スズキ 新型ハスラー2020/1FMC試乗してみた

軽自動車のSUVに市民権を与えたのは間違いなくスズキのハスラーだと思います。

それまでもスズキのKeiやダイハツではネイキッドなどが軽SUVとして発売され、一定の支持を集めてはいましたが、好きものが乗る車との認識が強くマイナーな存在でした。

しかし、ハスラーは2013年12月に初代が発売されると、タフネスに感じさせるけれども、そのサイズゆえに玩具っぽさを併せ持つ絶妙なデザインが受け、多くの人に受け入れられる軽自動車SUVの地位を確立します。

ボディやインテリアに原色系のカラーを多く揃え、やや女性を強く意識したと思われるところもありましたが、J STYLEシリーズでは男性でも使い易い、ブラック基調のインテリアで統一されたモデルも登場させ、広いニーズに対応させたのはスズキの商売上手なところです。

この人気を博したハスラーも初代発売から7年目を迎え、2020年1月にフルモデルチェンジを実施し2代目を発売しました。

2代目ハスラーはヒットした初代のコンセプトをキープし、スタイルも少し角張った印象を強めましたが、丸形のヘッドランプなどイメージは踏襲され、ハスラーであると誰もが認識できるスタイリングです。

今回は正常進化した2代目ハスラーのHYBRID Xに試乗してみました。なお、ボディカラーはフェニックスレッドパール ガンメタリック2トーンルーフに塗られた2WD仕様です。

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2代目新型ハスラーのグレード

試乗するHYBRID Xを紹介する前に2代目ハスラーのグレードを確認しておきます。

新型ハスラーに用意されるのはマイルドハイブリッドシステム搭載にともない、初代のGグレードに変わるHYBRID GとそのターボモデルHYBRID Gターボ、Xに変わるHYBRID XとターボモデルHYBRID Xターボのシンプルな4つのグレード構成です。

グレード駆動方式ボディカラースズキ セーフティ サポート
HYBRID G2WD/4WDモノトーン/2トーン装着/非装着選択可能
HYBRID Gターボ2WD/4WDモノトーン/2トーン装着
HYBRID X2WD/4WDモノトーン/2トーン装着
HYBRID Xターボ2WD/4WDモノトーン/2トーン装着

なお、全グレードともに2WD/4WDの駆動方式と、モノトーンと2トーンのホディカラーの選択が可能で、カラーも同じ色が用意されグレードによる差はつけられていません。

また、HYBRID Gのみスズキ セーフティ サポートの装着、非装着が選べる仕様となっています。

ワイルド感を増し2代目へと正常進化

丸形ヘッドランプを配置するフロントは、先代と同様にファニーフェイスの顔だちで、ターンランプを少し大きな形状へと変えています。

ボンネットフードカバーがフロントフェンダーまで被る形状へと変わり、バンパープロテクターも上下方向へも伸びたRV指向の強いデザインとなっています。

SUVの必需品ホイールアーチカバーは大きくなり、フロントグリルから繋がる形状は一体感を高めるデザインです。

先代よりスクエアが強調されるスタイルは、追加されたリアクォーターウィンドも含め四角い形となり、タフさが強調されるデザインへと変わっています。

リアゲートハッチのピラーを外に出すデザインとなったリアスタイルは、2トーンカラーのため幌を被せたような印象をもたせます。

リアバンパープロテクターの出っ張りも若干ですが存在感を増しています。

フロント、リアドアの上方への絞り込みは緩く直立に近いデザインです。

リアホイールアーチカバーとリアガーニッシュの繋がりは、フロントと比較するとややスムーズさに欠けます。

スタイリングは甘くないのが特徴

初代ハスラーのスタイルは甘さ(玩具ぽさ)とワイルドさが、絶妙のバランスで両立され親しみ易さを生み出していました。

しかし、2代目ではこの甘さを払拭し、大きくなったホイールアーチカバーや、バンパープロテクターで無骨さを強調しています。

また、角が強調されるボディは上方への絞り込みを抑え、初代より全高が15mm高くなっただけなのですが、よりワイドな印象が増し大きさを感じます。

さらに、ウィンドガラスの四角い形が、よりスクエアスタイルのクルマに見せています。

この、2代目ハスラーのスタイリングには、4代目ジムニーに近似性を感じさせるところがあり、ワイルドな4代目ジムニーのヒットで確信を得たスズキが、自信をもって新型ハスラーをデザインしたと思わせます。

野性味が増してもクルマのイメージはしっかりと踏襲され、ぱっと見に直ぐにハスラーだと分かるところは、ヒット作となった初代からの正常進化版といえる出来で、デザイナーの迷いのなさがうかがえる仕上がりです。

大胆なブロックデザインのインパネ

インパネはメーターナセル、ナビゲーション、グローブボックスが、明確に3つのブロックに分けデザインされ、プロテクターのような縁取りがスポーツウォッチを連想させます。

メーター内は鮮やかな色でグラフィック表示され、マルチインフォメーションディスプレイがメーターに被さるレイアウトです。

個人的にこの表示方法は好みではないのですが、新型ハスラーの場合はマルチインフォメーションのディスプレイ幅が、上下に広くなったため視認性もまずまずで、違和感が少なく馴染み易くなっています。

