ホンダのエンジン開発はまだ道半ばなのか

2018年F1の開幕戦となるオーストラリアGPが、3月23日~25日の日程で行われました。

トロロッソと組み新たなスタートとなったホンダは、決勝のレースでブレンドン・ハートレーが1周遅れの15位で完走し、ピエール・ガスリーは14周目にMGU-Hのトラブルによりリタイアとなりました。

バルセロナで行われたプレシーズンテストでは、大きなトラブルがなく順調にテストを終えていただけに、エンジントラブルによるリタイアは予想外の結果となり、次戦バーレーンに向けての対策が急務となっています。

トロロッソ・ホンダのアルバートパーク・サーキットでの戦い方を振り返り、ホンダエンジンの現状と今後を考えてみます。

フリー走行での修正が反映できず予選は下位に沈む

トロロッソ・ホンダの初戦となる、2018年オーストラリアでのフリー走行1回目は、ピエール・ガスリーが11番手、ブレンドン・ハートレーが18番手のタイムを記録し、2回目の走行ではブレンドン・ハートレーが16番手、ピエール・ガスリーが17番手のタイムを出し終了しています。

トロロッソ・ホンダはこのフリー走行で、アルバートパーク・サーキットの終盤セクター3で大きくタイムをロスし、順位を落とす結果となっていました。

このことからパワーユニットの、デプロイが切れたのではと推測されましたが、タイヤのオーバーヒートに原因があったことをチームが発表しています。

初日のフリー走行では、ドライバーを含めてチーム側も、タイヤを上手く使うことができなかったようですが、レスダウンフォースのセッティングが、タイヤに大きな負担をかけているようにも感じられました。

翌24日の3回目のフリー走行は雨により有効な走行が行えず、昨日より変えたセッティングが、正しいのかを検証することができないまま、ウェットコンディションの路面でピエール・ガスリーが11番手、ブレンドン・ハートレーは12番手のタイムを記録し、予選を迎えることになります。

始まった予選は完全なドライ路面となり、Q2進出をかけた中盤に位置するチームの戦いは激しく、僅かな差でQ1敗退となる緊張感の中で続けられ、トロロッソ・ホンダはピエール・ガスリーが、タイムアタック中にミスを犯しコースアウトし、ノータイムで最後尾に沈み、ブレンドン・ハートレーはコンマ数秒の差でQ2進出を逃しました。

フリー走行1日目の結果から変えたセットは、サーキットにマッチさせることができず、このマシンでアタックを開始した2人は、Q1予選を突破することができませんでした。

オーストラリアのアルバートパーク・サーキットは、ドライビングが難しいサーキットとしても知られ、ここを始めて体験するトロロッソ・ホンダの若い2人のドライバーには、コースに合わないマシンでのアタックは、少し荷が重かったのかも知れません。

このサーキットを知るベテランのドライバーなら、マシンをねじ伏せタイムを出しに行くことも可能だと思われますが、優秀とされる彼らでも初体験となるサーキットでは、若さが出た予選結果になったと言わざるを得ません。

実際にQ1で敗退したのは全て新人が乗るマシンで、アルバートパーク・サーキットの攻略には、いかに経験値が必要かを如実に物語っています。

予期せぬパワーユニットトラブルがピエール・ガスリーに発生

決勝レースはブレンドン・ハートレーが16番手、ピエール・ガスリーが最後尾の20番手でスタートを切りました。

トロロッソ・ホンダの2人のドライバーは、ボジションの近い周りの車とのラップタイムも僅かで、スタート位置は良くないが十分に挽回できると、ポジティブな発言を行い、期待を抱かせる決勝レースとなっていました。

しかしブレンドン・ハートレーはスタート直後の第1ターンで、彼がレースを経験した中で最大といえるほどの、大きなフラットスポットを、ハードブレーキングにより発生させてしまいます。

