スズキ新型「ワゴンR」試乗してみた(2017/2FMC)

スポンサーリンク
試乗記682×171

「あたらしいたのしいが、R」の6代目新型「ワゴンR」

スズキの看板車種とも言える「ワゴンR」が、フルモデルチェンジされ2017年2月に発表されました。

「ワゴンR」はスズキが他社に先駆けて開発した軽ハイトワゴンです。

「ワゴンR」が発売されるまでの軽自動車は、背が低くて窮屈な感じを与える車が主流の中で、「ワゴンR」は全高を高めて開放感のある広い室内とともに、乗降性を改善させて使い勝手を大きく向上させました。

このコンセプトは幅広い年代層に支持を受け、スズキの予想を超える販売台数となり大ヒットを飛ばしました。

6代目となる新型「ワゴンR」のキャッチフレーズは、「あたらしいたのしいが、R」と銘打たれていて、「HYBRID」のネーミングが軽自動車として初めて使用される辺りが、「あたらしい」と言う部分なのかも知れません。

「ワゴンR」の「HYBRID」システムは、機構的には旧型のSエネチャージと同じものが使われていますが、「HYBRID」となりアシスト出来る領域は拡大されています。

リチウムイオンバッテリーの大容量化と、ISGの高出力化により、アイドリングストップからの再始動時に、モーターによる最大10秒間のクリープ走行を可能とした他に、これまで、発進から85kmまでだったアシスト速度域を、100kmまでに拡大させています。

新型「ワゴンR」のグレードは

  • HYBRID FZ
  • HYBRID FX
  • FA

のシンプルな構成になっており、“HYBRID FZ”は、フロントヘッドランプが上下に分けられ、エアロパーツが装備されるスポーツライクな仕様です。

“HYBRID FX”は標準仕様と言える大人しいデザインで、“FA”はビジネスライクなベーシックグレードとなっています。

“HYBRID FZ”、“FX”には、セーフティパッケージ装着グレードが準備され、その装備内容はデュアルセンサーブレーキサポート・誤発進抑制・車線逸脱警報・ふらつき警報・先行車発進お知らせ・ハイビームアシスト機能、ヘッドアップディスとなっています。

今回試乗したのは“HYBRID FZ”のピュアホワイトパールです。

角張ったデザインが特徴の6代目「ワゴンR」

フロントから見ると、張り出したスクエアなデザインで、パネルも直線的に立ち上がっており、6代目「ワゴンR」はスペース効率重視のデザインを採用しています。

横基調のフロントグリルに、上下2段に分けられたヘッドランプが、“HYBRID FZ”の特徴になっていて、雰囲気的にはクラシカルな印象です。

リアドアのウィンドガラスの処理が、ミニバン風なデザインで、スライドドアのような印象です。旧型には無かった、リアクォーターガラスも新たに採用されています。

この処理はこれまで、軽ハイトワゴンでは無かったように思えますが、ボディが長く伸びやかに見える効果をもたらしています。

リアのイメージは初代の「ワゴンR」を感じる、懐かしさを憶えるえるデザインですが、コンビネーションランプは特徴のある形をしています。

この角度から見ると、伸びやかなデザインが強調されますが、アウタードアハンドルの取付角度が、フロントとリアでは違っているのが惜しいところです。

リアバンパーのエアロ仕様は、ロア部分が一体で整形されていますが(フロントバンパーも同様)、後付けされるエアロ仕様と比較すると、やや安っぽく見えてしまいます。

サイドスカートは通常の後付けタイプです。

横基調のインパネとセンターメーターを採用

センターメーターが収まる横基調のインパネは、スッキリとした広い印象を与えています。

ナビゲーションのディスプレイ表示部は、視認性は良いのですが、後付けしたような一体感に欠けるデザインで少々残念です。

センターメーターの表示部は、大型で見易いデザインとなっていて視認性に優れています。

横基調のインパネは、スペースユーティリティに優れ、物を置けるスペースを上手く創り出しています。

“HYBRID FZ”は、ブラック基調のベンチタイプファブリックシートで、ゆったりと乗れる仕様ですが、助手席シートの感触だけが、非常に柔らかくやや腰の弱い印象です。シート下にトレイを設置する構造のために、若干の影響があるのかも知れません。

新世代のプラットフォーム「ハーテクト」の採用で、旧型よりホイールベースが35mm拡大されて、リアシートを最後部まで下げると、余裕のあるレッグスペースになります。

リアドアの内側には、濡れたままでもそのまま収納出来る、アンブレラホルダーが備えられます。

アンブレラホルダーに溜まる水滴は、車内に残らず外部に排出される構造としています。

フルフラットに出来るラゲッジフロアは、リアコンビネーションランプをバンパー上に設置したためか、地面からフロアまでの高さは高くなっています。

フロア下には小さなラゲッジスペースがあり、フロアが高くなったために、深さのある形状となっています。

R06A型エンジンは、最高出力52PS/6.500rpm、最大トルク6.1kg·m/4.000rpmの性能となっており、最高出力は旧型と同じ値ですが、最大トルク(旧型6.4kg·m/4.000rpm)は若干下げられています。

モーターの最高出力2.3kW/1.000rpm、最大トルク50N·m/100rpm(旧型最高出力1.6kW/1000rpm、最大トルク40N·m/100rpm)は旧型より向上させています。

