ダイハツキャスト「スタイルGターボSA-Ⅱ」・ホンダ「N-ONE Premium Touer Lowdown」比較してみた

「スタイルGターボSA-Ⅱ」と「N-ONE Premium Touer Lowdown」のスペック

2015年9月に発表された、ダイハツキャスト「スタイル」。

2012年11月に発売され、2015年7月に2度目のマイナーチェンジを行ったホンダ「N-ONE」。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」と「N-ONE Premium Tourer(Lowdown)」は、シリーズを代表するトップモデル的存在のグレードです。

どちらも、ミニをイメージさせるスタイリングを採用し、女性を強く意識したと思える両車の、ターボモデルの性能や扱い易さを比較して比べてみたいと思います。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」試乗車のボディカラーは、プラムブラウンクリスタルマイカ+デザインフィルムトップの2トーン仕様です。

「N-ONE Premium Tourer Lowdown」試乗車の、ボディカラーはミラノレッド&ブラックの2トーン仕様です。

まずは、カタログスペックから

全長(mm)全幅(mm)全高(mm)室内寸法
長さ(mm)幅(mm)高さ(mm)
キャストスタイル3,3951,4751,6002,0051,3201,245
1,610 *1
N-ONE3.3951.4751.5452.0201.3001.240
2.045*2

ホイールベース(mm)トレッド最低地上高(mm)車両重量(kg)
前(mm)後(mm)
キャストスタイル2.4551.3051.295150840
N-ONE2.5201.2951.295140870

エンジンスタビライザー燃費(km/L)
最高出力(kw/rpm)最大トルク(N・m/rpm)
キャストスタイル47/6.40092/3.200前後27.0
N-ONE47/6.000104/2.600前のみ23.6

*1シルバールーフレール装着車。*2ディスプレイオーディオ装着車。

(スペックは、キャスト「スタイル」がGターボSA-Ⅱ(2WD)。「N-ONE 」はPremium Touer Lowdownです)

全長、全幅は同じですが全高が「スタイルGターボSA-Ⅱ」が高くなっています。N-ONE Premium Tourer Lowdownは、立体駐車場に入れる高さに設定されています。

室内寸法は、長さが「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が勝っており、幅、高さは「スタイルGターボSA-Ⅱ」が勝っています。

ホイールベースについては、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が長くなっており、トレッドは前のみ「スタイルGターボSA-Ⅱ」が広くなっています。

車両重量は、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が重くなっています。

ちなみにパワーウエイトレシオは、「スタイルGターボSA-Ⅱ」が13.12。「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が、13.59になっています。数値が小さいほど、加速性能が優れています。

(「スタイルGターボSA-Ⅱ」のKF水冷直列3気筒横置ターボエンジン)

(「N-ONE Premium Tourer Lowdown」のSO7A水冷直列3気筒横置ターボエンジン)

エンジンの最高出力は、自主規制により同じになっていますが、発生回転域は「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が低い回転域で発生させています。

エンジン最大トルクは、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が勝っており、尚且つ、発生回転域は低い回転域で発生させています。

スタビライザーは、「スタイルGターボSA-Ⅱ」が前後装着に対して、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」は、前のみとなっています。

燃費は、「スタイルGターボSA-Ⅱ」が良い数値を示しています。

カタログ数値から読み解くと、エンジンスペックは「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が最大出力、最大トルクとも、低い回転域で発生させていて、扱い易いエンジンと言えます。

足回りは、「スタイルGターボSA-Ⅱ」がスタビライザーを前後に装備し、コーナーでの安定性を重視していることが伺えます。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」と「N-ONE Premium Touer Lowdown」のインテリア