始動直後のナビゲーションにはクルマ周囲の状況を、確認するメッセージが自動的に表示されます。

インパネは水平基調の直線的なラインでデザインされ、フラットな上部は広い視界を確保するのに役立っています。

フロントはセパレートシートとなったため、運転席と助手席の間には小物入れと、浅いトレーが装備されます。

空調の操作パネルはスズキ車に共通するデザインです。助手席のカップホルダーは格納式となっています。

助手席前は中央のトレイを上下のグローブボックスが挟む3段式収納です。上段グローブボックスの蓋はトレイとしても使えます。

フェニックスレッドパール ガンメタリック2トーンのボディには、グレーイッシュホワイトと呼ばれるインテリアカラーが組み合わされ、シートやドアトリム、インパネにアクセントカラーとして使われます。

ファブリックのシートは大柄に感じられる作りで、ゆったりと座ることができますが、サポート性は期待できません。

助手席の下にはスズキお得意の脱着式トレイが備わります。

ホイールベースが初代より35mm伸ばされたため、リアシートの膝周りにはスペースが生まれ、シートを最も前にスライドさせても、こぶしひとつ分位の余裕があります。

リアシートを最も後ろにスライドさせると足元には大きな余裕が生れます。

助手席の背もたれにはテーブルが装備されます。

荷室には初代から引き継ぐ樹脂製のハードフロアが装備され、汚れたものでも気にせず積み込めます。

リアシートの背面にはスライド用のベルトが備わったことで荷室側から操作可能です。

荷室フロアの下には新たに取り外し可能な、防汚仕様の収納ボックスが装備され、アクティブなシーンでの使い勝手を高めています。

ハード樹脂のカバー範囲が大きくなると、使い勝手はさらに良くなると思いますが、占める面積は初代とほぼ同じです。

インテリアは大胆な原色を使ったインパネが特徴的だった初代と比べると、フツーになった印象ですが、スポーツウォッチのプロテクターを思わせる、3つのガーニッシュは新鮮で目を引かれます。

また、インパネ上下のカーボン調デザインは、質感を高めるのに一役買っており、大胆なガーニッシュによる遊び過ぎを抑え、落ち着いた雰囲気をもたらしています。

ナビゲーションは9インチサイズのモニターを装備させるなど、大型化のトレンドにしっかりと対応させています。

落ち着きのある走りと元気過ぎるエンジン音

搭載するエンジンはボアやストロークを変更した、新設計のマイルドハイブリッドR06D型で、デュアルインジェクションシステムや、スズキの軽自動車では初めてとなる、クールドEGRを導入し燃焼効率を高めています。

2WDの燃費はWLTCモードで25.0km/Lの性能です。

ブロック型デザインの15インチアルミホイールには、165/60R/15サイズのダンロップエナセーブEC300が装着されています。

さて、肝心な2代目ハスラーの走行性能ですが、先代のリアがヒョコヒョコと動き、軽過ぎる印象から、しっかりとタイヤが接地し、落ち着きが感じられる走りへと進化しています。

これは、車両重量が20kg初代より重くなった(Xモデル比)ことと、ホイールベースが35mm伸ばされたことが要因と思われますが、安定性が高まったことで安心感が増し、より大きなクルマに乗っているような印象です。

また、安定性は高まっていますが曲がり難いようなことはなく、カーブが続く道を走ってもクルマの応答性は高く、ハンドルを切った方向に気持ちよく曲がる、レスポンスの良いドラインビンングが楽しめます。

しかし、シートのホールド性が少なくズルズルと体が滑るため、楽しいのは一定のスピードまでで、それ以上のペースで走ると体を支えようとして、余分な力が入ってしまい少し疲れます。

まあ、ハスラーでカーブを攻めようと考える人は、少ないと思われますので、クルマの性格を考えるとこれが正しい方向性と思われます。

安定性は大幅に進歩が感じられたのですが、新開発のエンジンはややガサツな印象が残り、ゴロゴロとしたフィーリングを伝えます。

エンジンルームと室内の遮音にそれほど力が注がれていないためか、音もよく響き伝わるため、この感覚がさらに助長されてしまい、エンジンがスムーズに回るような印象がありません。

もう少し走りエンジンが馴染んでくると、回転も滑らかになるのではと思われますが、ホンダ製のエンジンと比べると、やや差があるなと感じさせます。

2代目ハスラーは初代の良さを活かしつつ、スタイリングやインテリアを上手くレベルアップし、安定性も大幅に向上させています。

新型エンジンの音がやや元気過ぎるところもありますが、それもこのクルマのもつキャラクターだと考えると、許せるような気持になります。

やはり、ハスラーは楽しく使えることが大切であり、そのための愛されるカタチと、インパクトのある内装が必要とされるクルマで、その他のことは大目に見てねと言っているのでしょう。

今回試乗したハスラーHYBRID Xフェニックスレッドパール ガンメタリック2トーンは、スズキ セーフティ サポートなどが標準装備され、メーカー希望小売価格1,562,000円(2WD)です。

なお、グレード別のメーカー希望小売価格は次のようになっています。

グレードスズキ セーフティ サポートボディカラー駆動方式メーカー希望小売価格
HYBRID G非装着モノトーン2WD1,280,400円
4WD1,414,600円
非装着2トーン2WD1,324,400円
4WD1,458,600円
HYBRID G装着モノトーン2WD1,365,100円
4WD1,499,300円
装着2トーン2WD1,409,100円
4WD1,543,300円
HYBRID Gターボ装着モノトーン2WD1,459,700円
4WD1,593,900円
2トーン2WD1,503,700円
4WD1,637,900円
HYBRID X装着モノトーン2WD1,518,000円
4WD1,652,200円
2トーン2WD1,562,000円
4WD1,696,200円
HYBRID Xターボ装着モノトーン2WD1,612,600円
4WD1,746,800円
2トーン2WD1,656,600円
4WD1,790,800円

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