トヨタ新型「プリウス」(2018/12MC)試乗してみた

トヨタの元祖ハイブリッドカー「プリウス」が、2018年12月にマイナーチェンジを行い登場しました。

現行4代目「プリウス」はトヨタ初の、TNGAプラットフォームを採用した車両で、これからのトヨタの車造りを示す野心的なモデルでした。

そのため、燃費が良いだけのハイブリッドカーから脱却した走りは、性能を大幅に向上させ、スポーティテイストに溢れた信頼感のおけるものヘと進化しました。

しかし、攻め過ぎた個性の強いスタイリングの影響で、販売台数はヒットを飛ばした先代に及ばず、不振とされていますが、それでも月間1万台前後を売り上げ、上位には必ずランクインする存在です。

今回のマイナーチェンジはこの攻めたスタイリングを、マイルドな印象にイメージチェンジさせ、受け入れられ易い車にすることが大きなテーマで、これにより販売台の増加を目指しています。

その他では安全運転支援のToyota Safety Senceが、全車に標準装備され、後退する場合に左右後方から接近してくる車両を検知し警告する、リヤクロストラフィックアラートを、グレードによりオプションで追加可能としています。

また、15代目の「クラウン」や「カローラスポーツ」に続き、専用車載通信機DCMも全車に標準装備し、T-Connectサービスが3年間無償提供されます。

マイナーチェンジを行い巻き返しを狙う「プリウス」の、試乗となったモデルは、トップグレード Aプレミアム“ ツーリングセレクション”です。

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斬新なスタイルから保守的な印象へとイメージチェンジ

ヘッドランプの形状を変えるとともに、スッキリとした面で構成するフロントバンパーは、保守的な印象をもたせる顔つきへと変わっています。

サイドから見るとリアコンビネーションランプの形状が変わったリアは、丸みを帯びたイメージが強くなり角がとれた印象です。

横に長い形となったリアコンビネーションランプは、ワイドな印象をもたせるリアスタイルへと変えています。

リアドアからリアフェンダーへと走るキャラクターラインは、4代目「プリウス」の特徴です。

1.8L 2ZR-FXE エンジン+モーターのパワートレインは、これまでと同じ最高出力98PS/5,200rpm、最大トルク14.5kgf・m/3,600rpm+72PS/16.6kgf・mのスペックです。

なお、E-Four仕様4WDのリアモーターは、7.2PS/5.6kgf・mのスペックです。

タイヤは215/45R17とマイナーチェンジ前と同じサイズですが、アルミホイールを新たな意匠のデザインに変更し、装着するタイヤはヨコハマブルーアースGTです。

室内も落ち着きのあるブラック基調へとチェンジ

ブラック基調となったインパネは、落ち着きのある雰囲気を作り出しています。

試乗車にはオプションのダブルツィーターシステムが装着され、臨場感のあるサウンドを響かせますが、運転席側のツィーターはやや視界を遮り慣れるまでは目障りに感じられます。

T-Connectサービスに対応したナビゲーションは、9インチモデルが装着されていますが、「プリウスPHV」のみに搭載されている、11.6インチの大型ディスプレイモデルも装着可能です。

フロントコンソールトレイもインパネとあわせブラック加飾で仕上げられます。コンソールトレイには便利な、おくだけ充電機能がオプションで用意されます。

試乗車のAプレミアム“ツーリングセレクション”と、Aプレミアムのシートには、エアコンの冷気や表皮の熱を吸い込むベンチレーション機能が、運転席、助手席に標準で装備されます。

シートはブラック本革の他に明るく華やかな印象となる、クールグレー本革の選択も可能です。

ラゲッジスペースは502L(2WD)の容量がありますが、深さが浅いため、かさばる荷物には不利な形状です。

6:4分割のリアシートを倒し拡大させたラゲッジは、段差がありフラットなフロアとはなりません。

斬新なスタイルからフツーに近づいた「プリウス」

マイナーチェンジを終え実際に目にする「プリウス」は、尖った印象がなくなりフツーの車に近づいた顔つきとなっています。

今までの斬新で複雑な印象を与えたスタイルが、先鋭過ぎたことから、フロントバンパーにまで入り込んだヘッドランプは、ブーメラン型のスッキリとした形状に変わっています。

また、フロントバンパーもスムーズな面構成とし、両端に縦長の細いガーニッシュに、ポジションランプを配しています。

やや、保守的過ぎて新鮮さに欠ける印象ですが、北米での想定した購買年齢層のリサーチでは、「私たちよりもっと若い世代を意識した車に見える」との声が多く聞かれたため、この意見を反映させています。

これに加えリアも大きくデザインが変えられ、縦長だったリアコンビネーションランプが、横に長い形に変わりワイドな安定感を与えます。

さらに、足元に向け絞り込みカーブを描いていたリアバンパーは、垂直に近い形状となり、ラインが多く複雑な印象から、スッキリとまとめられたデザインとなっています。

室内に乗り込みポジションを合わせると、ブラック基調に変えられたインパネは、明るく華やかなこれまでとは違い、フロントコンソールのブラック加飾とともに、落ち着きのある雰囲気が伝わります。

TNGAにより包み込まれるような、低いドライビングポジションは、スポーティですがインパネが高くやや圧迫感を感じさせます。

スティックのようなポジションセレクターを、Dドライブに入れアクセルを軽く踏み込むと、「プリウス」はスルスルとモーターの力で静かに走り出します。

パワフルな印象はありませんが、スムーズな走りは「プリウス」の性格に合っており、誰が乗っても扱い易いと感じられるパワー特性です。

これに合わせるように、ステアリングの反応も穏やかで、215/45R17の低扁平タイヤを履く足周りは、急な操作を故意に行っても、車が過敏に応答することがなく安定感が増しています。

また、装着されるヨコハマ ブルーアースGTが、この特性に大きく貢献しており、省燃費タイプの上級タイヤは、乗り心地もコツコツ感が少なく、「プリウス」とも良くマッチングしています。

さらに、タイヤのグリップ感も、省燃費タイヤ独特の頼りない感覚とは違い、路面をシッカリと掴んでおり、安定感の高い走りを提供します。

室内はモーター走行での静粛性は高く静かですが、エンジンが始動するとゴゴロとした振動が伝わり、コンパクトクラスの「アクア」と変わらない印象で、「プリウス」の車格を考えると不満な部分です。

その他は「カローラスポーツ」に装備された、電動パーキングブレーキの採用も見送られたのは、先進性をアピールする「プリウス」としては残念です。

今回のマイナーチェンジで「プリウス」は、親しみ易いスタイルのハイブリッドカーに変わり、受け入れられ易い車になっています。

先進的な装備の一部は価格の上昇を抑えるため取り入れられていませんが、Toyota Safety Sence の標準装備で、グレードによっては実質的な値下げとなり、お買い得感が増しています。

今回試乗したAプレミアム “ツーリングセレクション”の、メーカー希望小売価格は3,284,280円(2WD)です。

マイナーチェンジした「プリウス」のおすすめグレードを考えたのはこちらの記事です。

「プリウス」(2018/12MC)おすすめグレードを考えてみる | tatumiの車探訪記
「プリウス」は近年にまれなワイドセレクションを展開し、グレードも多彩で価格もベーシッモデルの2,518,560円から、最上位グレードの3,284,280円まで70万円を超える差があります。この多くのグレードの中から用途に合わせたおすすめモデルを考えてみます。
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