燃費性能はJC08モードで33.4km/L(旧型33.0km/L)と僅かながら旧型より、良い数値となっています。

ボンネット裏のインシュレーター(吸音材)は設置されない仕様です。

ホイールは155/65R14サイズで、タイヤは省燃費指向の、ダンロップエナセーブが装着されています。

“HYBRID FZ”はアルミホイールが標準装備されます。

6代目「ワゴンR」は原点回帰とも言えるボディワーク

6代目となる「ワゴンR」の最初の印象は、張り出しが強くなり大きく見える車となっています。

前後バンパーの張り出しを、極力抑えてボディを拡大しパネルを平面的に仕上げて、垂直に近い角度で立ち上っていることが、この印象を強くしています。

このエクステリアデザインは、室内の広さに貢献しており、その感じる感覚だけを表現すると、スパーハイトワゴンの「スペーシア」に近くなっています。

これは初代「ワゴンR」が、それまでの軽自動車とは違い、広さと使い易さを求めて開発された、コンセプトに立ち戻った原点回帰とも言える設計です。

インテリアは、シンプルな横基調のインパネが組み合わされて、このデザインも広さを感じさせることに、一役買っている印象です。

やや、シンプルで単純過ぎるかなとも思えますが、実用的な軽「ワゴンR」の性格を考えれば、納得出来るデザインです。

ドライブしてみると、スズキ車の美点の一つである、軽量化が徹底されたボディは、発進加速からの反応が良く、スッと車が前に出て行きます。

この発進加速の良さは、軽量ボディに加えてモーターのアシストも、「Sエネチャージ」名称の時より、大いに貢献が感じられる部分です。

さらに、アイドリングストップ後の、再発進の静けさとスムーズさは、「HYBRID」になり磨かれていて、上質な感覚を与えることに成功しています。

13km以下では、アクセルペダルもブレーキペダルも踏まない状態で、モーターによるクリープ走行を、最大10秒間可能としたことなど、モーターアシストの作動域を拡大させています。

加えて上質を感じさせるもう一つの要因は、室内の静粛性が高く保たれていることです。

スズキの軽自動車では、8代目「アルト」に続き6代目「ワゴンR」でも採用されている、新世代のプラットフォーム「ハーテクト」は、軽量化とともに剛性化を両立させており、これが静粛性にも良い影響を与えています。

プラットフォームが「ハーテクト」となり、向上した他の部分としては、非常に良い乗り心地になっていることです。

装着されるタイヤは省燃費指向の、ダンロップエナセーブですので、タイヤ特有の硬さは感じられるものの、その感覚は非常にマイルドに仕上げられていて、ダンピングの効いた張りのある乗り心地となっています。

右左折する場合の視界確保のために、細く設計されたAピラーと、設置位置を下に下げた小型化したドアミラーは、視界の確保に貢献していると思えるのですが、小型化されたドアミラーだけは、後方視界が狭くなっており、やや不満が残る部分です。

6代目となった「ワゴンR」は、その生い立ちを見つめ直し、室内の広さと実用性を重視したコンセプトと、「HYBRID」による経済性と上質をプラスした、スズキらしい特長を備えた軽ハイトワゴンに仕上がっています。

「ワゴンR」“HYBRID FZ”のメーカー希望小売価格は、1,350,000円(2WD)、セーフティパッケージ装着車は1,409,400円(2WD)となっています。

「ワゴンR」デュアルセンサーブレーキサポートの予防安全性能評価(JNCAP)が公表されました。

スズキ「ワゴンR」2017年度予防安全評価を考えてみる | tatumiの車試乗記
独立行政法人自動車事故対策機構から「ワゴンR」の、実車衝突試験に基づく2017年度衝突安全評価が公表されました。「ワゴンR」に搭載されている、デュアルセンサーブレーキサポートの性能を4つの項目、対車両被害軽減ブレーキ、対歩行者被害軽減ブレーキ、車線逸脱抑制、後方視界情報に分けて評価をしています。

スズキ「ワゴンR」ダイハツ「ムーヴ」の比較試乗記事はこちらです。

ダイハツ「ム-ヴ」スズキ「ワゴンR」比較してみた(2017/8)
ダイハツとスズキの看板車種でライバル関係にある「ムーヴ」と「ワゴンR」を比較してみます。現行の6代目「ムーヴ」は、2014年に登場し2017年8月にマイナーチェンジを実施しています。対する6代目「ワゴンR」は、2017年2月にフルモデルチェンジされ登場しています。この対決を制したのはどちらの車だったのでしょうか

「ワゴンR」の25周年特別仕様車のお買い得度を検証してみました。

スズキ「ワゴンR」25周年特別仕様車のお買い得度を検証 | tatumiの車探訪記
スズキ「ワゴンR」が誕生25周年を記念し特別仕様車を発売します。特別仕様車はHYBRID FX リミテッド、HYBRID FZ リミテッド、「スティングレー」HYBRID X リミテッドとして設定されます。3つの特別仕様車の装備を検証し、お買い得な車に仕上げられているのか確かめてみます。
スポンサーリンク
試乗記682×171
試乗記682×171

シェアする

フォローする

関連コンテンツユニット1