トヨタ「86」試乗してみた

2012年にFRレイアウトのスポーツカーとして登場し、2018年で6年目を迎えるトヨタ「86」に試乗してみました。

トヨタ「86」は長らくトヨタに欠落していた、若者にアピールする車を復活させたモデルで、スバルとの共同開発により誕生しました。

「86」と言うネーミングから往年のAE86を思わせますが、トヨタ「86」のボディは一回り大きくサイズアップし、専用のモデルとされることから、AE86よりピュアスポーツを追求した車となっています。

トヨタ「86」のエクステリアはスポーツカーらしい、ワイドで背の低いスタイルで、シャープなグローバルで通用するデザインです。

この背の低いスタイルは高さの低い、スバルの水平対向エンジンにより実現され、これにともない低重心の、スポーツカーらしい運動性能を実現させています。

トヨタ「86」のグレードはベーシックな G から、GT、GT“Limited”へとアップし、GT“Limited”にはブレンボ製のブレーキなどを装備した、“Black Package”も用意されます。

また、メーカーのコンプリートカーとして、レーシングテイストの “86 GR SPORT”、“86 GR”もライナップされ、ユーザーが趣向に合わせ選べる幅を広げています。

今回、試乗したのは中間グレードのGT・MT仕様で、クリスタルホワイトパールのボディカラーに、ボンネットフードはカーボン調のシートが貼られています。

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トヨタ「86」GT・MT スペック

全長(mm)4,240
全幅(mm)1,775
全高(mm)1,285(アンテナまで1,320)
ホイールベース(mm)2,570
トレッドフロント(mm)1,520
リア(mm)1,540
最低地上高(mm)130
最小回転半径(m)5.4
エンジン排気量(L)1,998
種類水平対向4気筒 直噴DOHC
最大出力(PS/rpm)207/7,000
最大トルク(kgm・f/rpm)21.6/6,400~6,800
車両重量(kg)1,240
燃料消費率JC08モード(km/L)11.8
サスペンションフロントマクファーソンストラット式
リアダブルウィッシュボーン式
ブレーキフロントベンチレーテッドディスク
リアベンチレーテッドディスク
駆動方式FR

オーソドックスだがキレイでまとまりのあるエクステリア

マイナーチェンジでバンパーやフォグランプの形状を変え、グリルの開口部も横に長く拡大しています。

つり目型にデザインされたヘッドランプは、Bi-Beam LEDが標準装備となり、GTグレードよりLEDフォグランプも標準装備されます。

サイドから見るとオーバーハングが短く、慣性モーメントの減少を狙いデザインされていることがわかります。特にフロントはバンパー先端からタイヤまでが、極端に短くされています。

フロントフェンダーにはダミーのエアアウトレットが設けられ、スポーツカーらしいアクセントを与えています。

タイヤハウスのフロントフェンダーが、盛り上がっているのが良くわかります。

キャビンを絞り込みフェンダーの張り出しを強調するリアスタイルです。

リアバンパー下には空力効果を高めるディフューザーと、大径のデュアルエキゾーストパイプが迫力を増します。

ボリュームのある張り出したリアフェンダーは、オーソドックスなデザインですが、FR駆動の力強さが伝わる仕上がりです。

マイナーチェンジでリアコンビネーションランプは、フロントと同様にLED化されています。

パフォーマンスロッドが備わるエンジンルームには、FA20型の水平対向エンジンが搭載され、最大出力207PS/7,000rpm、最大トルク21.6kgf・m/6,400~6,800rpmのスペックを発揮します。

