自動運転中の事故でも保険は使えます

未来の自動運転車時代の到来に備えて、政府や保険会社の対応が進んでいます。

損保会社では東京海上日動火災が2017年の4月から、自動運転中の事故に対応した補償を始めたのをきっかけに、損保ジャパン日本興亜が同年の7月から、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は2018年の1月から始めています。

政府は自動運転中の事故に対して、自賠責保険の補償を適用することを打ち出しており、自動運転での責任の所在と被害者救済を明確にし、今後の法整備を進めて行く方針です。

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損保会社ではレベル3までを想定

これまでの自動車保険は、自動運転中の事故に対しての規定がなく、車の運行はあくまで人により行われるものとして考えられてきました。そのため事故の原因が、運転者によるものであると補償の対象となりますが、システムの不具合で起こった場合は、保険金が支払われないおそれもありました。

また、保険金が支払われる場合にも、人による操作が原因なのか、システムの不具合に起因するのかを解析する必要があり、被害者の救済が大幅に遅れることも懸念されます。

このような事態に対応するため、登場したのが被害者救済費用特約です。被害者救済費用特約は、これまでの自動車保険では明記されていない、自動運転での事故の賠償を明確にしています。

自動運転中に起こった事故に対して、その原因が運転者かシステムに因るのかに関わらず保険金を支払い、被害者の救済を迅速に行うことを目的としています。また、その後の調査でシステムの不具合によるものと判明した場合は、保険会社がメーカーに対して求償を行います。

この被害者救済費用特約の規定は、自動運転のレベル3まで対応させることを、損保会社は想定しており、今後、完全自動運転が実用化されると、補償する規定と内容は変わって行くものと考えられます。

国土交通省が定める自動運転レベル

平成30年1月に国土交通省が発表した自動運転レベルは、米国運輸省道路交通安全局の指針に合わせた内容とし、高速道路での完全自動化レベル4を、2025年を目途に実用化する目標としています。

レベル1 運転支援

システムが前後・左右のいずれかの車両制御を実施(実用化済み)

  • 自動ブレーキ
  • 前の車について走る(ACC)
  • 車線からはみ出さない(LKAS)

レベル2 特定条件下での自動運転機能(レベル1の組み合わせ)、特定条件下での自動運転機能(高機能化)

  • 車線を維持しながら前のクルマに付いて走る(LKAS+ACC)
  • 高速道路での自動運転モード機能
  • 遅いクルマがいれば自動で追い越す
  • 高速道路の分合流を自動で行う    (一部実用化済み)

レベル3 条件付自動運転

システムが全ての運転タスクを実施するが、システムの介入要求等に対してドライバーが適切に対応することが必要。(高速道路等の特定の条件下で2020年までに実用化予定)

レベル4 特定条件下における完全自動運転

特定条件下においてシステムが全ての運転タスクを実施。(限定地域で2020年までに実用化予定、高速道路で2025年までに実用化予定)

レベル5 完全自動運転

常にシステムが全ての運転タスクを実施。(実用化時期未定)

被害者救済費用特約のある損保会社

自動車保険に被害者救済費用特約のある主な損保会社は次のとおりです。

代理店型

東京日動火災、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保

通販型

ソニー損保、セゾン自動車火災、イーデザイン損保、アクサダイレクト、三井ダイレクト損保、SBI損保

被害者救済特約の保険料

被害者救済費用特約は、対人賠償か対物賠償を契約すると自動で付帯され費用は無料です。また、この特約を使用しても翌年の保険料アップはありません。

さらに、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保は、被害者救済費用特約が適用された事故での車両保険も、無過失事故として取り扱い、翌年の保険料アップがありません。

政府の自動運転に対する指針

政府は今後普及が進むと考えられる、自動車の自動運転に対して法律の整備を進めています。

現行の自動運転レベルは、システムと人が車の運行に関わることになりますが、この条件下において事故が発生した場合は、従来の規定通り車の所有者が、賠償責任を負うもとしています。

これにともない自賠責保険を適用させ、被害者の救済が早急に行われるようにしています。また、救済が人身被害のみとされるのも、これまでの自賠責保険の賠償と同じです。

完全自動運転で自動車保険も変わる?

これまでは自動運転での交通事故に対して、漫然とした不安が自動車保険にはありましたが、被害者救済費用特約で、補償救済される仕組みが明確になりました。

政府も自賠責保険で賠償されることを表明し、自動運転中の事故の補償に安心感を加えています。

完全自動運転が実施されるまでは、まだかなりの時間が必要となりそうですが、法律や規制もこれに合わせて変えられていくものと考えられ、過度期にある現在の補償内容が、今後は大きく変わる可能性もあります。

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