スズキ新型「スペーシアカスタム」(2017/12FMC)試乗してみた

ライバルを研究し2代目「スペーシア」登場

スズキの軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」がフルモデルチェンジされ、2代目となるモデルの登場です。

2代目のモデルは第45回東京モーターショーで初披露が行われ、その高い完成度をみせる仕上がりは、「スズキ」からも市販間近であることが伝えられていました。

「スペーシア」はスズキの軽スーパーハイトワゴン「パレット」に代わるモデルとして、2013年に発売が開始されました。

「パレット」は軽スーパーハイトワゴンの車としては、室内の広さや使い勝手、燃費性能がライバルに劣り販売は苦戦していました。

この状況を巻き返すために開発されたのが「スペーシア」で、「パレット」で最大の弱点とされた室内の狭さを大幅に改善した、軽量ボディの軽スーパーハイトワゴンを登場させました。

また「パレット」苦戦の他の要因として、女性の支持を集められなかったことも響いており、「スペーシア」ではそれを見直し、女性の使い勝手を強く意識した車造りが行われました。

この改良された「スペーシア」でライバルに挑んだのですが、その壁は厚く初代モデルではライバルの牙城を崩すには至りませんでした。

2代目「スペーシア」ではライバル車の研究を進め、室内空間拡大のために全高を50mm高くし、安全運転機能では軽自動車初となる後退時の自動ブレーキを装備しています。

今回試乗したのはエアロパーツを装備する「スペーシア カスタム」で、グレードは最上位の“HYBRID” XS ターボ”です。

「スペーシア カスタム」その他のグレードは、中間の “HYBRID  XS”、ベーシックな “ HYBRID GS”3タイプで構成され、全てのグレードでデュアルセンサーブレーキサポートが装着可能となっています。

大きく立派がコンセプト「スペーシア カスタム」

フロントグリルはUの字を広げたように、メッキガーニッシュが使われ、フロントバンパーのフォグランプを囲むメッキラインとともに、押し出しが強調されており、高さと大きさを感じさせるフロンデザインです。

フロントホイールアーチの上部に凹みを作るこで、ワイド感と力強さを強調し、張り出した印象をもたせるフェンダーデザインです。

フロント、リアウィンドガラスを囲むラインの角がとれ、丸みを帯びたデザインは、質感が向上した塊感の強いものになっています。

メッキガーニッシュを上下2段に設置するリアは、コンビネーションランプが先代より高い位置へと変更されています。

テールゲートスポイラーもデザインされた、凝った形状のものとなりリアスタイルを引き締めています。

ボディの直線上に凹みを作るラインは、2代目「スペーシア」に良いアクセントを与えており、差別化を図り難い軽スーパーハイトワゴンの中にあって、個性を感じさせる部分です。

マイルドハイブリッド搭載のR06A型エンジンは、最高出力64PS/6,000rpm、最大トルク10.0kg・m/3,000rpmのスペックで、燃費は25.6km/Lの性能です。

タイヤは165/55R15サイズで、ブランドはブリヂストンエコピアが装着されています。

水平基調のインパネは広さを感じさせ、スッキリと仕上げられており、トレンドの流れに沿ったデザインです。

メーターナセルは小さくデザインされ、パネル内には左にタコメーター、中央にスピードメーター、右に燃料のレイアウトで、それらを囲むように各種のウォーニングランプが配置され、スピードメーターの下部分は、マルチインフォメーションディスプレイが表示されます。

ターボモデルには7速マニュアルミッションモードのあるパドルシフトが装備され、より力を使えるパワーモードも追加されています。

本革巻のステアリングには赤いステッチが入りスポーティムードを漂わせます。

スーツケースがデザインモチーフとなった助手席前のインパネトレイは、ユニークさは感じさせますが、揺れる車内での実用性は低い形状です。

スズキ車特徴の一つ助手席下の大きな脱着式のトレイは、使い勝手を高める効果的な装備です。

赤いステッチが入るレザー風のシートは、アクセントとなりインテリアを引き締め、質感を高める工夫が感じられます。

リアシートを後へスライドさせた状態

リアシートを前へスライドした状態

先代ではリアシートを前方へスライドさせると、ラゲッジフロアにシートレールが露出する構造でしたが、新型では改善されフラットなフロアが出現します。

リアシートを倒すとフロアはシート部分が高くなり、フラットにはなりませんが、ベルトによりリアシートフロアを移動可能として、先代の前席を圧迫する構造も改善されています。

迫力のあるフロントは個性が薄いデザイン

フルモデルチェンジされ2代目となった「スペーシア カスタム」と対面します。

「カスタムZ」を引き継ぐようなフロントは、高さのある大きなグリルが特徴で、軽スーパーハイトワゴンの存在感を主張する顔付きです。

これは先代「スペーシア カスタム」が、大人しいフロントデザインのため評価されず、その反省からと思われますが、「N-BOX」「タント」に似すぎていて、「スペーシア」だと分かる部分が少なく、同じ車のように見えてしまいます。

乗り込んだ車内は水平基調のデザインで、スッキリとした広さを感じさせ、実際に助手席前のインパネトレイはかなりの広さですが、ドライブ中に物を置けるようにはなっていません。

