが試乗できなかったのですが、参考までに記載すると、エアロパーツが装備されるグレードSiは、メーカー希望小売価格2.739.273円(7人乗り2WD)となっています。

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