スズキ「スティングレー」試乗してみた(2017/2FMC)

スズキの「スティングレー」は、エアロパーツを標準で装備し、スポーティイメージで作り上げられた、「ワゴンR」のカスタム仕様車に位置づけされるモデルです。

初代の「スティングレー」は2003年に、3代目「ワゴンR」が登場した後の、2007年2月に登場しています。

フロントは半透明のグリルに、横に長いディスチャージヘッドランプを組み合わせることにより、シャープなイメージに仕上げ、リアコンビネーションランプは、クリアレンズタイプを採用することで、質感を上げたスタイリングとしていました。

この後の「スティングレー」は、「ワゴンR」派生車種としての地位が確立され、続くモデルは、「ワゴンR」が発売されると同じタイミングで、発表される車種となって行きます。

現行の「スティングレー」は、2017年2月に発表された6代目「ワゴンR」の、カスタム仕様になりますが、「スティングレー」としては4代目のモデルになります。

4代目「スティングレー」の特徴は、これまで横方向へ伸びていたヘッドランプの形を、縦型に配置しイメージを大きく変えています。初期のテレビCMでは鋭い角を持った牡牛を登場させ、その姿と「スティングレー」のフロントデザインを、重ねるイメージ戦略を展開し、逞しい顔つきとなった姿をアピールしていました。

この斬新なフロントに対してリアデザインは、原点回帰のコンセプトが忠実に反映され、初代「ワゴンR」を連想させる仕上がりです。

「スティングレー」のグレード

「スティングレー」のグレード展開は、最上位がターボ付きの HYBRID “T”、中間グレードの HYBRID “X”、ベースグレード “L” 3タイプのシンプルなバリエーションです。

グレードによる主な装備の違いは次のようになっています。

HYBRID “ T ”

  • パドルシフト
  • クルーズコントロール
  • 15インチアルミホイール
  • LEDヘッドランプ/LEDフォグランプ
  • LEDサイドターンランプ付電動格納ドアミラー
  • デュアルセンサーブレーキサポート
  • ヘッドアップディスプレイ
  • 本革巻ステアリング

HYBRID “ X ”

  • 14インチアルミホイール
  • LEDヘッドランプ/LEDフォグランプ
  • LEDサイドターンランプ付電動格納ドアミラー
  • デュアルセンサーブレーキサポート
  • ヘッドアップディスプレイ
  • 本革巻ステアリング

“ L ”

  • 14インチアルミホイール
  • LEDヘッドランプ
  • 電動格納ドアミラー
  • ウレタンステアリングホイール

今回試乗したのはベースグレードの “ L ”モデルで、上位のグレードには装備される、エコクール、チルトステアリング、運転席シートリフター、マイルドハイブリッドシステム、アイドリングストップなどが装備されていません。

独自性を感じる4代目「スティングレー」のスタイリング

ヘッドランプを縦型に配置したフロントは、独自を強く打ち出したデザインで、一目で「スティングレー」と認識させる、インパクトの強さをもっています。

フロントとリアのバンパーに、カーボン調のガーニッシュを使いスポーティさを演出します。

サイドはリアドアガラスの形状が独特の形で、大型のワンボックスワゴンが採用しているデザインを取り入れています。

リアは原点回帰とするコンセプトが、そのまま具現化され、初代「ワゴンR」を思い起こさせるデザインです。

サイドウィンドウの下端ラインは、AピラーからBピラーまではキツく立ち上がっていますが、BピラーからCピラーにかけては水平に近いラインです。

ベースグレードの “ L ”はマイルドハイブリッドシステムが搭載されず、モーターのアシストがありません。エンジンンの最高出力は52PS/6.500rpm 最大トルク6.1kg・m/4,000rpmのスペックです。

