スズキ新型「スペーシア」(2017/12FMC)試乗してみた

新型「スペーシア」は背を高くして室内空間を拡大

2013年に新しいコンセプトで登場したスズキの初代「スペーシア」は、重い軽スーパーハイトワゴンを軽量に造り上げ、その軽さを活かした軽快感のある走りと、高い燃費性能が魅力のスーパーハイトワゴンでした。

この「スペーシア」が2017年12月にフルモデルチェンジ行い、2代目となるモデルを登場させました。

新型では新世代の軽量、高剛性のプラットフォーム「ハーテクト」が採用され、「テクト」による衝撃吸収ボディが衝突安全性も高めています。

トレッド後ろの幅が先代より10mm広くなり、ホイールベースも35mm伸ばされて、全高が50mm高くなっています。

これにより新型「スペーシア」は室内の高さが35mm拡大され、室内の幅は25mm広げられていますが、室内の長さは60mm短くなっています。

車両重量は“X”グレード2WDの比較で20kg重くなっており、全高が高くなったことが影響しているものと考えられます。

新型「スペーシア」のグレードは、“HYBRID X” “HYBRID G”の2タイプで、どちらのグレードにも、デュアルセンサーブレーキサポートが装着可能となっています。

“HYBRID X”と “HYBRID G”の装備の違いは

  • 後席の両側パワースライドドア
  • チルトステアリング
  • 運転席シートリフター
  • ラゲッジフロアの後席スライドストラップ
  • スリムサーキュレーター
  • 後方視界支援ミラー

などが“HYBRID G”には装備されず、“HYBRID X”に比べると簡素に感じるグレードになっています。

今回試乗したのは上位グレードとなる“HYBRID X” です。

ファニーフェイスとなった新型「スペーシア」

フロントはオーソドックスにまとめた先代のデザインから、愛らしさや可愛いらしさを感じさせる、ゆるキャラ風な顔つきとなり、個性をもつ仕上がりとなっています。

ボディに凹みを入れることで特徴のあるサイドビューを作り出しています。

テールゲートのウィンドガラス面積を狭く、パネル部分は大きくするリアデザインです。

リアコンビネーションランプはユニークなフロントとバランスがとれるデザインです。

先代はサイドウィンド周りをブラックアウト処理としていましたが、新型ではセンターとCピラーをブラックアウトとし、ドアサッシ部分はボディ同色としています。

搭載されるR06A型エンジンは最高出力52PS/6,500rpm、最大トルク6.1kg・m/4,000rpm、WA05A型モーターは最高出力3.1PS/1,000rpm、最大トルク5.1kg・m/100rpmのスペックです。

燃費は28.2km/L(2WD)の性能となり先代32.0km/Lよりややダウンしています。

タイヤは155/65R14サイズで、省燃費指向となるダンロップエナセーブが装着されています。アルミホイールはオプション装着となっています。

水平基調のスッキリとしたインパネは、明るいカラーで仕上げられています。

メーターパネルは中央の大きなスピードメーターを囲むように、各種のウォーニングランプが並び、マルチインフォメーションディスプレイは、スピードメーターに被るように配置されます。

エアコンルーバーは中央のツマミを調整することで、送風を拡散する機能をもたせています。

ルーフには室内の空調機能を高めるスリムサーキュレーターが装備され、広い空間をもつスーパーハイトワゴンには嬉しい機能です。

スーツケースをイメージした助手席前の大きいインパネトレイは、駐車のときに便利に使えそうですが、凸ラインが少し気になります。

助手席前のインパネグローブボックスは、上中下段の収納場所があり、中央はティッシュボックス入れとして想定しています。中央左はドリングホルダーとなっています。

シートはベージュ系の明るい色合いで、ファブリックの表皮は張りのある座り心地です。

助手席シート下には脱着式のトレイが装備され、利便性を高めています。

リアシートは前方

リアシートは後方

ラゲッジフロアはリアシートを前方にスライドさせても、シートレールが露出しない構造です。

リアシートを倒しても、ストラップを操作することによりリアシートはスライド可能で、前席のポジションが自由な位置に調整できます。

これまでにない雰囲気をもつ新型「スペーシア」

対面した新型「スペーシア」は、先代「スペーシア」のイメージから大きく変わり、ゆるキャラを想像させるファニーフェイスの顔つきです。

愛嬌のあるフロントとするために、ヘッドランプはクリアカバーではなく、あえてカット入りのヘッドランプカバーを採用しています。時代的なヘッドランプとすることで、、柔和な懐かしさを与え、どことなくレトロな雰囲気も漂わせます。

