スズキ新型「イグニス」試乗してみた

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試乗記682×171

隙間を突くマーケティングの巧みさはさすがスズキ

スズキ「イグニス」は2015年ジュネーブモーターショーに続いて、東京モーターショーに展示され高い人気を得たことから、スモールコンパクトSUVとも呼べるサイズに、1.2Lのエンジンを搭載して発売が開始されました。

現在、注目を集めているSUVですが、コンパクトクラスは日産の「デューク」やホンダ「ヴェゼル」マツダ「CX-3」などの車が存在し、激しい争いを展開していますが、その下のクラスにはSUVが存在していません。

その存在しない空白のクラスに人気が高まっているSUVを、新たに投入するスズキの着眼点の良さはさすがと思えます。

スモールコンパクトSUVにマイルドハイブッリドと、トレンドを詰め込んだ「イグニス」の最上位グレード、ハイブリッドMZ4WDに試乗を行い、その走りや性能を確かめてみました。

懐かしさと新しさの融合がテーマのエクステリアデザイン

緩くスラントしたフロントグリルは、メッキラインで囲まれ、センターのSマークを挟むように直線のラインが配置されています。

Cピーラーのデザインは、かつてのスズキ「フロンテ」からの踏襲で、「フロンテ」を知る年代には懐かしさを感じさせるラインとなっています。

リアウィンドの形は、36系8代目アルトとも通じるデザインとなっています。

リアから見ると絞り込みが強くなっているのが分かります。リアの大きいSマークも力強い印象を与えることに貢献しています。

MZにはリアバンパーの運転席側に、リアフォグランプが埋め込まれています。

リアのホイールアーチは、ボディの絞り込みが強いために、フロントよりさらに張り出した形状になっていて、ワイルド感が強調されています。

オレンジとホワイトを配したポップなインテリア

高めに設定されたアイポイントは、前方への視界も良好でダッシュボードも低く感じられますが、メーターフードは少し大げさな形をしています。

MZはステアリング、シフトノブ、パーキングブレーキレバーが本革巻となり、クルーズコントロール、パドルシフトが装備されます。

メーターは0指針が真下を示すタイプになっていて、スピードメーターは常用域の40~60kmが下の方に表示され、やや見辛いと思えるデザインです。

アップル・カープレイに対応する全方位モニター付メモリーナビゲーションはオプション設定です。

エアコンの操作系はSUVを意識してか、無骨さを感じさせるデザインです。

4WDには運手席に加えて助手席にも、シートヒーターが装備されます。サイドプレーキのグリップは太めで、握り損ねの少ない形状になっています。

助手席前のグローブボックスの容量は小さめで、車検証や取扱説明書などを入れると、他のものはさほど入れられない大きさです。

遊び心が感じられる運転席、助手席のドアアームレストは、インテリアに上手くアクセントを付けています。

シートの表皮はファブリックで、シートの感触はやや硬めとなっています。サポート性も標準のレベルはクリアしていますので、不満になる事は少ないと思われます。

リアシートは運転席、助手席によほど長身な人が座らない限り、大人2人が長時間でも座る事が出来ます。

リアシートのスライド機能は、前方にスライドさせると足元のスペースが無くなりますので、ラゲッジスペースを拡大させる他に、使うことはまず無いと思われます。

ラゲッジスペースの底面は、2段底になっていますが容量は不足気味です。

リアシートのスライド、リクライニングがテールゲート側からでも、操作出来る仕様になっています。

リアシートを倒しラゲッジスペースを拡大してみます。ラゲッジ底面をフラットにするために、2段にして上げ底しているので深さが足りません。

マイルドハイブリッドを搭載したK12C型エンジン。排気量1.242L、最高出力91PS/6.000rpm、最大トルク12.0kg.m/4.400rpmのスペックです。

タイヤサイズは175/60R16で、タイヤはブリジストンエコピアが装着されています。

迫力のあるオーバーフェンダーに、175幅のタイヤは心細く、もう少し幅のあるタイヤを装着して欲しかったところです。

ポップな色使いのインテリアは遊び心満載

「イグニス」に乗り込むと、オレンジとホワイトの鮮やかな対比を見せるインテリが、ポップな楽しい雰囲気を伝えて来ます。

特に運転席と助手席のドアアームレストは、オレンジとホワイトの配色で独特の形をしており遊び心を感じます。

インテリアカラーは、オレンジ、チタン、ブラックと3タイプが用意され、ボディカラーとグレードによりインテリアカラーが設定されています。

試乗車のMZはスーパーブラックパールのボディカラーに、オレンジインテリアの設定となっています。

アイポイントは高めに設定されているために、前方への視界は良くダッシュボードも低く感じられます。

前方への視界に拘る女性ドライバーでも、運転し易いドライビングポジションになっていますが、大きなメーターフードが若干視界を悪くしています。

メーターは高回転域を常用するタイプに良く使われる、0指針が真下に来るタイプを採用していますが、デザインが先行している感じで、通常良く使われる表示域が下方になり見辛く感じられます。

K12C型エンジンは燃費チューンでマイルドな特性

エンジンをスタートさせ、ガングリップタイプのシフトレバーを、Dポジション入れ走り出します。

「イグニス」のビスカスカップリング式のフルタイム4WDは、滑り易い路面では前後輪に自動で駆動力を伝えますが、通常は前輪よりに駆動力が分配されるので、FF車とほぼ変わらないフィーリングでドライビング出来ます。