「スタイルGターボSA-Ⅱ」のメーターパネルは、丸型2眼メーターが採用されています。メーターの向きがやや上向きに感じられます。

ステアリングには、パワースイッチが配置されています。

「N-ONE Premium Tourer Lowdown」のメーターパネルは、Nシリーズ特有のデザインで、コンパクトにまとめられています。

ステアリングには、パドルシフトが装備されています。

走りを元気にするECOモード解除ボタンは、ドライビング中に操作するには、使い辛い場所に配置されています。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」試乗車のインテリアは、オプションが装備され明るく感じられる作りです。

「N-ONE Premium Tourer Lowdown」の試乗車はブラックインテリアで、スポーティな雰囲気が漂います。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」「N-ONE Premium Tourer Lowdown」とも、乗り込んでみるとダッシュボードは低くおさえられており、前方の視界は良好です。この辺は、女性を意識しているモデルとして、良く分かっているなと感じさせます。

室内は「スタイルGターボSA-Ⅱ」が、開放感を感じる明るい作りです。「N-ONE」は、包まれ感がある室内の作りになっています。(「スタイルGターボSA-Ⅱ」は、オプションの内装インテリアクセントアカラー、ライトブラウンを装着しています)

室内の長さの、カタログ数値では「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が、長くなっていいますが、実際の感覚では差は感じられません。特に室内幅は「N-ON EPremium Tourer Lowdown」は狭く感じます。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」のリアシート。

「N-ONE Premium Tourer Lowdown」のリアシート。

リアシートは、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が狭くなっています。「スタイルGターボSA-Ⅱ」のスライド式に対して、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」の固定式は、足元や膝周りが狭いと感じても、シートをスライドして広くすることが出来ません。

リアシートの頭上スペースも、「スタイルGターボSA-Ⅱ」が余裕があり、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」は天井が近く感じます。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」と「N-ONE Premium Tourer Lowdown」のラゲッジスペース

「スタイルGターボSA-Ⅱ」

「N-ONE Premium Tourer Lowdown」

ラゲッジスペースの広さは、リアシートがスライドして、スペースを作り変えられる「スタイルGターボSA-Ⅱ」が、状況によって対応できるので便利に使えます。

リアシートが固定される、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」は、奥行はありますが、幅が狭くなっています。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」と「N-ONE Premium Tourer Lowdown」の操縦性と乗り心地

走り出しての印象は、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」はボディ剛性感が高いと感じます。強く引き締まったシッカリとした感覚です。

エンジンのフィーリングは、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」は、ややエンジン回転の上昇が遅く、反応が鈍いように感じます。

僅か、2.600回転で最大トルク104N・mをも発生させるエンジンは、扱い易くトルクフルなのですが、アクセルを踏み込んだ時の、エンジン反応の鋭さや回転上昇の早さでは「スタイルGターボSA-Ⅱ」に敵いません。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」のエンジンは、反応が早くアクセルを踏み込むと、ターボエンジンとは思えぬ鋭さで、エンジン回転が上昇します。Dレンジ使用中なら、パワースイッチを使えば、さらに元気な走りをみせます。

この辺りは、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」は、「スタイルGターボSA-Ⅱ」より重量が30kg重く、パワーウエイトレシオも劣っている影響もありそうです。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」のタイヤサイズは、165/55R15で試乗車はダンロップエナセーブを履いています。

「N-ONE Premium Tourer Lowdown」のタイヤサイズは、165/55R15で試乗車はブリジストンエコピアを履いています。

操縦性は、両モデルとも55扁平率のタイヤの恩恵で、コーナーでも良く踏ん張ってくれます。スタビライザーが、リヤには無い「N-ONE Premium Tourer Lowdown」ですが、重心が下がったことと、硬いサスペンションのため、通常のスピード域ならさほど差は感じられません。

ステアリングの特性は、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が素直な反応を示すような傾向です。「スタイルGターボSA-Ⅱ」は、ステアリングを切り込んでいくと、ややキャスターアクションが強くなります。

