更なる進化を遂げて5代目「インプレッサ」登場
スバルの「インプレッサ」がフルモデルチェンジされ、5代目となるモデルが登場しました。
新型の「インプレッサ」では、新世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を採用し、高剛性化と低重心を図り、応答性と安定性を飛躍的に高めています。
また、車体の強度アップとフレムームワークの最適化で、衝撃を効率的に吸収するボディ構造を実現し、衝突安全性能をさらに進化させています。
新型の「インプレッサ」は、旧型同様に5ドアハッチバックはスポーツ、4ドアセダンがG4と、サブネームを継承しています。
「インプレッサ」スポーツに搭載されるエンジンは、2.0Lと1.6Lが用意され2.0Lのグレード展開は、i-Sとi-Lの2グレード、1.6Lはi-Lの1グレードと極めてシンプルになっています。
G4のセダンタイプも、同様のエンジン排気量とグレード展開で、スポーツ、G4ともに全てのグレードで、2WDとAWD(4WD)が選べる仕様になっています。
今回、主に試乗したのは1.6Lのi-Lグレードで2WDを採用するモデルですが、2.0i-LAWDモデルも併せて試乗したので、両車の違いも一部含めて評価してみます。
ダイナミック×ソリッドのデザインコンセプトで仕上げられたエクステリア
ボンネットは低くデザインされているために、ワイドな印象を与えています。フード上に走るキャラクターラインが、独自の個性を主張するフロントです。
ルーフはリアに向かって緩やかに下がって行き、それに対してウィンドガラス下端のラインは上げられ、スポーティーさが強調されるラインです。
リアは全高が抑えられているために、フロントと同様にワイド感が強調されます。
塊感で安心を与え、躍動感をプラスすることで、愉しさを融合させたとされていますが、愉しさよりも強さを感じるスタイリングです。
スバルの拘る視界性能に優れるデザインを追求
インパネのデザインは、2.0Lグレードと比較すると、加飾が省かれやや簡素な印象を与えます。
丸形2眼のメーターの間に、マルチインフォメーションディスプレイを配置するメーターパネルは、メーターバイザーリングがブラック(2.0Lはシルバー)となる他は、2.0Lと同じ仕様のデザインです。
2.0Lはシフトレバーブーツに本革が使用されて、質感を高めていますが、1.6Lはシルバー加飾のブラスチックカバーとなっています。
リアシートは天井が近く感じられますが、不満が出ない程のスペースは確保してあります。
ラゲッジスペースは横幅はありますが深さが無く、容量としては不足気味の広さです。
リアシートを倒すしスペースを拡大させると、フロアには段差があり、フルフラットにはならない仕様です。
スバル伝統の水平対向エンジンは、FB16型4気筒1.6Lで最高出力115PS/6,200rpm、最大トルク15.1kgf·m/3,600rpmの性能です。
タイヤサイズは205/55R16で、タイヤはブリジストントランザが装着されています。省燃費タイヤを採用しないところに好感が持てます。
運転のし易さやエンジンの力強さはやはりスバル
1.6i-Lに乗り込んで先ず気になるのは、シルバーに塗られたシフトパネルです。
目に眩しく、いかにも安っぽい輝きを放つこのパネルが、1.6i-L室内の雰囲気をチープにしており残念に思える作りです。
シートに収まった感じは、ヒップポイントがそれほど低い位置では無く、左側の車幅感覚も掴みやすい良好なポジションです。
1.6Lではオプション装備となっている、プッシュ式エンジンスタートで始動させます。
エンジンは水平対向特有の粗さは感じられず、スムーズで静かな鼓動を伝え、直列エンジンと変わらないフィーリングです。
走り出すと1.6Lの「インプレッサ」は、軽快な加速感です。
駆動方式が2WDとAWDで違い、車両重量も70kg軽いことが、影響していると思われますが、2.0Lのパワーがあり、トルクフルな加速するフィーリングとはやや違いがあります。
軽快に走る1.6Li-Lは、アクセルを踏み込んだ場合の瞬時の加速力では、2.0Lモデルに劣る印象ですが、水平対向エンジンのパワー感は健在で、一般道やタウンユースで使うには、不満の無いエンジンパワーです。
ドライビングしての印象は、安定性をみせる走りでボディの剛性感が強く感じられます。
ステアリングを操作すると、ボディがしっかりとそれを受け止めて、車がコーナーを曲がって行く、そのようなフィーリングを伝えて来ます。
ただ一つ気になったのは、うねりが続くような路面に遭遇すると、2.0Li-Lはサスペンションの収束が悪く、乗員が酔うような揺れを伝えて、不安定に感じさせる動きをします。
1.6Li-Lではそのような動きは無かったので、タイヤとのマッチングの影響か、2WDとAWDの違いでの影響か不明ですが意外な挙動です。
リニアトロニックと呼ばれるトランスミッションも、ダイレクト感のある繋がりで、タイムラグの少ない加速を実現させています。
室内は静粛性も高く保たれていますが、2.0Lモデルはフロントガラスに遮音機能があるために、1.6Li-Lは若干騒々しく感じられます。
乗り心地は55扁平率のタイヤを履く1.6Li-Lは、角が無いマイルドな乗り心地で、50扁平率のタイヤを履く2.0Li-Lは、コツコツとタイヤの硬さが伝わる場面が多い乗り心地です。
「インプレッサ」はスバルらしさを残しながらも、より多くの人が受入れられる車へと、進化をしていると思えます。
ベーシックグレードとなる1.6Li-Lは、2.0Lモデルと比較すると内装などに、若干チープな印象が残りますが、乗り心地の面では優れているので、ファミリーユースには向いているグレードです。
また、最初のスバル車として選択するのも良いかも知れません。
但し、高速道路の使用が多いユーザーなら、迷わず2.0Lモデルを選ぶべきです、高速域での余裕には大きな差があります。
「インプレッサ」1.6Li-Lは
- アイドリングストップ
- フロントフォグランプ
- ウェルカムライティング
- 電動パーキングブレーキ
- マルチファンクションディスプレイ
- パドルシフト
- マルチインフォメーションディスプレイ付メーター
- フルーオートエアコン
- シャークフィンアンテナ
- USB電源
- UV&IR機能付フロントガラス
- 濃色ガラス
- アイサイト(Ver.3)
- SRSサイトエアバッグ+SRSカーテンエアバッグ
- 運転席SRSニーエアバッグ
- 歩行者保護エアバッグ
- VDC(ビークルダイナミクスコントロール)
- エマージェンシーストップシグナル
などが標準装備されて、メーカー希望小売価格は1,922,400円(2WD)2,138,400円(AWD)となっています。
スバル「インプレッサ」にお得で上質な60周年特別仕様車1.6i-L Eye Sight S-styleが追加されています。
スバル「インプレッサスポーツ」の値引交渉してみました。
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