切削加工のアルミホイールに収まるタイヤサイズは215/45R17で、タイヤはミシュランプライマシーHPが装着されます。

機能的で仕事場の雰囲気が漂うインテリア

インパネはオーソドックスですが、加飾を抑えたスパルタンな印象を与えるデザインです。

ステアリングはトヨタ車の中では最小径とされる、362mmの小径真円タイプが採用され、グリップの断面形状にも工夫が凝らされています。

メーターは左にスピードメーター、中央にタコメーター、右にマルチインフォメーションディスプレイが配置される3眼タイプです。

特徴的な8角形のエアコンダイヤルスイッチの下には、ピアノタッチスイッチを配置し、その下には、エンジンスタートスイッチが備わります。

直立したインパネが機能を重視し、使い込む車の雰囲気を漂わせます。

レッド&ブラックのバケットシートは、GTではファブリックが使われ、カラーはブラックのみも選択することができます。

2+2のシートレイアウトはリアシートが緊急用として用意されます。

ボディ剛性確保のため独立したトランンクが備わります。容量は深さがなく少なめですが、スポーツカーなので致し方ないところです。

シャープで攻撃的になったフロントデザイン

対面した「86」は非常に低いボンネットが印象的で、タイヤハウスのフェンダーが盛り上がる、スポーツティストを感じさせる佇まいです。

マイナーチェンジ後のフロンントは、より先端が低い位置となり、バンパーのロア部分も前方に突き出しエッジを効かせています。

これによりフロントの開口部は高さが低く、横に広がるワイドな形状に改められ、バンパーのデサインとともに、シャープで攻撃的な印象を強めています。

シャープな印象を与えるフロントから、流れるように続くリアはキャビンを絞り込み、フェンダーを張り出させ、後輪駆動を主張する力強いデザインです。

オーソドックスなスポーツカーのスタイルですが、古さや退屈さを感じさせないキレイな面で構成され、6年が経過しても衰えない魅力を放っています。

低いポジションでもドライブは容易

背の低い「86」に乗り込むと、開発チームが拘ったされる低重心設計のボディは、シートが沈み込むように低く、地面が非常に近く感じられます。

バケットタイプのシートは体を包み込み、ホールド性が高くなっていますが窮屈ではなく、長距離のドライブでも、疲労を感じさせない作りです。

メータークラスター内には、左にスピードメーターが配置されますが、高速域を意識した表示となり、一般道では見辛くなっています。タコメーター内にデジタル表示のスピードメーターがあるので、問題はないのですが実用性に欠けるスピードメーターです。

ドライビングボジションを合わせると視線は低く、室内もタイトな設計ですが、穴倉に押し込まれたような窮屈さはなく、前方への視界も開けています。

また、タイヤハウスのフェンダーが盛り上り、常に視界に入るため車幅感覚の掌握が容易で、想像するより遥かにドライブし易い車です。

独特の位置にあるエンジンスタートスイッチを入れると、少し長いクランキングの後4気筒水平対向エンジンが始動し鼓動を伝えてきます。

この車の個体差なのか「86」全般なのかは不明ですが、フューエルインジェクションを搭載する、近年のエンジンからすると始動が少し遅く、キャブレターのようなフィーリングです。

マニュアルミッションを1速に入れスタートさせると、低速トルクは細い印象で無造作にクラッチをミートさせると、エンジンがストールしそうになります。

現代はスポーティーカーでもダウンサイジングターボが普及し、アイドリングでクラッチを繋いでも、エンジンストールしないフレキシビリティさを備えていますが、「86」のエンジンはスポーツカーNAの特性を伝えてきます。

走り出すと適度なサウンドが室内に響き、やる気にさせる雰囲気を高めます。トランスミッションはFRらしく剛性の高い節度のある操作感で、スパッと狙ったギアに入り、適度な重さのクラッチにも好感がもてます。

エンジンは敏感という程ではありませんが、踏み込むとNAらしい回転の上昇をみせ、パワーが盛り上がり回すのが楽しくなります。

ステアリングはFRの持ち味とも言える、素直で分かり易い操作フィールで、FF車のステア特性が進化していても、やはりFRに乗ると敵わないと思わせる五感に響くものがあります。

カーブに入って行くと少ない舵角で抜けて行き、ニュートラルなフィーリングは曲げている感覚が少なく、呆気ないほど短い時間でコーナリングが終わります。

足回りはコンフォートでややスポーツ向きのタイヤ、ミシュランプライマシーHPを履いていることもあり、コツコツとした突き上げもなく、見た目から想像されるより遥かに良い乗り心地です。

サスペンションの仕様はスポーツ性を重視していますが、ライン装着以外のタイヤでも、グリップ力を確保できる足回りとしたことで、乗員にも優しい特性になっています。

今後、トヨタは以前のように若者にアピールすることと、会社のイメージアップから「86」を中心としたスポーティーモデルを充実させる計画を立てています。

すでに発表された「スープラ」は「86」の上位モデルで、今後は「86」の下位に属するコンパクトスポーツモデルも登場させる予定です。

「86」サイズのスポーツモデルは継続すると思われますが、名称が変わる可能性も噂されています。その場合は「セリカ」の名称を復活させるのが有力とされています。

今回、試乗したトヨタ「86」GT・MTのメーカー希望小売価格は2,981,880円で、試乗車にオプションとして装着される、リヤスポイラーは58,320円、フードストライプ56,160円、ストライプテープ(タイプ2)29,160円の価格です。

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