スズキ「バレーノ」試乗してみた

スポンサーリンク
試乗記682×171

激戦区に参入する「バレーノ」はインドからの逆輸入車

SUZUKI バレーノ TVCM 「美しき流動体」 篇

スズキより新たに発売された「バレーノ」は、全長4mに収まるコンパクトボディにハッチバックと、国内のみならず海外でも激戦区となるクラスに投入されたモデルです。

「バレーノ」の開発コンセプトモデルとなる「ik-2」は、2015年3月ジュネーブ国際モーターショーで公開され、続く9月のフランクフルト国際モーターショーで「バレーノ」として発表されました。

ブラットフォームは新開発され、コンパクトなボディサイズとしながらも、ゆとりのある室内空間と、ラゲッジスペースの確保を目指しています。

製造はスズキの子会社となる、インドのマルチ・スズキ・インディアが行い、世界的に販売され日本へは逆輸入の形で投入されます。

スズキとしてはインドで作られた車を逆輸入し、国内で販売するのは初めての試みで、「バレーノ」は、パイロットモデルとしての役割も担っていると言えそうです。

フロントデザインは平凡だがリアスタイルは魅力的

コンパクトハッチバックとしては、ワイドなボディは存在感を感じさせますが、フロントグリルは個性と呼べる部分は少なく、特徴はあまり感じられません。

ボンネットフードのキャラクターラインが、マツダ「デミオ」に似たラインの流れです。

6ライトウィンドデザインを採用するサイドビューは、リアウィンドガラス面積を狭めて、クーペ的な雰囲気を作り出しています。

リアは全高を低くしてワイド感が強調されるデザインとなっています。

フロントに比べ個性が感じられ、欧州風なテイストも漂います。

この角度から見ると、スタイリシュでスペシャリティカー的雰囲気を持っています。

インテリアデザインはベーシックな質感が漂う

ダッシュボードはオーソドックスなデザインで、広がりを感じさせますが質感は低く感じられる作りです。

センターコンソールを配置して、運転席と助手席を分け、広さよりもスポーティさを優先させています。

XGはベーシックグレードなので、マニュアルエアコンとなっていますが、操作系は安い家電品のようなスイッチで残念な質感です。

シフトノブはガングリップタイプとなっています。

ブラック基調のシートはファブリック張りで、実用的シートの印象です。

横方向に広さを感じさせるリアシートは、足元のレッグスペースも不満の無い広さを確保していますが、ヘッドスペースは少なくなっています。

尚、リアシートのスライド機能は採用されていません。

ラゲッジスペースは二段底となっています。このクラスの車としては、広く確保されていると思える容量です。

リアシートを倒すと広いスペースが生まれます。

リアゲートの開口場所が高い位置にあるので、ラゲッジフロアと面一となる、もう少し下の方から開けば、使い勝手はさらに良くなると思えます。

1.2L、K12C型エンジンは最高出力91PS/6.000rpm、最大トルク12.0kg・m/4.400rpmのスペックとなっています。

タイヤサイズは175/65R15で、タイヤはブリジストンエコピアが装着されています。

「バレーノ」はライバルと比べると背が低く幅広い車

「バレーノ」のグレード展開は1.2Lエンジンを積むベーシックなXG、1.0Lターボエンジンを積むXTと、XTセットオプション装着車の3グレード展開となります。

尚、XTとXTセットオプション装着車の販売は、2016年5月よりの予定となっています。

今回、試乗となったのはベーシックなXGです。

「バレーノXG」のボディサイズを確認してみます。

バレーノXGフィット13GアクアSデミオ13S
全長(mm)3.9953.9953.9954.06
全幅(mm)1.7451.6951.6951.695
全高(mm)1.4701.5251.4551.525
ホイールベース(mm)2.5202.5302.5502.570
最小回転半径(mm)4.94.74.84.7

ライバルと考えられる他社の車種と比較すると、ボディの幅が広く高さの低いデザインとなっている事が分かります。

全幅が広くなっている事が影響してか、最小回転半径がやや大きめになっています。

バレーノXGフィット13GアクアLデミオ13S
排気量(L)1.2421.3171.4961.298
最高出力(PS/rpm)91/6.000100/6.00074/4.80092/6.000
最大トルク(kgf・m/rpm)12.0/4.40012.1/5.00011.3/3.600~4.40012.3/4.000

