3代目「XV」はSUVの走破性と安全機能を高めて登場
スバルのSUV「XV」がフルモデルチェンジされ3代目となるモデルが登場しました。
3代目の「XV」は先代同様に「インプレッサスポーツ」をもとに、最低地上高を70mm高く設定し、大径タイヤやフェンダーアーチモール、ルーフレールでSUVらしいワイルドなルックスを作り上げています。
走りを支えるプラットフォームも、「インプレッサ」で高評価のスバル・グローバル・プラットフォームを使用し、高いボディ剛性による安定性を実現させています。
安全運転支援システムとしは、高性能のアイサイトVer.3や歩行者保護エアバッグが全車に標準装備され、悪路での走行安定性を高めるXモードを搭載(1.6iを除く)し、SUVとしての走破性を強化しています。
新型「XV」のグレードは、1.6i、1.6i-L、2.0i-L、2.0i-Sで、1.6Lと2.0Lにそれぞれ2タイプを用意するシンプルな構成です。
今回試乗したグレードは1.6i-Lで、クリスタルブラック・シリカのボディカラーに塗られています。
「インプレッサ」とは違うワイルドさを上手に演出する「XV」
「XV」は「インプレッサスポーツ」のイメージを感じさせつつも、フロントグリルのメッキパーツを無くし、ロアバンパーには樹脂製パーツを追加し違いを演出しています。
フォグランプの横には縦にLEDランプが配置されます。
試乗車にはルーフレールが取り付けられていますが、装着しない場合全高は1,550mmと多くの立体駐車場に入れる高さです。
リアバンパーの左右コーナーには、樹脂製のブラックパーツと反射板が装着されて、変化をつけています。
フェンダーのホイールアーチと、サイドのロア部分に取り付けられる、ブラックの樹脂製パーツがワイルドでワイドな印象を持たせます。
FB16型1.6L4気筒エンジンは、スバル伝統の水平対向で最高出力115PS/6,200rpm、最大トルク15.1kgf・m/3,600rpmの性能です。
JC08モードの燃費性能は16.2km/Lとなっています。
タイヤサイズは225/60R17で、タイヤは省燃費指向のヨコハマブルーアースが装着されています。
アルミホイールは「インプレッサスポーツ」とは違うデザインを採用しています。
1.6L「XV」のインテリアは基本的に「インプレッサスポーツ」と同じ
インパネは「インプレッサ」と同じデザインで機能的にまとめられています。
「XV」は本革ステアリングのステッチに、オレンジが使われて「インプレッサ」との違いを出しています。
1.6Lモデルのシートは、「インプレッサ」と同じデザインとなっています。
最低地上高が高くなったために、リアシートへの乗降性はやや落ちた印象です。
ラゲッジスペースも「インプレッサスポーツ」と同じ容量と仕様で、変わったのは最低地上高が高くなったために、ラゲッジフロアまでの高さが高くなり積載性はやや悪化しています。
全高が高くなった「XV」は「インプレッサスポーツ」よりデカく見える
対面した新型の「XV」は「インプレッサスポーツ」と比較すると、全長で5mm全幅で25mm全高が70mmプラスとなっているのですが、それ以上の大きさを感じさせます。
パっと見た感じは「インプレッサスポーツ」と、違う車のように感じられるのですが、良く見ると、基本のラインは「インプレッサスポーツ」と同じとなっていて、追加のパーツで上手く雰囲気を変えています。
乗り込むと1.6L「インプレッサスポーツ」と同じ、シルバー加飾のシフトカバーが、アンバランスで浮いた存在なのですが、今回は2.0Lモデルを試乗しなかったためか、「インプレッサスポーツ」の試乗で味わった程のチープさは感じられませんでした。
インパネも「インプレッサ」と同じデザインとなっていますので、機能的にまとめられた印象です。
「XV」のシートに座ると地上高が高くなったために、アイポイントが高くなり前方への視界が開けたように感じられます。
「インプレッサ」では低くスポーティーで、下から見るような感じですが、「XV」では日常感覚に近いポジションです。
また運転席、助手席への乗降性は、リアシートで感じられた乗り辛さが無く、シートが高くなったことで腰への負担が少なく感じられます。
「XV」の静かな室内は「インプレッサスポーツ」よりも上質に感じる
「XV」は「インプレッサスポーツ」より、50kg重くなっているのですが、ドライビングしても、それを感じさせないトルクフルな動きをします。
1.6Lモデルながらストップ&ゴーからの発進加速も良く、タウンユースでは不満を感じさせることは無いと思われます。
この力強い加速は、エンジンチューニングとギア比の変更でもたらされており、狙ったセッティングを上手く実現させています。
しかし重量増加とギア比を落としたことにより、燃費は「インプレッサスポーツ」の17.0km/Lから16.2km/Lと「XV」は悪くなっています。
ステアリングは小径なサイズと相まって素早い反応で、中立付近が締まっておりコンパクトカーのようにキビキビとした動きをみせます。
少しの舵角でフロントノーズが反応する印象です。
余談ですが小径ステアリングホイールの内側は、スペースが狭く逆ハンドルで操作がし辛くなっているので、基本に忠実な順手でのステアリング操作が良いと思われます。
乗り心地は「インプレッサスポーツ」よりも、大径のタイヤで扁平率が上がったこともあり、路面からの突き上る感じは少なく、良い乗り心地を実現させています。
加えて室内の静粛性が高くロードノイズも少なく感じられます。セールス氏によると「XV」は、「インプレッサ」よりも静粛性に力を入れ、遮音材を多く使っているとのことですので納得の仕上がりです。
新型「XV」はスバルのこれからの最量販車とされていて、世界的に展開するSUVとしての役割を担っていますが、その意気込みが感じられる車となっています。
今回試乗した1.6i-L EyeSightのメーカー希望小売価格は、2,246,400円となっています。
「XV」のお勧めグレードを考えたのはこちらの記事です。