アイドリングストップシステムの、作動の仕方は「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が、自然な感じで止まってくれます。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」は、信号待ちで停車位置まで行こうと、ブレーキを踏んでスピードを調整していると、エンジンがストップしますが、その瞬間カクッと止まります。想定停止位置の少し手前で、軽い急ブレーキをかけたように、カクッと止まってしまいます。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」の、アイドリングストップシステムは、改善の余地がありそうです。

室内の静かさについては、路面の舗装状態が良い道路なら、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」が静かに感じます。

ただ、Lowdownモデルは、全高を低くするため、サスペンションを少し縮め、ストローク幅を狭くして、硬くセティングしているために、段差乗り越えではガタンと音がして、ボディ全体が揺られます。

乗り心地も、この硬いサスペンションが影響して、舗装が痛んでいる道路では、振動がシートにダイレクトに伝わってきます。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」の乗り心地は、55扁平タイヤの影響で、多少コツコツ感はあるものの、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」に比べれば、良い乗り心地です。

「スタイルGターボSA-Ⅱ」と「N-ONE Premium Tourer Lowdown」どのように選ぶか

立体駐車場に、入るか入らないかを基準にするならば、「N-ONE Premium Tourer Lowdown」を選ぶしか方法は無いのですが、そのために犠牲になる乗り心地は、あまりに大きいものだと思われます。

「N-ONE Premium Tourer Lowdown」は、硬いサスペンションのため、舗装状態が良い道路なら、さほど気にならないのですが、舗装が痛んでいる道路を走ると、振動の伝わり方は激しくなり、ジムカーナ仕様と思える程のサスペンションの硬さで、荒れた路面ではドライビングしているのが辛くなる程です。

「N-ONE」のスタイルが気に入り、立体駐車場を、頻繁に利用しなければならないユーザーでなければ、「 Lowdown」は勧められないモデルです。

「N-ONE」を選ぶのでしたら、「N-ONE Premium Tourer」か「N-ONE Premium」を選んだ方が、「N-ONE」の持つ上質感を味わうことができます。

今回は、試乗車の都合で、「スタイルGターボSA-Ⅱ」と「N-ONE Premium Tourer Lowdown」の比較となりましたが、本来なら「N-ONE」は、「N-ONE Premium Tourer」が、妥当な比較対象モデルだと思われます。

以前に、「N-ONE Premium Tourer」を試乗した感触から比較するとすると、燃費と室内の広さ、ターボラグのないエンジンの切れの良さで選ぶなら「スタイルGターボSA-Ⅱ」。

室内の静かさ、乗り心地の良さでは「N-ONE Premium Tourer」と言えそうです。

「N-ONE Lowdown」モデルの必要性を考えてみる

ホンダの軽自動車は、立体駐車場に入れる車種(S660を除けば)が存在しません。ダイハツやスズキには「イース」「アルト」などが存在し、立体駐車場に入れる軽自動車としての、一定のニーズを持っています。

そこで、都市部のユーザー向けに、ホンダが投入したのが「N-ONE Lowdown」モデルです。

「N-ONE Lowdown」は、「N-ONE」のサスペンションを縮めることと、ルーフの形状を変更することで、立体駐車場に入れる高さを実現させています。

しかし、縮められたサスペンションは、ストローク幅を少なくする必要があり、硬くセッティングするしかありません。硬くセッティングされたサスペンションは、乗り心地を悪化させ、乗員に負担を強いります。

「イース」や「アルト」の対抗車種と位置付けるとしても、「N-ONE」は、プレミアムな軽自動車として販売されており、価格面では対抗できないでしょう。

「N-ONE」の、車の性格を考えた場合に、乗り心地を悪化させてまで、立体駐車場へ入れるようにする、この仕様が受け入れられるのかやや疑問が残ります。

ホンダは、「イース」や「アルト」の対抗車として車を販売するのであれば、新型車で立体駐車場に入れる車を投入した方が、ユーザーが受け入れ易い車になったのではないかと思われます。

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