エンジン排気量、最高出力、最大トルクを比較してみます。

「フィット」の最高出力が他車種を上回っていますが、「バレーノ」はクラス平均的なパワーとトルクを持っていると言えます。

ステアリングの反応に独特のクセがあるのが難点

インド発の小型車「バレーノ」に乗り込んでみると、ドライビングボジションは低めに設定されています。

もちろんシートリフターを装備しているので、高めのボジションへと変える事も出来ますが、基本的には低いポジションの設定に感じられます。

ベースグレードのXGと言う事もありますが、ダッシュボードの質感やデザインは、ビジネスライクな作りで商用車的な雰囲気です。

プッシュスタート式のエンジンを、スタートさせ走り出してみると、ステアリングがややリニアティに欠ける反応を示します。

ステアリングは重めに設定してあるのですが、特に低速でのキャスターアクションが強く、ステアリングを滑らせて戻そうとすると、想像以上の速さで戻ろうとします。

走行中のステアリングも、カクカクとした反応で、舵角にスムーズに応答する感じがありません。

加えて、遠くからタイヤを操作しているようなフィーリングで、路面の状態が伝わって来ません。

ステアリングの特性自体は、アンダーステアが弱くコーナーでもインに付き易い性格を持っていますが、応答性のスムーズさとダイレクト感の無さは残念なところです。

搭載されるK12C型エンジンは、ハイブリッド仕様のK12C型エンジンと比べると、やや荒っぽいフィーリングです。

ハイブリッド仕様K12C型エンジンは、発進加速がスムーズですが、「バレーノ」に搭載されるK12C型エンジンは、ガンと踏めばドンと出る仕様になっています。

元気が良い反応と言えない事もないのですが、洗練された感じはありません。

トランスミッションも、きめ細やかさに欠けるフィーリングで、荒っぽさが強調されてしまいます。

トランスミッションの操作は、スムーズで気持ちよくポジションレンジ変更出来るのですが、軽すぎて狙ったレンジを通り越す事もあります。

尚「バレーノ」には、アイドリングストップシステムは搭載されていません。

室内はワイドボディを活かして、広くなっているのは好感が持てますが、ロードノイズや、サスペンション付近からの音が気になるところです。

乗り心地も路面の凸凹を広い易く、それがそのまま室内に伝わって来る感じです。

全体的なパッケージングは国産車のレベルに到達していない

インドから逆輸入される「バレーノ」は、ワイドボディが特徴で、リアにかけてはスタイリッシュに作られていますが、全体的にみれば十数年前の国産車のレベルと思えます。

XGはベースグレードですが、ダッシュボードの質感や、空調スイッチのデザインや操作性は、国産車の水準から考えると遅れています。

ステアリングの安定性やエンジン特性など、全体的に粗削りな印象を与え、洗練された国産車を知るユーザーからは、魅力に乏しい車と映るのではないでしょうか。

今後、発売される上級グレードのXTターボエンジン搭載車が、改良され魅力を増して登場しないと、パイロットモデル「バレーノ」の販売戦略は、苦しい戦いを強いられるのではないかと思われます。

バレーノXGフィット13GアクアLデミオ13S
メーカー希望小売価格(円)1.414.8001.299.8001.761.3821.771.200
車両重量(kg)9509701.0501.030
燃料消費率(km/L)24.626.037.024.6

最後にメーカー希望小売価格と車両重量、燃費を比較してみます。

全てベーシックグレードで比べていますが、各車種装備が違うために一律に比べられないのですが、「フィット」より高く、「アクア」「デミオ」よりかなり安い設定となっています。

車両重量は最も軽く作られており、この辺りはスズキの軽量化技術の表れと思われますが、燃費は重い「デミオ」と変わらない数値で改善の余地がありそうです。

スポンサーリンク
試乗記682×171
試乗記682×171

シェアする

フォローする

関連コンテンツユニット1