「ムーヴ」を基準に「スタイル」「アクティバ」を比べてみる
ダイハツキャスト3タイプ「スタイル」「アクティバ」「スポーツ」。現在、発売中の「スタイル」と「アクティバ」は、どう選べばいいのか考えてみました。
ベースのシャーシを共用している、「ムーヴ」をコントロール車として、実際に試乗した基準で比較してみたいいと思います。
まずは、サイズの確認です。
全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) | 室内寸法 | ホイールベース(mm) | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
長さ(mm) | 幅(mm) | 高さ(mm) | |||||
スタイル | 3,395 | 1,475 | 1,600 | 2,005 | 1,320 | 1,245 | 2,455 |
1,610 *1 | |||||||
アクティバ | 3,395 | 1,475 | 1,630 | 2,005 | 1,320 | 1,245 | 2,455 |
1,640 *1 | |||||||
ムーヴ | 3,395 | 1,475 | 1,630 | 2,080 | 1,320 | 1,280 | 2,455 |
トレッド | 最低地上高(mm) | 車両重量(kg) | |||||
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前(mm) | 後(mm) | ||||||
スタイル | 1,305 | 2WD | 1,295 | 2WD | 150 | 2WD | 840 |
4WD | 1,265 | 4WD | 145 | 4WD | 890 | ||
アクティバ | 1,295 | 2WD | 1,295 | 2WD | 180 | 2WD | 840 |
4WD | 1,265 | 4WD | 175 | 4WD | 890 | ||
ムーヴ | 1,305 | 2WD | 1,295 | 2WD | 150 | 2WD | 820 *2 |
4WD | 1,265 | 4WD | 145 | 4WD | 880 *3 |
*1はシルバールーフレール装着車。*2、3はノンターボの重量。
全長、全幅3車同じですが、全高は「ムーヴ」「アクティバ」が同じ高さで、「スタイル」がやや低くなっています。
室内寸法は、長さ、幅、高さ「スタイル」「アクティバ」は同じで、「ムーヴ」は幅だけが「スタイル」「アクティバ」と同じで、長さ、高さとも勝っています。
ホールベースは、3車同じになっています。
トレッド前は、「スタイル」「ムーヴ」が同じで、「アクティバ」は狭くなっています。
トレッド後は、3車同じになっています。
最低地上高は、「スタイル」「ムーヴ」が同じで、「アクティバ」は高くなっています。
車両重量は、「スタイル」「アクティバ」は同じで、「ムーヴ」はやや軽くなっています。
「スタイル」「アクティバ」は、同じシリーズらしく、全高と最低地上高を除けば、全てが同じ値になっています。
スタイリング
「スタイル」のグレードはG-SA-Ⅱノンターボ(2WD)。ボディカラーは、ライトローズマイカメタリック+デザインフィルムトップ(ホワイト)です。
「アクティバ」のグレードはG-SA-Ⅱノンターボ(2WD)。ボディカラーは、ディープブルークリスタルマイカです。
「ムーヴ」のグレードは、X-SA-Ⅱノンターボ(2WD)。ボディカラーは、ライトローズマイカメタリックです。
「スタイル」と「アクティバ」は、同じボディカラーなら見間違ってしまうほどです。フロントグリルとフォグランプの形、「スタイル」はフロントバンパーに、メッキのライン、「アクティバ」は、アンダーガードで変化をつけています。
「スタイル」はドアステップ下部分にメッキのライン、「アクティバ」はホイールアーチとドア下部にグレーのプロテクターで変化をつけています。
「アクティバ」はオプション装備を装着しています。
「アクティバ」は、ライセンスプレートを囲む逆台形のラインや、リアアンダーガードでSUVらしさを演出しています。
リアビューを比べてみると、いかに「ムーヴ」が四角く角ばっていることが分かります。
インテリア
「スタイル」のインテリアは、落ち着いた色の色合いで大人っぽく感じさせます。
「アクティバ」のインテリアは、オプションのレザー調ブラックインテリアで、高級感とスポーティな雰囲気です。
「ムーヴ」のインテリアは、明るくシンプルな感じに映ります。
室内の広さは、ボディスタイルと室内寸法が示すように、「ムーヴ」が広くなっています。
室内の幅は同じですが、ホデイの高さと、ルーフに向けての広がりが違うため「ムーヴ」はかなり広く感じます。
「スタイル」と「アクティバ」は、包まれ感が強くなっています。スポーティと感じるような雰囲気です。