14インチのアルミホイールに組み合わされるタイヤサイズは155/65R14で、タイヤは燃費指向のダンロップエナセーブが装着されています。

センターメーターが備わるインパネは、水平基調で広さを感じさせ、シンプルで機能的なデザインです。

左右の両端まで走る赤のラインが、インパネにアクセントを与えます。

助手席の下は取り外し可能なトレイがあり、汚れた靴などを収納するのに便利です。

インパネに合わせてシートとドア内張にも赤をあしらい、インテリアをスポーティテイストに仕上げています。

リアシートを倒すとフラットなフロアになりますが、地面から開口部までが高く、重量物を積むには苦労しそうです。

ラゲッジフロアの下には収納スペースがあり、工具や小物などを入れておけます。

アメ車の雰囲気が漂うインパクトのあるフロントデザイン

ピュアレッドに塗られた「スティングレー」と対面します。

全高が1,650mmあるボディはリアドアのBピラー部分を、ルーフに向けて持ち上げたことで存在感が増し、軽自動車とは思えない大きさを感じます。

個性を強く主張するフロントは、どことなくアメ車をイメージさせるデザインになり、クラシカルな雰囲気が漂い、新しさはないのですがインパクトは感じるデザインです。

車に乗り込みシートに腰を下ろしたポジションは、アップライトで前を見下ろすような姿勢になり、前方の視界は良く開けています。

“ L ”グレードはベーシックグレードのため、ドライビングポジションを調節する、シートリフターやチルトステアリングが装備されないため、微妙な調整はできませんが、短時間であれば問題はありません。しかし、長時間のドライブではややキツくなるのではと思えます。

また、アジャスト機能がないためか、ペダルのオフセットが感じられ、ブレーキペダルが右(外側)に寄っている印象を受けることと、ドアミラーの角度を調整するボタンの形状が小さく、操作性が良くないところは少し気になります。

ベースグレードでも見劣りしないメーターデザイン

インパネのセンターメーターは、ドライバーの前に配置される方式と比べると、遠方にある印象ですが、大きなナセルとメーターで、視認性が良く不満はありませんが、ステアリングとメターパネルの端が被るのはこの方式の難点です。

試乗車はベースグレードのため、マイルドハイブリッドシステムのインジケーターがないことや、インフォメーションディスプレイの表示方法が、上位グレードとは異なるのですが、メーターデザインに、殺風景な印象は感じられません。

高速域での安定性が今後の課題

Dドライブに入れスタートさせると「スティングレー」は、軽量なボディと低速トルクに優れるエンジン、それを巧みに制御するCVTで反応良く加速して行きます。

マイルドハイブリッドシステムが搭載されないため、搭載車と比べると発進加速でトルクが細い印象になりますが、大きな不満はありません。

ハンドリングはキャスターアクションが弱く、玄人好みとも言えるリニアなフィーリングですが、直進安定性に欠ける部分があり、路面の状態により影響を受け易い性格です。

乗り心地は足回がソフトに仕上げられ、コツコツ感も少なく良好なのですが、うねりが続くような路面では、上下の振動を抑えることができずに、ボヨンボヨンとボディが跳ねてしまいます。

また、スピードを上げカーブを曲がろうとすると、このソフトに仕上げられた足回りが、不安定な動きを伝えてくるので、安心してアクセルを踏み込むことができません。

この不安定に感じさせるのは、主にリアサスペンションの、踏ん張りの弱さに原因があると感じられますが、実際には感じるだけでスピードを上げ走行しても、問題がないのかも知れません。

しかし、感覚的には車が注意信号を発進しているように感じられるので、そこから先の領域に踏み込むには躊躇し、アクセルを戻してしまいます。この不安定領域の先の挙動を確かめてみたいのですが、公道で試乗車ではハードルが高過ぎます。

不満に感じる部分が多くなってしまいましたが、「スティングレー」の作りは、スズキのマーケティングから導き出されており、この車のターゲットとなるユーザーは、走りよりも乗り心地を重視し、スタイルと雰囲気に拘ることが分かっているのでしょう。

加えて、近年の軽自動車の人気は「スティングレー」のようなハイトワゴンから、「スペーシア」のような、スーパーハイトワゴンに移っており、より広い室内が求められてることから、走りよりも室内空間の拡大に力が注がれたとも考えられます。

「スティングレー」はインパクの強いスタイリングで、スポーティテイストを追求していますが、それは走りの本質の追求ではなく、雰囲気を追求するための車として造られています。

今回試乗した「スティングレー」“ L ”グレードのメーカー希望小売価格は、1,293,840円(2WD)になっています。

「スティングレー」の見積り交渉行ってみました。

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