スズキ新型「ジムニー」試乗してみた(2018/7FMC)

20年振りのフルモデルチェンジを行い、スズキ新型「ジムニー」が登場しました。

「ジムニー」は軽自動車でありながら、本格的な走破性能の高い4×4のオフロードカーとして、世界中にコアなファンを持つ車です。

4代目となる新型車は伝統のラダーフレームに、Xメンバーと前後のクロスメンバーを追加し、従来よりねじり剛性を1.5倍に高め、強固なプラットフォームとしています。

また、このラダーフレームと車体をつなぐ、ボディマウントゴムは新しく設計され、上下方向に柔らかく、水平方向には硬くすることで、乗り心地を良くし操縦安定性を高めています。

サスペンションはこちらも伝統の、前後固定式3リンクリジットアクスルを採用し、優れた悪路での走破性と堅牢な構造で、過酷な環境下でも使用に耐える、高い信頼性を確保しています。

新型「ジムニー」のグレードは、トップグレード XC、中間グレード XL、ベースグレード XGです。

グレードによる主な装備の差は次のようになります。

XCXLXG
ヘッドランプLEDハロゲンハロゲン
ヘッドランプウォッシャー標準
フォグランプ標準標準
ヒーテッドドアミラー標準標準
クルーズコントロール標準
スタートシステムキーレスプッシュスイッチキーレスプッシュスイッチキー式
ドアミラーLEDサイドターンランプ付電動格納式カラード電動格納式カラード手動式
シートヒーター運転席/助手席運転席/助手席
ステアリング本革巻ウレタンウレタン
ラゲッジフロア防汚タイプ防汚タイプノーマルタイプ
リアシート左右独立可倒式左右独立可倒式一体可倒式
ラゲッジボックス標準標準
UVカットガラス全面全面フロント
スモークガラスリアクォーター/バックドアリアクォーター/バックドア
ホイールアルミスチールスチール

トップグレードの XC はLEDヘッドランプ、クルーズコントロール、LEDサイドターン付ドアミラー、本革ステアリングホイール、アルミホイールが装備されます。

今回試乗するのはトップグレード XC で、プリスクブルーメタリック/ブラックルーフの2トーンカラーとなる仕様です。

無駄な装飾をなくし実用性を追求したスタイリング

スクエアになった4代目のフロントは、ヘッドライト、ウィンカー、フォグランプが丸形で統一され、フロントタイヤ前のバンパーは、悪路走行用の対策として、切り上がった形にデザインされています。

クラムシェルフードとされたボンネットフードは、4×4オフローダーの力強さが強調されると同時に、強度も高める効果があります。

フロントグリルの縦型スロットは、「ジムニー」を強く意識させ、ハニカムデザインの空気吸入ダクトが質感を高めます。バンパーは無塗装の樹脂製で、悪路走行に備えた仕様です。

XC には温度上昇が少ないLEDランプのため、ヘッドランプウォッシャーが装備され、降雪時の対応を行っています。

エンジンをフロントタイヤの、後方に配置するFRレイアウトのため、ボンネットが長く軽自動車を超えた存在感があります。タイヤ交換などの整備性を高めるため、台形のホイールアイーチとしています。

最低地上高は205mmに設定され、走破性の高さを示す3アングルは、アプローチアングル41°、ランプブレークオーバーアングル28°、デパーテャーアングル51°で、いずれもオフローダーとしてトップレベルの性能です。

リアにはスペアタイヤを装備し、本格派オフローダーの伝統スタイルを継承しています。ルーフの大きなドリップレールは、雨や雪がボディに与える影響を少なくするとともに、積載幅の大きいルーフキャリアが設置できます。

ウィンドガラスがボディ面より凹でいるのは、雪が積もるのを防ぐこと、積もっても除雪を簡単に行うことを考慮したデザインです。テールゲートのヒンジは、プラスチックの保護カバーが付けられます。

搭載されるR06A型ターボエンジンは、最高出力64PS/6,000rpm、最大トルク9.8kg・m/3,500rpmのスペックです。燃費はWLTCモード13.2km/L(AT)の性能です。

タイヤは175/80R16サイズで、ブリヂストンデューラーH/T684が装着されています。タイヤはストリート向けの仕様で、ハイウェイでの安定性や居住性、ウェット性能を重視したトータルバランスを追求しています。

悪路走行に対応したインテリアデザイン

水平基調のインパネは立体感のあるデザインとされ、助手席前にはアシストグリップが設置されます。水平なインパネとすることで、車両の傾きを掴みやすく、姿勢コントロールに大きく貢献します。