フラットスポットができたタイヤは、振動が激しくなり1週目でタイヤ交換を余儀なくされ、そのタイムロスを挽回するため、ロングラン作戦に切り替えましたが、途中でパンクに見舞われ順位を回復することなく、最後尾でチェッカーフラッグを受けレースを終えています。

最後尾スタートとなったピエール・ガスリーは、さらに深刻な事態が起こってしまいます。

タイミング良くスタートし前の2台を抜き去り、好調に走行し16位にポジションアップしていていた14週目に、パワーユニットにトラブルが発生しリタイヤしてしまいます。

ドラブルの原因は昨年苦しめられたMGU-Hに、問題が起こったことをホンダが発表しました。

テストでの信頼性が失われたのは深刻だ

バルセロナのテスト後半4日間で、延べ走行距離2,318kmを1基のエンジンで走り切り、大きなトラブルが出なかっただけに、昨年苦しんだMGU-Hのトラブルがレースで出たことは、ホンダにとっては深刻な問題に思えます。

バルセロナテストでの最終日に、小さなトラブルの兆候が発見されたために、早めに走行を切り上げましたが、電気系統に異常が発見されたためで、MGU-Hには問題は起きていませんでした。

ホンダジェットの技術を取り入れ、全社のバックアップ体制で臨むとされた、今年のF1開幕戦には相当の力が入っていたはずで、昨年のエンジントラブルが続出した経験から、まずは信頼性を確保しそれからパワーアップを図り、2018年F1シーズンを戦うとしていた戦略が、初戦で躓いてしまったのです。

このトラブルにより開発のリソースは、パワーアップよりも信頼性を確保することが優先されると思われ、STR13が速さを発揮するのは先のことになりそうです。

ホンダエンジンのパワーは低いのか

バルセロナのテストでもトロロッソ・ホンダSTR13は、タイヤデグラデーションが酷いと指摘されていましたが、オーストラリアのフリー走行でも、サーキット後半でタイヤがオーバーヒートしています。

テストでは積極的に負荷を与え、タイヤが傷んだ状態での挙動を確かめていたと、チームはコメントしていますが、これはレスダウンフォースで、どれだけ走れるのかを確かめていたのではないでしょうか。

このテストである程度の手ごたえを掴んだチームは、オーストラリアでのフリー走行でレスダウンフォースを試したが、タイヤに負荷がかかりオーバーヒートで、タイムをロスしてしまった。

ここで気になるのが、レスダウンフォースセッティングに偏った、マシンの仕上げ方をしているのではないかと思われるのです。

予選に臨むにあたりスピードが必要で、空気抵抗を抑える必要はあったと思いますが、その他にホンダエンジンの、パワーの低さが影響しているのではないでしょうか。

マシンのスピードはエンジンパワーだけでなく、そのシャーシがもつ特性にも大きく左右されますが、昨年ルノーエンジンを使用していたトロロッソでは、直接ホンダエンジンとの比較ができます。

STR13にホンダエンジンを載せパワーの低さが分かり、それを補うために空気抵抗を抑えたセットで、マシンを仕上げているのではないでしょうか。

この推測が正しいとするとホンダエンジンは、大きなパワーアップが必要と思われますが、シャーシのSTR13がタイヤに厳しいことも考えられます。

ホンダは立て直すことができるか

万全の体制で臨んだ開幕戦でパワーユニット1基が壊れ、ホンダが受けたダメージは相当のものがあると思われますが、GPは始まったばかりで悲観的に考える必要はありません。

ホンダはF1体制を変え問題への対処も、スピートアップを図っており、尚且つホンダ全社のリソースを使いバックアップすると決意を表しています。

次戦となるバーレーンは、一般道を閉鎖しレースを行うアルバートパーク・サーキットと違い、パーマネントサーキットとなり、若い2人のトロロッソ・ホンダのドライバーにとっても負担が軽減されるサーキットです。

ホンダエンジンが信頼性を発揮し、納得できるレース展開のバーレーンGPとなることを期待します。

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