新型「スペーシア」は軽スーパーハイトワゴンに、これまでとは違うデザインを持ち込んだところに、「ハスラー」に通じる遊び心が感じられます。

車に乗り込むと、高められた全高によりルーフはより一層高くなり、広大な頭上空間が広がっています。

この広い空間の温度コントロールを行うために、スリムサーキュレーターがルーフに装備され、前席とリアシートの温度差を効率良く解消してくれます。

シートに座りポジションを合わせると、ステアリングのチルト量が不足していて、低い位置まで下がってきません。このためにシートを上げる必要があり、アップライトな高めのポジションが要求されます。

「スズキ」はシートを高めに設定することを想定しているようですが、チルトステアリングの可動域はもう少し広げていただきたいところです。

室内長が先代より短くなったのは、運転席の位置をやや後ろに設定しているためと思われます。このためにAピラーが前方に位置するようになり、斜め前方の視界を良くすることで、右左折時の安全性を高めています。

メーターパネルには1眼大型タイプのスピードメーターが備わり、それに被るようにマルチインフォメーションディスプレイが配置されます。このレイアウトは、マルチインフォメーションディスプレイの視認性は良いのですが、取って付けたようなデザインが今一つ好きになれません。

インテリアはベージュカラーで仕上げられ、シートカラーも明るいカラーですが落ち着きを感じさせる色合いです。

硬くした足回りは荒れた路面での乗り心地が課題

先代より重くなりましたが、新型「スペーシア」は軽スーパーハイトワゴンでは軽量で、走り出しは軽快な出足をみせてくれます。ただ加速を続けて行くと伸びは悪くなり、ボディの重さとパワーが足りないことをひしひしと感じさせます。

しかしこの弱点を補うためのパワーモードが新たに設けられ、スイッチを入れるとエンジン、CVTの制御が変更となり、反応の良い力強い加速へと切り替わりますので、急にパワーが必要な場合は心強い機能です。

新世代プラットフォームとホイールベースの延長により、路面が荒れている状態での走行安定性は格段に向上しています。

先代では路面が荒れた状態に出くわすと、スピードを落とさなければ、どこかへ飛ばされそうな不安定さが顔を覗かせましたが、新型では安定した姿勢をキープしてくれます。

しかし背が高くなったことによる、ロールの不安定さは完全に消化できていないようで、カーブでの不安定さが時折表われ、スーパーハイトワゴンであることを痛感させられます。

また背を高くした対策として、足回りは硬く引き締められており、段差の乗り越えや小さな凸凹でも絶えず振動が伝わり、荒れた路面での乗り心地が良くありません。

「スペーシア カスタム」ターボならこの乗り心地でも不満はありませんが、ノーマルグレードの「スペーシア」では改善が望まれる部分です。

室内の静粛性は加速時のエンジン音を除けば良く保たれていて、「スペーシア カスタム」ターボのような、ゴロゴロと低い排気音が響くこともありません。「スペーシア カスタム」ターボは、意図的に排気音を響かせスポーティテイストを高めているようです。

標準装備されるシートヒーターは、お尻の部分が熱くなり背中は温まらない傾向にありましたので、これも改善が望まれる部分です。

新型となり登場した「スペーシア」は、課題は残りますが走行安定性は改善され、無理な走りをしなければ、軽スーパーハイトワゴンのレベルは十分クリアしています。

「スズキ」が新型「スペーシア」で考えたのは、これまでにないユニークな顔と雰囲気をもつ軽スーパーハイトワゴンで、これを楽しむための装備とそれに見合う走行性能であるようです。

これ以上の動力性能と運動性能を求めるなら、「ターボモデルをどうぞ」ということなのでしょう。

試乗した“HYBRID X” のメーカー希望小売価格は、デュアルセンサーブレーキサポートが装備され、1,468,800円(2WD)となっています。

ゆるキャラを連れ遊びに出かけたい人にはおすすめの車です。

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