メーターナセルは小さくまとめられ、先代と同じようなレイアウトを採用しており、イメージを引き継ぐデザインとなっています。

レザー調のシートはスズキ車に共通する、当たりの柔らかい快適な座り心地ですが、長年使用するとヘタリが早いのではと思わせることと、質感がやや低いと感じさせることが気になる部分です。

シートに収まるとAピーラーが前方に位置しており、斜め前方への視界が良く死角が少ないドライビングポジションですが、チルトステアリングの調整が高い位置で止まり、これに合わせるにはシートを高くする必要があります。

背の高いスーパーハイトワゴンなので、シート位置はできるだけ低くしてロールを感じないように乗りたのですが、「スペーシア」ではせっかく背が高いのだから、見晴らしが良いようにシート位置も高めにと「スズキ」では考えたようです。

スーパーハイトワゴンでもターボの走りは軽快

ターボが搭載された“XS”の走りは軽快で、重いイメージがつきまとう軽スパーハイトワゴンの走りを一蹴しています。

普通の軽自動車の感覚でアクセルを踏み込むと、常に制限速度をオーバーしてしまいそうになり、スピードの乗りの良さが感じられます。さらに待望のパワーモードが搭載され、ステアリングのスイッチを入れると、モーターパワーのアシストとともに、エンジン、CVTの制御が切り替わります。

これによりもう一段上の瞬発力が加わり、加速の伸びが早くなりますので、短い合流地点や坂道などでは力を発揮するシステムです。

プラットフォームは新世代の「ハーテクト」が採用され、先代より走行安定が増しコツコツ感も抑えられ良い乗り心地ですが、大きな路面の段差では振動が直接ボディに伝わります。

感覚的にはショックアブソーバーの能力が不足していて、大きな入力を吸収できないような印象です。

アイドリングストップからのモーターを使ったスムーズな復旧は、「スズキ」車の特徴なのですが、新型「スペーシア カスタム」では少し様子が違い、ブレーキを放すと車が前へ少し動き出します。

緩く前に出る動きなら良いのですが、ガクッと少し力強く出るので、ギクシャクとした動きになり易く気になる挙動です。

ステアリングは初期の反応がやや遅く、そこから先は操舵反応が早くなる背の高い車に共通する特性で、Uターンや大きくステアリングをきる場合には、そのことを予測して操作を行うとスムーズな回答が得られます。

軽自動車初となるヘッドアップディスプレイは、視線を大きく移動することなくスピード、エンジン回転、ナビルートなど、様々な情報を確認でき良い機能ですが、慣れるまでは少々鬱陶しく目障りに思えます。

試乗した日は曇り空で日差しがなく、周囲が暗い状態だったのですが、ディスプレイの表示が明るく映り、これが常に視界の中心に表示されてしまいます。ディスプレイに映る明るさや、表示位置の調整ができると、なお良いシステムに発展するものと思います。

全高が高くなり開放感を増した室内は、低めのゴロゴロとしたエンジン音が響き、力強さを感じさせるのですが、静粛性はもう少し高めて欲しいところです。

2代目となった「スペーシア カスタム」は、良くライバルを研究し今までの弱点を克服しています。

エクステリアも薄い平板な印象から、質感のある厚みを感じさせる仕上がりとなり、エアロパーツも細かなデザインが施されています。

新しい機能として広い室内の快適性を高める、スリムサーキュレーターがルーフに装備され、スライドドアが閉まるのを待つことなくドアロックができる、予約機能をリモコンに搭載しています。

今の軽スーパーハイトワゴンに求められるものを考え、「スズキ」がその答えとして送り出したのが新型「スペーシア カスタム」なのです。

試乗した「スペーシア カスタム」“HYBRID XS” ターボの、メーカー希望小売価格は1,908,360円(2WD)となっています。

「スペーシア」の年代別保険料を調査してみました。

スズキ「スペーシア」の保険料相場を調べてみる | あなたに合った自動車保険
2代目となったスズキの軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」の、保険料相場を調べてみました。試算を行ったのは通販型5社、代理店型4社、合計9社の損保会社です。保険料は年代別に算出し、おすすめする損保会社も選んでいます。「スペーシア」の補償をおとくにできるのは、どの損保会社でしょうか。

スズキ「スペーシア カスタム」とホンダ「N-BOX カスタム」を比較してみました。

スズキ「スペーシア カスタム」ホンダ「N-BOX カスタム」比較してみた(2017)
軽スーパーハイトワゴンの王者ホンダ「N-BOX」と、それを追いかける挑戦者スズキ「スペーシア」がともにフルモデルチェンジを行い2代目のモデルを登場させました。「N-BOX」は先代の長所であった広い室内を新型でも引継ぎ、さらに走行性能を追求した走りは軽スーパーハイトワゴンとは思えない安定性を実現させています。対する「スペーシア」は「N-BOX」を良く研究し、これまでの弱点とされてきた部分を改良し、さらに利便性を高める機能を新たに追加しています。第二世代へと進化した両車の対決はどのような結果に終わったのでしょうか。「N-BOX」と「スペーシア」比較してみました。
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