メーターパネル、助手席前のインパネは、傷や汚れが目立ちにくいシボ加工の表面処理がされています。

メータークラスターは反射を抑えるヘアライン仕上げとされ、トランスファーを4WDにシフトすると、メーターパネル内にインジケーターで表示されます。

ステアリングにはチルト機構が備えられ、ドライブングポジションの自由度は高くなっています。

幅変速機のトランスファーレバーは、2H(2WD)、4H(4WD高速)、4L(4WD低速)のモード切替を行います。パーキングブレーキレバーの横には、シートヒータースイッチが配置されます。

シートはサイドサポートのあるタイプで、表皮はファブリックの仕様となります。XC と XL には撥水加工が施されます。

インパネセンターには空調コントロール、パワーウィンドウ、ESP、ヒルディセントコントロールスイッチが配置されます。

リシートのスペースは大人がなんとか2人乗れるほどのスペースで、長時間の移動には苦しい広さです。

樹脂製の防汚タイプフロアは XC、XL に装備され、リアシートを倒すとサイドパネルの張り出しと同じ高さになり、フラットなフロアになります。

ラゲッジフロアの下には小型のラゲッジボックスが設置されます。

見切りの良いボディと素直な操縦性が好印象の4代目「ジムニー」

4代目となる新型「ジムニ」と対面します。ブルーメタリックとブラックルーフの2トーンカラーのボディは、本格的オフローダーのスタイルで、飾り気を廃し実用性を追求したスタイルです。

また、丸形のランプとフロントグリルの5スロットルが、変わらぬ「ジムニー」らしさを象徴し、独自のアイデンティティを確立しています。

最低地上高が先代より若干高くなったボディは、FRレイアウトのためフロントボンネットが長く、軽自動車とは思えない雰囲気で、周囲に存在感を主張します。

やや高めのフロアに足をかけ「ジムニー」に乗り込み、ドライビングポジションを合わせます。サイドサポートのあるシートは、適度な柔らかさでコシがあり、スズキ車にありがちな耐久性が心配になる、柔らか過ぎる座り心地とは少し違う感触です。

視界はドアミラー付近のサイドウィンドウを切り下げたこと、Aピラーを立てたことなどで、死角が少ないワイドな見え方を確保しています。

ATシフトレバーをDレンジに入れ「ジムニー」を走らせます。オフローダーのボディはボネントフードが常に視界に入り、高い目線のポジションとあわせて、車両感覚がつかみ易くなっています。

さらに、パネルが直立していること、スクエアな形であることが、ボディの大きさを掌握するのに貢献し、狭い場所や障害物のある所でも、ストレスの少ないドライブが可能です。

「ジムニー」のオンロードでの走りは、パートタイム4WDと言うこともあり、2WD状態では素直で、特別に意識させられることはありません。ステアリングを操作するとリニアな反応で、カーブでも素直に車が向きを変えてくれます。

また、最小回転半径も4.8mと軽自動車としては大きめですが、ソリオバンディットと同等の性能で、4×4としては意外に小回りが利きます。

しかし、少し油断をしステアリングの切り遅れるがあると、大きな弧を描きがちになり、旋回半径を拡大させてしまいますが、クセのある挙動ではありません。

エンジンはターボを搭載し、1,040kg(XC/AT)の車両重量に対応していますが、4WD機構の駆動系ロスもあり、活発に感じられる走りではありません。オンロードを飛ばす車ではないので、この走りでも不満はありませんが、高速道路の加速では力不足が心配になります。

乗り心地はオフローダーですが、路面状態が良いと以外にも快適に走ることができ、新しいボディマウントゴムの効果が感じられます。タイヤもオンロード指向性のため、ロードノイズも少なく静かな走りです。

しかし、路面が悪く凸凹が激しいと、体が左右に大きく振られます。これは車の性格上妥協するしかありません。

「ジムニー」のオンンロードでの試乗は、性能の一部でありそれほど、大きな意味は持たないと思われますが、気になる部分もあります。

チルト機能が設けられたステアリングは、自由度が高いドライビングポジションを提供しますが、低い位置にするとスピード、タコメーターが陰に隠れるので、体格によってはチルト機構が意味のない装備になります。

ジムニストなら了解済みのことですが、左足のスペースが狭く置き場に苦労すること、ドライビングポジションがステアリングを抱えたスタイルとなること、改良されたとは言えミションノイズが響く室内は、やはり独特の空間で乗り手を選ぶ車です。

今回試乗した XC のメーカー希望小売価格は1,841,400円(4AT)で、2トーンカラー仕様では 1,884,600円(4AT)です。

「ジムニー」の値引き交渉をしたのはこちらの記事です。

スズキ「ジムニー」値引交渉してみた | tatumiの車探訪記
20年振りのフルモデルチェンジとなった新型「ジムニー」の値引交渉を行いました。新型「ジムニー」は、原点回帰したスタイルが特徴で、多くのジムニストがこれを好意的に受け入れ、熱い視線を送っています。多くの話題と注目を集め登場間もない「ジムニー」は、どの程度の値引が可能なのでしょうか。
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