トヨタ「C-HR」試乗してみた

TNGA第二弾コンパクトSUV「C-HR」登場

【C-HR】走行インプレッション動画(10min)

トヨタの新世代プラットフォーム、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を採用する第二弾目の車種「C-HR」が、いよいよ登場して来ました。

「C-HR」の開発にあたり重視されたのは、スタイリングと走行性能で、スタイリングは絞り込んだコンパクトなキャビンと、大きく張り出したフェンダーに大きなホイールで、SUVクーペの雰囲気を強く打ち出しています。

走りに関しては、ヨーロッパの一般道やニュルブルクリンクサーキットを、徹底的に走り込み、並々ならぬ拘りで仕上げられています。

コンパクトSUV「C-HR」のライバルとしては、ホンダ「ヴェゼル」やマツダ「CX-3」などが考えられますが、新時代のプラットフォームTNGAを採用する「C-HR」が、どのように仕上げられているのか、大いに興味が沸くところです。

ワイドトレッド、ショートホイールベースの「C-HR」

ボディサイズを確認するために、TNGAの第一弾となる「プリウス」と比較してみます。

C-HRプリウス
車両重量(kg)1,440[1,470]1.310~1,460
全長(mm)4,3604,540
全幅(mm)1,7951,760
全高(mm)1,550[1,555]1,470(1,475)
ホイールベース(mm)2,6402,700
トレッドフロント(mm)1,540[1,550]1,510~1,530
リア(mm)1,540[1,550]1,520~1,540
最低地上高(mm)140[155]130(135)
最小回転半径(m)5.25.1~5.4
室内長さ(mm)1,8002,110
幅(mm)1,4551,490
高さ(mm)1,2101,195

[ ]はガソリン4WD。( )はE-Four。

「C-HR」は「プリウス」と比較すると、全幅を広げトレッドを拡大させ、全長は短くしホイールベースを縮めています。

室内幅は全幅が拡大されているにもかかわらず、「C-HR」は「プリウス」よりも狭くなっており、短い全長に合わせて室内長も短く、コンパクトなキャビンになっています。

ただ、室内高は「プリウス」より「C-HR」が高くなっています。

SUVらしく最低地上高、全高とも「C-HR」は、「プリウス」より高く設定されています。

TNGA第一弾の「プリウス」を基準として考えれば、「C-HR」は最低地上高や全高を除いて、ワイドトレッドにショートホイールベースで、安定性と回頭性を重視した設定と言えます。

今回試乗となったのは、ガソリン4WDターボモデルのG-Tグレ-ドです。

「格好と走りが全て」のコンセプトで作り上げられた「C-HR」

トヨタ車のデザインコンセプト、キーンルックとアンダープライオリティを踏襲するフロントデザインです。

キャビンのグラスエリアは狭くデザインされ、コンパクト感を強調し、大きく張り出したフェンダーアーチに大径ホイールで、ワイルドでスポーティーな雰囲気を演出しています。

リアコンピネーションランプの張り出しは、「プリウス」をイメージさせますが、「プリウス」よりも大型で迫力のある形をしています。

リアにかけてのボディへの絞り込みが強いために、リアフェンダーはフロントより張り出したように見え、力強さが強調されるデザインです。

デザイン発想の原点となったダイヤモンド形状を各所に配置

ステアリングスイッチ、インパネセンタースイッチ、左右空調吹き出し口に、ダイヤモンド形状を採用しています。

2眼のメーターパネルはシンプルなデザインを採用し、無駄なものは排除し走りに必要なものだけを配置したという感じです。

Gグレードはインパネ上部にリコスブランのソフトパッドが貼られます。

シートはオプションの本革ブラックシートが装着されています。

リアシートは外観から想像するほど狭くありませんが、スペースは不足気味で、長時間大人が乗るには苦しいと思える広さです。

ラゲッジスペースは、幅はあるのですが深さが足りない印象です。しかし、2人乗りと割り切って使うのであれば十分な広さです。

8NR-FTS型1.2Lターボエンジンは、最高出力116PS/5,200~5,600rpm、最大トルク18.9kgf⋅m/1,500~4,000rpmの性能です。