走った感じは4WDということもありますが、16インチの大径タイヤの効果と相まって、安定感がある走行をみせます。

最低地上高が180mmと高めの設定になっていますが、コーナーでもそれ程不安は感じさせることなく抜けて行く事が出来ます。

乗り心地はやや硬めのフラット感のあるもので、車の性格を考えれば納得出来る乗り心地になっており、室内の騒音もこのクラス車としては静かに感じられます。

「ソリオ」と同じ仕様のK12C型エンジンは、「イグニス」のスタイルを考えればやや力不足と思えます。

排気量1.242Lで、最高出力91PS/6.000rpm、最大トルク12.0kg.m/4.400rpmのスペックを持っていますが、エンジンのチューンが燃費指向に振られているようで、平坦な道ならそれほど不満はありませんが、登り坂になると力不足が感じられパワーが欲しくなります。

この様な場面では、ホンダの車に装備されているような、ECONを解除する機能やSモードを持つATなどが欲しくなるところです。

「イグニス」は「ハスラー」の乗用車版と思える

「イグニス」は「ハスラー」が軽自動車で成功したコンセプトを、乗用車に持ち込んで作り上げたモデルだと思えます。

「ハスラー」も今迄ありそうで無かった、軽自動車のSUVとして登場して来ました。

スタイルはRVの持つ力強さと、玩具ぽっさを巧みに融合させ、インテリアはこれまでに無い大胆な色使いで、コーディネイトし成功を収めました。

今回登場した「イグニス」も、トレンドのSUVで他社に存在しない隙間のクラスに投入して来ました。ありそうで無かったサイズです。

ポップなインテイリアは、楽しくなるような色使いで、フロントドアのアームレストは遊び心を感じさせ、乗り込むとワクワクさせる雰囲気を伝えて来ます。

オプションでアップル・カープレイに対応できるナビゲーションを備える辺りも、楽しさと便利さの追求に抜かりはありません。

「イグニス」は「ハスラー」同様に、軽快な軽さの走りを伝える車ですが、ハンドリングやコーナリングは標準的なもので、それ程の追求は行われていません。

エンジンパワーもマイルドで、スポーティーな走りをイメージして乗ると裏切られます。

しかし「イグニス」は「ハスラー」と同様に、「如何に楽しく使えるか」が勝負なのです。

迫力のあるオーバーフェンダーに、高い車高でSUV感を出し、インテリアは乗って楽しくなる、その雰囲気と楽しさを手軽に味わえるように作られた車なのです。

もちろん高い車高は、普通の乗用車よりは悪路走破性は優れていて、4WDはヒルディセントコントロールやグリップコントロールを装備し走破性を高めていますが、基本はあくまでもライトな使用を想定しています。

(因みにイグニスのアプローチアングル20.0°、デパーチャーアングル38.3°で、ハスラーのアプローチアングル28°、デパーチャーアングル46°に負けています)

「イグニス」は「ハスラー」からの乗り換えで、もう少し大きい車が欲しい又は、「ハスラー」のコンセプトは好きだけど、軽自動車では物足りないと感じるユーザーなら、直ぐに気に入る車に仕上がっています。

ただ少し残念なのは、アクティブコンパクトと謳う「イグニス」のラゲッジフロアは、「ハスラー」のような手入れのし易い素材では無く、普通のクロス張りとなっているので、汚れ物をそのまま入れるには躊躇する作りとなっています。

スズキには「ハスラー」で実現出来なかったアイデアや、ハスラーのユーザーから上がって来た提案(不満)が蓄積されていると思われます。

「ハスラー」でやり残した事や蓄積されている情報を、「イグニス」にもっと盛り込む事が出来たら、さらに楽しい車に仕上がったのではないかと思われます。

「イグニス」のグレード展開は3タイプで中間グレードが狙い目か

「イグニス」のグレードは3タイプで、ベーシックなハイブリッドMG、中間のハイブリッドMX、トップグレードのハイブリッドMZと展開しています。

どのグレードにも2WDと、フルタイム4WDが用意されています。

価格はベーシックなMGの2WDが1.82.400円、4WDが1.519.560円。

中間のMX2WDが1.501.200円、4WDが1.638.360円。

トップグレードのMZ2WDが1.641.600円、4WDが1.778.760円となっています。(価格はいずれも税込メーカー希望小売価格)

狙い目のグレードとしては中間グレードのMXと思われます。

性能評価の高いデュアルカメラブレーキサポートと、アップル・カープレイに対応するナビゲーションは付けておきたい装備です。

中間グレードのMXにセーフティパッケージを装着で、1.598.400円(2WD)これに全方位ナビゲーション142.560円をプラスすると1.740.960円(2WD)となります。

尚、MXはヘッドランプが暗いハロゲンランプとなってしまいますので、明るいLEDが必要ならトップグレードのMZを選ぶ必要があります。

MZはセーフティパッケージ装着で1.738.800円(2WD)に、全方位ナビゲーション142.560円をプラスすると1.881.360円(2WD)のメーカー希望小売価格です。

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