スズキ新型ソリオバンディット試乗してみた(2020/12/FMC)

スズキのコンパクトミニバン「ソリオ」がフルモデルチェンジを行い、4代目となる新型モデルの登場です。

「ソリオ」は軽自動車の販売を主力とするスズキが、軽自動車からのステップアップするユーザーの受け皿として用意したモデルで、それと同時にスズキの車種選択の幅を広げるための役割を担った車でもあります。

「ソリオ」の初代となるのは1997年に登場した、軽自動車のワゴンRを拡大させた「ワゴンRワイド」で、小型自動車としては小さめボディが際立つ、正に名称のような幅の広いワゴンR程度と認識される車でした。

その後名称は「ワゴンR+」から「ワゴンRソリオ」と変更され、2005年にはワゴンRが外れ現在のように「ソリオ」と単独で呼ばれるモデルへと変わって行きます。

また、2010年に登場した2代目からは完全に小型自動車用として設計したプラットフォームを使い、名実ともに軽自動車からの脱皮を図ったモデルとなり、カスタム系を受け持つ「バンディット」の名称もこの2代目から追加されています。

今回試乗したのは「ソリオ バンディット」のHYBRID MVで、ピュアホワイトパールに塗られた車両です。

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サイズアップを図り安定感を増したスタイル

カスタム仕様としてはフロントのメッキパーツは控えめで、派手にギラついた印象を与えない仕上げとなっています。

ボンネットフードは先代より25mm高められ厚みを増したフロントが、ミニバンらしい印象を持たせます。

上部のキャラクターラインは一度フロントドア部分で下げられ、再びリアに向かい跳ね上げられています。

先代ではL字型だったリアコンビネーションランプは、縦方向にスッキリとまとめられワイド感が強調されます。

全高は先代と同じですが全長は+80mm長くなっています。

タイヤは165/65R15の先代と同じサイズで、ダンロップエナセーブが装着されています。

強面を強調しないフロントが好印象

4代目へとバトンタッチした「ソリオ」は全幅と全長が拡大されたため、ミニバンらしいスタイルとなり存在感を増しています。

スペック的には全幅が20mm広げられ1,645mm、全長は+80mmで3,790mmとまだ十分なコンパクトサイズですが、実際にはそれ以上の大きさを感じさせるボディです。

これには、厚くしたフロントボンネットフードや、意匠変更しワイド感が強調されたリアコンビネーションランプが、上手く相乗効果を発揮しているなと感じます。

カスタム仕様となる「ソリオバンディット」なのですが、フロントのメッキパーツは少なくギラついた押出し感を強調していないのは、先代からのイメージを残しているようにも思えますが、強面を押し出し過ぎなかった顔つきには好感がもてます。

トレンドを取り入れ進歩したインテリア

インパネは直線と曲線を組み合わせたラインで構成し、ブラックにボルドーが合わされたカラーとしています。

センターメーター方式は先代より踏襲されています。

格納式のヘッドアップディスプレイをワゴンRに次いで採用しています。スズキの小型車としては初の装備です。

全方位モニターでは起動時に車両周囲の注意を促すオープニング画面が表示されます。

インパネ中央にはUSB電源ソケットが2個用意されます。

本革巻のステアリングホイールは標準装備です。

センターメーターのため運転席前のインパネには収納ボックスが備わります。

助手席側は階段式のインパネが強調される作りです。

シート表皮はファブリックとなっています。

フロントシートはセパレート形状のためセンターウォークスルーを可能としています。

リアシートのリクライニングは最大56°が可能となっています。

リアシートのスライド幅は165mmで余裕のある足元空間を実現させています。

リアシート用のパーソナルテーブルも先代から引き続き採用しています。

荷室は全長が延ばされため先代より+100mmフロアが拡大しより多くの荷物を積めます。

リアシートは5:5の分割方式なので利便性ではやや劣ります。

リアシートの背もたれを倒すとほぼフラットなフロアです。

荷室フロアの下には収納スペースが用意されます。

大きく向上した内装の質感

インテリアはセンターメーター方式を採用するなど、基本的に先代を踏襲しています。

しかし、質感は若干チープな印象を与えていた先代とは違い、インパネの造形などで大きく向上させています。ソフトパッドなどは使われていませんが、小型車として十分に満足できる水準に達しています。

シートも先代はやや張りがなく柔らか過ぎることで、ビニール表皮のような感触が伝わりましたが、新型では適度な張りの柔らかさから、しっかりとした座り心地が伝わります。

また、全幅の20mmアップは確実にリアシートの快適性向上に繋がっていて、肩回りの空間に余裕が生まれています。

運転席前に表示されるヘッドアップディスプレイは、確かに視認性に優れ便利なのですが、そこまでして、センターメーター方式に拘る必要があったのかはやや疑問に感じられました。

静かで落ち着いた走りをみせる4代目「ソリオバンディット」

新型「ソリオバンディット」に乗り込みシートを合わせると、ポジションはかなり高めに設定されていて、立ち気味にされたステアリングと相まってミニバンらしい風景が広がります。

基本的にプラットフォームは先代と同じなので、位置関係は変わってないと思われるのですが、SUV的な運転姿勢からよりアップライトな、ミニバンのポジションに変化しているように感じます。

このため、運転席からの視界は極めて良く、コンパクトボディと相まって車両の感覚は掴みやすくなっています。

走らせてみると新型「ソリオ」は発進加速が大人しく線が細い印象を与えます。

アクセルを踏み込むと加速が開始されスピードを増していくのですが、走り出しに力強さが無く、フルで乗車したときの出足が心配になってしまいます。

パワーユニットは1.2Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせた、マイルドハイブリッドでパワー、トルクも含めて先代と同様の仕様です。

しかし、車両重量が新型では50kgほど重くなっており、燃費を重視する現在のエンジンでは、このことが大きく影響しているものと思われます。

ステアリングもセンター付近に大きな遊びがあり、曖昧な反応は軽すぎる操舵感と相まって、路面の状況が伝わらずただクルクルと回っている印象です。

エンジンパワーで線の細い感覚が伝わる新型「ソリオ」ですが、室内の静かさは内装の仕上げと同様に大きく向上させており、路面やタイヤハウス付近からの音も良く遮断され、一クラス上の上質さを感じさせるクルマへと進化しています。

乗り心地も不快な大きな突き上げや、妙に柔らか過ぎると感じさせることも無く、安定性と快適性を良いところでバランスさせています。

4代目となった新型「ソリオ」はよりミニバンとしての性格を強めたクルマとなっています。

動力性能やハンドリングにやや不満を覚えますが、増えた荷物積載量と広くなった室内は、クルマの目指した方向性には合っていると思われ、ユーザーからは好意をもって受け入れられるクルマとなっています。

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