インタークーラーは水冷式を採用し、小型でコンパクトに収められています。

タイヤサイズは225/50R18で、タイヤはブリジストンポテンザが装着され、切削光輝+ブラック塗装のアルミホイールに組み合わされます。

スポーティーテイストの包み込まれるようなタイトな室内

ホワイトパールクリスタルシャインに塗られた「C-HR」に乗り込んでみます。

シートに収まった感じは、「プリウス」ほどヒップポイントが沈み込まないので、自然な感じで乗り込み、ポジションをとることが出来ます。

タイトに設計された室内は、包まれ感がありスポーティームードを高めていて、その気にさせる雰囲気を作り出しています。

インパネは低く圧迫感を抑えたと、アナウンスされているのですがやや高さを感じます。前方への視界は悪くないのですが、左側の車幅感覚が掴み難いデザインです。

また、コンパクトなキャビンで、張り出したボディのために、ドアミラーの視認範囲が狭く感じられます。

素直でクセの無い「C-HR」の走行フィーリング

ステアリング右側にあるスイッチで、エンジンをスタートしマニュアルミッション風のシフトレバーを操作しDレンジへ入れます。

パーキングブレーキは自動で解除され、パーキングにシフトすると自動でセットされます。

1.2Lターボエンジンは、力強い印象ではありませんが、スムーズに加速しスピードを上げて行く感覚です。

どちらかと言えば、低中速域をメインにセッティングされているようで、70~80kmまでは素早くスムーズに加速し、反応もターボラグを感じさせません。

Super CVT-iと呼ばれる7速シーケンシャルミッションも、ダイレクト感がある加速でラバーバンドフィールを感じさせず、スポーツ走行をサポートしています。

このSuper CVT-iは、Dレンジでスポーツモードを選択すると、コーナーでの減速に応じてギアを落とし、力強い立ち上がり加速が得られる機能を備えています。

試乗中はスポーツモードを試せる機会がありませんでしたが、ドライバーを支援し速い走りをサポートする機能です。

このスムーズなエンジンに、組み合わされるステアリングの反応は、ワイルドなスタイリングに反して、とても素直で扱い易い印象です。

変な自己主張が無く、操舵量に応じてフロントがリニアに反応し、それにリアが追随して車が向きを変えて行きます。

コーナリングの姿勢も安定していて、4WDを意識させ扱い辛くなるような場面は無く、欧州の一般道や、ニュルブルクリンクサーキットを走り込んで熟成させた、サスペンションの成果が十分に感じられます。

本革のステアリングは、掌に吸い付くような良好な感触で、「C-HR」のドライブフィール向上に貢献しています。

高い走行性能をみせる「C-HR」ですが、乗り心地は極めて良く室内の静粛性も良好です。

タイヤは50扁平率特有の、コツコツと硬さを伝える感じが無く、路面の凸凹も上手くこなして角のある振動を良く消しています。

エンジンノイズの侵入は、ターボエンジンの特性を活かして抑えられており、加えてロードノイズの遮断も入念に行われています。

ブレーキフィーリングは、ガソリンモデルのために、踏み込み量に応じた自然な効き味で、安心して踏み込むことが出来ます。

叶うならエンジンパワーアップとトヨタテイストの味付け

トヨタが他社に遅れて投入したコンパクトSUV「C-HR」は、コンセプトをしっかりと打ち出したところに好感がもてます。

スタイルのために、リアシートの広さや、ラゲッジの広さは犠牲になっていますが、広さを意識して中途半端な車になるよりは、このコンセプトが受け入れられると思えます。

しかし、後方視界はバックモニターが無ければ不安になるほど悪くなっているので、この辺りは配慮して欲しかったところです。

その他更に「C-HR」に望むことがあるとすれば、エンジンパワーアップとドライビングしてのトヨタのテイストを感じさせる部分です。

1.2Lターボエンジンは非力ではありませんが、この車を振り回すような走りではやや物足りない感があり、これが1.5Lターボだったらと期待が膨らみます。

「C-HR」のクセの無い操縦性は、扱い易くて素直なスポーティーカーなのですが、ドライビングしていても、どこか無国籍風なフィーリングで特長がありません。

特長が無いのが、トヨタ車のドライブフィールの特長と、言えないことも無いのですが、「C-HR」は尖がった車ですので、ドライビングするとトヨタのスポーティーカーだなと、感じさせる部分があると、更に魅力が増す車に仕上がるのではと思えます。

試乗したG-Tグレードのメーカー希望小売価格は2,775,600円となっています。

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