メーターパネルは、上から「スタイル」「アクティバ」「ムーヴ」となっています。「スタイル」「アクティバ」は文字盤の色が違うだけで他は同じです。
ステアリングは、「スタイル」「アクティバ」は革巻き、「ムーヴ」はウレタンで、配色が違いますが同じ形状です。
上から「スタイル」「アクティバ」「ムーヴ」の順です。
「スタイル」「アクティバ」は、「ムーヴ」に比べればラゲッジスペースは狭く感じ、「ムーヴ」は、スクウェアなボディで室内高があるため広く感じます。
タイヤハウス上の、内装パネルの素材が「スタイル」「アクティバ」と「ムーヴ」では変えられています。
乗り心地と操縦性
「スタイル」のタイヤサイズは、165/55R15で試乗車はダンロップエナセーブを装着していました。
「アクティバ」のタイヤサイズは、165/60R15で試乗車はブリジストンエコピアを装着していました。
「ムーヴ」のタイヤサイズは、155/65R14で試乗車はトーヨーナノエナジー3を装着していました。
タイヤサイズは、3車それぞれ違うサイズが装着されていますが、3車とも燃費指向のタイヤが選ばれています。
改めて、この3車を乗り比べて感じたことは「ムーヴ」の乗り心地の良さです。
この中では、一番グレードの低いタイヤを装着している「ムーヴ」ですが、タイヤサイズと、サスペンションのセティングがマッチして、「ムーヴ」の乗り心地と操縦性のバランスの良さが感じられます。
次に、乗り易いと思われたのが「スタイル」です。「スタイル」は「ムーヴ」に比べると、乗り心地は扁平タイヤの影響で、コツコツ感が伝わって来るのですが、コーナーではタイヤが踏ん張り、安定して走ることができます。
「スタイル」は女性向けの車種として、販売戦略を立てられてるようですが、車の性格からすると、タイヤの銘柄は合っていないように思います。
「スタイル」の乗り心地は、走りを重視するユーザーなら、気にするレベルではありませんが、上質を楽しむための車としては、乗り心地が硬いと思われます。
燃費性能の為に、選ばられたタイヤだと思われますが、コンフォート系の乗り心地重視タイヤに変更すれば、印象はかなり良くなると思います。
残念ながら、最後になってしまったのが「アクティバ」です。「アクティバ」は、サスペンションがソフトで尚且つ車高が高いため、ロールを感じ易い車に仕上がっています。
ソフトなサスペンションは、乗り心地には好影響を与える筈なのですが、それが有利には働いていないように感じます。走っていると、「スタイル」「ムーヴ」と比べて狭いトレッドや、高くなった重心のため、横揺れを常に意識させられるのです。
「ハスラー」と乗り比べると、「アクティバ」が勝っていると、思える部分もあるのですが「ムーブ」や「スタイル」と乗り比べると、バランスが悪いと感じてしまうのです。
乗り心地は、「ムーヴ」の方がしっとりしているし、操縦性は、「スタイル」の方が素早い反応をする感じです。
「アクティバ」は、乗り心地にしても、扁平タイヤを装着している「スタイル」より、悪く感じてしまうこともあります。これは、ドライバーとして感じたことなので、リアシートでの印象は変わるのかも知れません。
「アクティバ」には、辛い評価になってしまいましたが、SUVの雰囲気を楽しむなら「アクティバ」は選んでも後悔はしないと思います。
SUVの「アクティバ」を、「スタイル」「ムーヴ」と並べて比較するのは、少し無理があったかも知れません。
最後に、装備と価格を比較してみました。標準装備品は、同じメーカーの車種ですので、同じような構成になっており、違いがみられる箇所を抜き出してみました。(内容は2WD)
スタイルGSA-Ⅱ | アクティバGSA-Ⅱ | ムーヴXSA-Ⅱ | |
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サイドアンダーミラー(助手席) | 設定なし | 標準装備 | 設定なし |
スーパーUV&IRカットガラス(フロントドア) | コンフォータブルパックとしてオプション | コンフォータブルパックとしてオプション | 標準装備 |
ヘッドランプ | Bi-Angle LED | Bi-Angle LED | LED |
ステアリングホイール | 革巻 | 革巻 | ウレタン |
スマートクール(蓄冷エバポレータ) | 設定なし | 設定なし | 標準装備 |
タイヤサイズ | 165/55R15 | 165/60R15 | 155/65R14 |
メーカー希望小売 | 1,414,800円 | 1,414,800円 | 1,317,600円 |
フロントガラス、ヘッドランプ、ステアリングホイール、タイヤの各仕様が、大きく違う部分になっています。
メーカー希望小売価格は、キャスト「スタイルGSA-Ⅱ」「アクティバGSA-Ⅱ」は同じで「ムーヴXSA-Ⅱ」は、それより97.200円安い価格設定になっています。
「キャスト スタイル」の試乗記事はこちらです。

「キャスト アクティバ」の試乗記事はこちらです。
